カールモール手帖リレーコラム第一回「閑話休題」イチキ游子


「マスクの英雄」
みなさま、お変わりございませんか?ご無沙汰しております、
カールモールのバーター地下アイドル・イチキ游子です。
あたくしも世間さまに倣って不要不急の外出を控え、不要不急のアルコールを日々適度に摂取しながらこの春をうらうらと生きております。
ただ、よりによってあたくし、こんな時節に一つささやかな悩みが・・・。

マスク着用が大の苦手なのでございます。

水中、それは苦しい
自粛、それも苦しい
でもマスク、マジごめんホント苦しい・・・

シャバとの境界を布切れに阻まれることにより肺活量が半分に制限されるわ、長時間の着用によってガーゼにメイクは強奪されるわ、
着けたまま人と話をすれば元々乏しい笑顔が更に伝わらねえわ。
マスク着用にメリットを感じられるのは、目の前の人に気づかれないで盛大に口パクでディスれることくらいだと思っていたわけであります。

しかしこのご時世。ウイルス感染対策には当然必須アイテムであるマスクは
今や入手困難で、アンチマスク派のあたくしですら家にあったバットマン柄のハギレでの手製のマスク作成を余儀なくされている昨今。

なんとかこの状況を前向きに過ごしたい。誰か、あたくしのマスク着用ボルテージをブチ上げてくれる、
ボクだけのマスク・インフルエンサーはおらんだろうかな?
アニメとか、なんかのヒーローとかでサ!

しかし、だ。

(・・・かつて、医療用マスクを着用したヒーローっていただろうか)

そりゃまあ覆面マスクのヒーローならいっぱいおりますよ。
格闘技界にもアニメ界にも特撮界にも。しかし、医療用マスクしてなお「かっこいい」と言わしめるレジェント的存在って・・・思いつかん。
衣装とかぶりもののなりきりにめっぽう弱いあたくしにそんな憧れのヒーローヒロインでもいれば、私もその人になりきってマスク着用にもっと前向きになれるかもしれんのに。
誰かいなかったかな、マスクヒーロー。

90年代のヤンキー漫画のシ◯ナーきめた不良高校生とかじゃなくて・・・。

あ、いた・・・

「進撃の巨人」のリヴァイ兵長だ。

「進撃の巨人」。壁の中で人類VS巨人が死闘を繰り広げる壮大なストーリーと、ダイナミックすぎるそのデッサンの狂いっぷりに圧倒され、ストーリーについては「人類ってこの壁の中どんだけ広いんだよ」とか
「なんか味方がほとんど巨人になってるけど大丈夫か」とか「このキャラ性別どっちなん」とか「そういえば最初のお部屋の伏線いつ回収されるのだろう」とか、色々気になりながらもあたくし自身は現在19巻で中断している国民的大人気漫画でありますよ。

その中で人類最強と称されるリヴァイ兵士長といえば、
潔癖でクールなイケメンキャラ設定にも関わらず、
単行本5巻の調査兵団みんなでのお掃除シーンにおいて、
そのあねさんかぶりの三角巾に白いマスク姿で勢いよく窓をハイジ開けする
たった1話限りの姿が全アニ女子をギャップ萌え死させたではないか。
めちゃめちゃカッコよかったじゃないか。
厳密にはマスクでなくて白いチーフだったけど、あれ見た目は完全に医療用マスクだ。

そうか、私もリヴァイ兵長になったつもりでカッコよくマスク着用と付き合っていけば良いのだ!

よし、これからは家の中でも白マスク着用。いかなる時にも冷静沈着を貫き、朝ごはんには紅茶。コミュ障だから廊下で隣の住人に会ったら
「俺の顔に何か付いているか?」と言わんばかりの視線を投げ、
相手が怯んだ隙に一瞬の会釈をして光の速さで立ち去る。
部屋にゴキブリでも出ようものなら臆せずに必殺技の回転殺法で一撃するのだ。

・・・と、うすらぼんやりとした記憶のイメージだけで根拠ない妄想に浸っているうちに「つか医療用マスクのヒーローなら手塚治虫先生のブラックジャックが先じゃん」とか思い出して妄想終了。

全然関係ないが、いまこれ書きながらテレビで「ずっと自宅にいると体重増加が心配」というニュースを見て、ふと映画「ジュマンジ」の予告編の時のシブい外国人と同じ口調で

「肥満児」

とつぶやいてみたら変な笑いが止まらないので、あたくしはこれで失礼いたします。

次回はマダムが「ハウルの動く城」を熱く語ってくれるヨ!

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