ゲーム開発におけるコスパを考える

ゲーム開発に携わって3年目の新米です。
今回はゲーム開発をしてて思うことがあったので文字に起こしていきます。
当然のように進みますが、コスパはコストに対するパフォーマンスつまり効用です。
ゲーム開発というのは、ほとんど物質的なコストはかからないです。サーバー代や人件費、あとはツールのライセンス料金くらいのものです。
サーバー代やライセンス料は圧縮できても高が知れているので、今回はコスト=人件費という認識で進んでいきます。

なぜコスパについて考えるに至ったのか?
それは私が仕事をしていて非常に納期に余裕があるなと思ったからです。また、仕事自体も暗黙知や個人の能力のようなもので進んでいってしまうので、なかなか上手く配置をするのが難しいです。
人件費を圧縮する方法は、人を減らすか一人当たりの仕事量を増やすのかの二択です。
一人当たりの仕事を増やすにしても、そこには分業制によって生まれた壁があります。例えばゲームプランナー一つとっても、課金を増やすことを目的に施策を考える人やバランス調整をする人、デバッグ等を行う人、CS(カスタマーサービス)を行う人、仕様書を書く人、データを作成する人がいます。またその場所に対して人を配置していく適材適所を実現する人がいます。
このようにゲームプランナーだけでも色んな人がいます。よくプロジェクトによって忙しさや残業具合が異なると言いますが、プロジェクトどころか担当箇所によっても全然違います。
私はわりかし暇な部隊にいてやることも少なくなってきたのですが、だからといって別の部隊に配置出来るかというと、そこはまた能力の問題があります。

ここで先ほど話した、人件費を圧縮する方法のうちの一つである一人当たりの仕事を増やすという方法は容易に出来るものではないということです。基本的にゲームは運営が進むほど、特別なことがない限り人は増えないですし課金も増えないです。
そのため会社にとってはマイナス方向に進む事業であるにも関わらず、人を増やしてイベントを開催して何とかユーザーを引き止めるとおいうことをしなければなりません。
このためには、それぞれの部隊にプロフェッショナルを揃えて人をなるべく減らす。またそのプロフェッショナルは小さい予算の中で高いパフォーマンスを出す必要が出てきます。

これが理想論なのですが…
いや理想論といっているように、現実はそう上手くいかないです。ゲームを運用する際にプロフェッショナルな部分の占める割合は非常に少なく、大部分はその辺の高校生でも頑張れば出来るくらいの仕事です。
そしてプロフェッショナルが生まれたところで、その人が何かをきっかけに会社を去ることになると途端にプロジェクト運営は破綻します。
ゲーム業界は転職先もゲーム業界ということが大いにある業界ですので、まさに社員を育てることは敵に塩を送る行為にもなる訳です。
こうなると非常にコスパが悪いため、暗黙知や個人の能力+誰でも出来そうな仕事をその辺の人にさせるといったことになる訳です。

また、物事単体で見ていってもゲームというものは非常にコスパを測るのが難しいものです。
直接的に課金を増やすための施策等は、分かりやすい指標があるのでその個人が会社に価値をもたらしているのかが自分自身でも把握しやすいです。また会社的にも分かりやすいのですが…
他の仕様を書いたりバランス調整をしたりという部分に関して、どの程度のメリットがあるかは分かりません。なんせイフワールドなんて存在しないのですから、またゲームには面白さという非常に曖昧で且つ重要な指標があります。
仮にバランス調整によって、バランスの精度が80%から90%になったとて、それがどの程度の影響をもたらすのかは分かりません。
そのためその精度を10%上げることにどれくらいの時間を要していいのかについて、誰もわからないまた議論しないために何となくの仕事をすることになります。
これによってモチベーションが「ゲームに携わること」一点に集中した時には、市場価値もわからないまま安く買い叩かれることになります。

私は仕事すること自体に特に意味は感じていません。あくまでも人生をどう生きるのかの一部であり、そのために金を稼ぐ手段の一つまた集団に属するためのものだと思っています。
そのため今ある仕事でも最大限のバリューを出そうと努力はしていますが、その努力の方向に関して指針がないため、何となく出来ることを増やして経験値を蓄えるしかないのかなと思っています。
もしくは特殊技能のようなものが必要で、例えばゲームプランナーだけどプログラミングも分かりますよというものや、FPSのゲームプロジェクトで実際に戦争経験がありますのようなもの。
つまり多種多様な経験によって、何かの特殊技能が身に付けられる可能性があるということです。
経験を増やすためには時間と金が必要です。そのどちらも手に入らない会社には入らないようにしましょう。

もう一つのコスパを考える。
少し話が脱線しましたが、コスパというのは先ほど挙げたゲームをどのようにして価値を上げるのかという観点と。
また、自分がゲーム会社で働くという観点でのコスパがあります。
一番は特殊技能なのは言わずもがななのですが、それではあまりにもアート。才能に寄りすぎた結論になってしまうので、私からは一言「学歴を上げよう」
ゲーム会社は薄給で労働時間も長いというイメージがありますが、有名な会社になると話は変わってきます。それこそ1000万円くらいの年収であれば射程圏内みたいです。
ゲームが当たっていて、確実に金を稼いでくれるIPを持っている会社さんが間違いないと思います。なのでそういった会社に入るために、まずは学歴を上げる必要があるよねという結論になりました。
またコスパはあまり良くないですが、一つのゲームをやりこんでいるという要素も非常に重要です。
作りたいものがある好きなゲームがあることは確実に生きてくると思うので、この文章を読んでくださった社会人の方は、好きだったゲームを探しましょう。
ゲームをやる時間がないのであれば、せめてニッチで誰もやっていないであろうゲームを極めてください。


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