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電気・機械製品の仕組みを理解してトラブル解決したい(TVの例)

1.はじめに

 この記事は、1週間くらい前に書いてみて、推敲を重ねるうち、なんか突っ込みどころ満載だなーと思って寝かせていました。でも、電気、機械製品を理解するうえで、大切なことを書いているとも思ったので公開します。御笑覧ください。

 私たちの身の回りは電気製品・機械製品であふれています。スマートフォン・PCなどのコンピュータ、TV、生活家電、自動車などなど。これら製品がトラブルで不調になることはよくあることです。そんなトラブルの時、自分で直せたら、かっちょいいですよね。直せなくても、ここら辺が原因だと何となくでもわかっていれば修理依頼の時もスムーズにいきます。


 ここでは、TVを例にトラブル対処の基本を考えていきましょう。

2.仕組みを知る

 2.1 構造・構成部品を知る

 どんな製品でも、部品(ユニット:Unit)の集まりでできています。それぞれの部品はどのような役割を担っているか。それぞれの部品同士がどのようにつながっているか。これを頭の中でイメージできるか?それがトラブルに対処する際に大切になってきますよ。


 TVの例を示します。とってもおおざっぱですが、この図をイメージできるかが大切。それぞれの部品はさらに細かい部品(たとえば、トランス、DAC、アンプなどなど)からできています。

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まずは、細かい部品を考えるのではなくおおざっぱな上のような図を思い浮かべればOKです。興味があれば、スピーカは、どんな部品からできているかなんて調べると楽しいですよね。上記のような図を「ブロック図」といいます。本当は、ブロック図には厳格な描き方のルールがありますので、ご注意ください。


 ポイントは、i. 部品(Unit)に分けること。ii. 部品同士がどのようにつながっているか。iii. 分からない部品は「ごにょごにょ」としておいて、興味があれば調べる。でしょうか。


 2.2 基本はインプット(入力) → ごにょごにょ(=処理あるいは変換) → アウトプット(出力)

 上の図から分かるように、TVという製品は、アンテナや外部機器(ゲーム機・ブルーレイレコーダなど)からの入力とコンセントからの入力があり、その入力をごにょごにょして、映像・音声を出力するのです。


 どんな部品も基本は入力された何かに処理をして何かを出力します。あるいは、入力された何かを、何かに変換して変換されたものを出力します。
例えば、TVは、アンテナや外部接続機器からの電気信号を入力し、それを処理(ごにょごにょ)して、画像と音声を出力します。そのTVの部品のうち、


・液晶画面:映像の電気信号を入力し、色のついた光の点の集まりに変換して、目で見える映像として出力します。


・スピーカ:音声の電気信号を入力し、振動に変換して、実際の音として出力します。


 どんな製品も、入力を処理・変換して出力する部品の集まりです。
 さらに、部品が処理をしたり変換したりするのに必要なエネルギーを与えるため、電源を必要とする部品が多いです。


 TVを作る人は、ごにょごにょの部分を含め、ディスプレイ・スピーカなどの部品をうまく一つの箱に収められるように一生懸命設計・製造してるんですね。ありがたいですね。

 ブラウン管時代をご存じの方は、今のTVって画面ものすごく大きいのにすごく薄くなっていてびっくりしますよね。これも、技術を進歩させてきた技術者・研究者の方々の努力の結晶です。


3.トラブルへの対処

 3.1 現象をよく観察する

 製品にトラブルが起こった時、何をしたら、どうなるのか?をよく観察します。TVならば、スイッチを入れてもウンともスンともいわないとか、音が出るけど映像がでないとか。あるいは、変なメッセージがでて映像も音もでないとか。何かメッセージが出ていれば、そのメッセージの内容を覚えておくか控えておきます。めんどくさいですけれど、そのメッセージを控えておくだけで、対処できるかできないかの大きな分かれ道となります。

 3.2 どの部分でトラブルになっているかをイメージ

  上の図が分かっていて、現象をよく観察すると、トラブルに対してどこが原因かがイメージできます。たとえば、


・うんともすんとも言わない:電源が原因。

・画面が映らないが、音が出ている:電源は大丈夫、アンテナ接続も大丈夫、液晶画面が壊れてる。


・メッセージが出ていれば、そのメッセージの内容に関係する部品が原因。


 それから、ブロック図に出ている部品と部品をつなぐ線が繋がっていないこともトラブルの原因となります。


 3.3 外側の部分から原因となりそうな部分をチェック

 上の図を見ると、TVを分解しないでチェックできる部分は、大きく2つということになります。TVの外側にある電源につながる部分と、アンテナ(や外部接続機器)につながる部分です。 


 うんともすんとも言わないときは、電源部分があやしいということになります。まずは、電源の元になっている壁コンセントと、テレビの電源入力の接続がちゃんとできてるか調べます。コンセントは抜けていないか、電源ケーブルが破損していないか、そもそも電気がコンセントまで来ているか(ブレーカが落ちていないか)などをチェックします。


 そのうえで、電源ランプが点灯していれば、電源は大丈夫ということになります。電源が大丈夫ならば、つぎはアンテナの接続、ゲーム機とTVの接続をチェックします。このように、TVの外側の部分に不具合がないか調べるのが常道です。


・うんともすんとも言わない:まずは電源が怪しい → 電気が来ているか? → コンセント、ケーブル、電源端子の接続を確認。


・電源が入るが画面が映らない。音声は聞こえる:電源もアンテナも外部機器も大丈夫 → TV本体の故障が考えられる。ディスプレイの故障が考えられる。


・地上波放送は映る。しかしゲーム機の映像・音が出ない。→ 外部接続端子の外側、ゲーム機との接続、ゲーム本体の不具合が考えられる。→ 接続もゲーム機本体も大丈夫ならばTV内部の故障と断定できる。


 このようなチェックをして外側から原因をつぶしていけば本当の原因に近づいていきます。
 TVの場合、外側には、電源ケーブルとアンテナ線(と、外部機器からのケーブル)しかありませんので、TV自体の不調かどうか調べるには電源とアンテナと、(あれば)外部機器をチェックすればいいことになりますね。


 3.4 どうすれば直るかを考える

・ケーブルの接続の確認
・部品交換
・設定変更
・修理依頼
・買い替え


 でも、基本は、ブロック図を頭の中か、紙などに描いて、外側から原因をひとつづつ潰していくということです。そうすれば、どこを直せばいいかわかってきます。TV本体が壊れているのか、電源ケーブルが壊れているのか、アンテナケーブル端子の部分が緩んでいたのか。


 少なくともTVが壊れているのか、TVの外側の機器かおかしいのか切り分けができると思います。そのうえでどのように修理するかの方針を立てます。
 TV自体がおかしいとなれば、だいたいの場合は、修理依頼か買い替えになっちゃうでしょうね。最近の製品は、自力で修理するには敷居が高すぎますから。


 この考え方は、コンピュータや他の電気・機械製品の不具合の原因特定、不具合の解消にも使えますので、ぜひ、ブロック図を描いてみてください。


4.まとめ

 トラブルが起きたら、
・ブロック図をイメージする。
・現象をよく観察する。
・原因となりそうな部品の外側から原因をつぶしていく。
 電気製品や機械の不具合解消が得意な人は、意識的・無意識的にここで述べたことを実践していると思います。
 そういえば、まず最初はリモコンの電池チェックと、入力切替のチェックですかね。
 お粗末さまでした。

 最後までお読みいただきありがとうございました!




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