4.風邪が怖いと思った日

私が社会人になってすぐの時に出会ったおじいちゃん。80代くらいかなーなんて思っていたらなんと100歳をこえる方だった。

杖はついていたものの、一人ですたすた歩けるし、認知症とかもなくてしっかりしている方。家族も一応付き添っているけど、基本的に自分で出来るから手伝うことはあまりない、とおっしゃっていた。とても元気な人だった。

そんなおじいちゃんが弱ったきっかけは風邪。季節の変わり目に風邪をひき、こじらせて肺炎を起こして入院。その後はなかなか入院前のようには戻らず、一気に弱ってそのうち車いす生活になり、一年もしないうちに亡くなったのだ。高齢だったとはいえ、とても元気な姿を見てきた私も、周りの人たちも本当にショックを受けていた。

その数年後には、知り合いの40代の方で、風邪が悪化して亡くなった。(詳しいことはわからない)風邪にかかってあっという間だった。

それまで、風邪なんて軽い病気で簡単に治るものだという認識だった。でも、風邪をひくことが命取りになる人がいるということを知った。風邪って、こんなに恐ろしいものなのか。そう感じた瞬間だった。

最近、コロナ関連の話を見ていると「コロナはただの風邪だ」という言葉を目にするようになった。

もしかしたらそうなのかもしれない、重症化すると危険だけど、風邪のような症状で治まる人もいるのかもしれない。実際無症状の人もいるわけだし。(その辺は専門家でもないからよくわかんないけど)

でも、“ただの風邪”で命を落とす人がいる。治療薬がちゃんとある病気でさえ命を落とす人がいる中で、特効薬もワクチンもない病気をそんな軽い言葉で流せない。これだけ世界中で一気に何万人、何百万人っていう人が罹患している病気を“ただの風邪”と言えるのかな。

もし自分が感染して苦しい思いをしたときに、「特効薬がない」という状況はとても怖いなーと思う。万が一死にかけた時、すごく苦しい状況で「特効薬ないからとにかく踏ん張ってくれ」って感じか…と思うと、そんな苦しい思いしたくない。

私は、もし自分が感染したら…ということを考える。ツラいのかなとかそういうことより、周りにも感染して、もしもそのうちの誰かが命を落としてしまったら…と思うことのほうが多くて、それが一番怖い。

一人でも多く危ない目に合わせないためにも、自分のためにも、自分の出来る限りの感染対策はやっていてそれに越したことはないし、それで結果、何もやらないで感染症にかかるより、自分も周りも健康でいられるならそれでいいのでは。

考えすぎといわれるかもしれないけど、そんなの私の勝手だろってね。

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