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NFTartを始めるにあたって〜「自分のために」を見つけたい〜

初めてnoteを書きます。イラストレーターの花凛です。
これからNFTartを始めるにあたって、私がどういう気持ちで取り組もうとしているのか率直に述べたいと思います。
重い話も挟みますので、苦手な方はそっと閉じてください。

10年以上なんとか生き残ってきた

心意気を語る前に、私が今までしてきた絵のお仕事について書きます。

PBW関係、名刺用似顔絵、ウェルカムボード、携帯待ち受け、
ゲーム用背景、CDジャケット・リーフレット・ブックレット・告知イラスト、
ポストカード、LINEスタンプ、ソーシャルゲームアイテム、TRPGカード、
書籍見出し、アトラクション用ビジュアルイラスト・アトラクション内イラスト、企業プレゼン用イラスト、商業施設広告用ポスター、企業パンフレット、
企業マスコットキャラクター、
音楽イベントフライヤー・チケット・ポスター・プログラムデザイン、
飲食店メニューイラスト、ボトルデザイン、販促用ノートイラスト、
パッケージ用イラスト、店舗ロゴ、ショップカード、
3DS用ゲームソフト画像加工、HP作成補助、漫画のデジタルアシスタント、
イベントでのアナログの似顔絵描き、イベントでのイラストレーターとしての講師

…と思いつくだけでも様々なお仕事をしてきました。
とにかく「できることはなんでもする」という精神で引き受けてきました。絵の何でも屋、と言いましょうか。
絵柄も色々変えますし、ご依頼者様のご要望に沿って最適なものを提供する、という姿勢で常にやってきました。
キャラクターや背景等特に特化しているものがない私にはそれしか生き残る術がなかったからです。


その中で見つけたステンドグラス

色々な仕事をし描き方を模索していく中で『ステンドグラス』という描き方が(私にしては)ヒットします。
それの派生で描いたアール・ヌーヴォー調の絵、影絵や模様も需要がありました。
なるほど、確かに私は小学生の頃からアルフォンス・ミュシャが好きでアール・ヌーヴォーが好きで、
エロール・ル・カインが好きでオーブリー・ビアズリーが好きで藤城清治さんが好きだ…とはっとしました。
萌え絵を描こうと奔走した時もある、アニメ塗りも練習した、でも、自分に向いているものは何なのか。
昔から人に褒められるのは色使い。花や虫を描くのが好き。模様やパターンを描くのが好き。物語を込めた絵を描くのが好き。
それを最大限発揮できるのがステンドグラス……自分にしか描けないものを追求していくのが大事なのでは、と考えた時『ステンドグラス』は私の得意なものとなり、お仕事をしていく上での武器となりました。

『自分にしか描けないもの』が大事だということがよくわかったんです。


軌道に乗ってきたところでの不幸

自分の得意なものが見つかった私は『グッズを作りたい』と考えます。
「よし、フォロワーを増やしてたくさんの人に見てもらおう」
「毎日絵をUPしてタグにも参加しよう」
「BOOTHをオープンして自分のお店として大きくしよう」
と目標を立て、その通りに活動しました。もともと営業するのが苦ではなく、日頃から名刺を持ち歩き、何かの拍子に仕事の話が出たら「こんな絵を描いています!イラストのご入用がありましたら是非お声がけください!」と言って仕事をいただいてきた人間なので、動くのは得意でした。
そうして活動していくとフォロワーは増え、たくさんの良い出会いもありました。
グッズもだんだん売れていき、私にしては一番話題となった誕生月の石と花の缶マグネットは12×60の720個が完売。
新作を出すにつれ前作も売れていくようになり、昔作成しずっと在庫として残っていた絵本『せかいのたび』も完売に。それどころか「再販して欲しい」と言われるようになりました。
そこで私は気付きます。見てもらうのが何より大事なんだ、見てもらえれば買ってもらえる可能性はあるんだ、と。
通販は軌道に乗ってきました。でも、ある日突然お店を閉めることになります。父が急死したのです。

もともと私は母がおらず、祖父母と父に育てられ、近年は実家に通い祖母の介護を手伝いながら仕事をしていました。
三年前祖父が亡くなりました。100歳で呆けることもなく最期まで元気で、残された人にも迷惑をかけることのない、とても立派な人でした。
そして一昨年、祖母が101歳で亡くなりました。介護はできる限りして看取ることも出来たし、死に化粧からお花の手配までしてやれることは全てできた、後悔はない、そんな気持ちでした。
父が亡くなったのはその一月後。介護から解放され、たくさんの人と会おうとしていた矢先の出来事でした。
大動脈解離で、お友達とプールに行って泳いで、椅子に座って話している時に倒れて、即死でした。
前兆というものは全くなく、介護疲れで体は痛めていましたがとても元気で、これから好きなことが出来ると張り切っていて、たくさんの人と会う計画を立てていた父だったので、今だに実感がありません。
それからは目が回るほど忙しかったです。訳が分からないまま病院へ行って、そのまま葬儀場へ行って葬儀の手配をし、毎日実家と役所を往復する日々になりました。


『自分のために』が分からない

父が亡くなってから半年は毎日対応に追われて必死でした。お仕事も休止し、企業様、ご依頼者様には大変な迷惑をおかけしました。
経験者の方に「後作業は自分は一年以上かかりました」とお言葉をいただいたのですが、実際そうで、全てのことが終わったのはほんの二ヶ月前です。お仕事自体は少しずつ再開していましたが、一年半ずっと家のことに追われていました。
しかし、父を亡くしてから、私に変化が起こりました。絵が描けなくなってしまったのです。
「これからは自分のために生きてね」と親族に言われる度、自分のためにって何だろう、と思うようになって。
最初は家族を全員亡くしたショックなのかな、と思いましたがどうも違う。
PCの前に来ると体が動かない、やるべきことはたくさんあるのにどうして良いかわからない。
ついには「自分は生きてて良いのだろうか」と思ってしまい、いのちの電話にも電話しました(今は笑い話ですが、あなたは人の痛みがわかる人だから相談員に向いていると思うわ。やってみない?と言われました)。
どうしたらいいのか検索しているとあるページに書かれていることがとても自分に当てはまったんです。そして、その項目に当てはまる人は「アダルトチルドレン」の可能性があると書かれていました。

「アダルトチルドレン」
子どものころに、家庭内トラウマ(心的外傷)によって傷つき、そしておとなになった人たちを指します。子どものころの家庭の経験をひきずり、現在生きる上で支障があると思われる人たちのことです。それは、親の期待に添うような生き方に縛られ、自分自身の感情を感じられなくなってしまった人、誰かのために生きることが生きがいになってしまった人、よい子を続けられない罪悪感や、居場所のない孤独感に苦しんでいる人々です。(ネットより抜粋)

私は幼い頃からずっと家族のために生きてきました。
保育園の頃から絵が好きで「絵を描く人になりたい」という夢を持っていましたが、父にはその頃から「だめだ。絵は趣味にして安定した仕事につくんだ」と言われていました。
父は厳しく、幼少の頃は我慢の練習だと言われてつねられたりしていたので怖い存在でした。
小学生の頃には進路(高校・大学・就職)も父によって決められ、絵、とくにキャラ絵を描くと怒られたので描く時はいつも隠れて描いていました。それは絵を仕事にするまで続きます。
父は他人にはとても優しい人でしたが、家族には本当に厳しかった。でもそれは仕方のないことだと思っていたんです。
私の人生は父のものだから、私は父のため、そして祖父母のために生きなくてはならいと、ずっと思ってきたんです。
それでも絵を描いたのはそうしないと壊れてしまったからなんだと思います。
隠れて絵を描いて仕事をして、通帳を見せて、「これだけ稼げるので仕事をさせてください」と土下座をして許してもらいました。
絵の仕事をするために何でも引き受けて、とにかく頑張ってきたのは、クライアント様のためであり、父のためでした。
そんな父から解放されたら『自分のために生きれる!』となりそうなものなのに、そうもいかなかったんです。


『自分のために』生きたい

現在私はオンラインでカウンセリングを受けています。良い先生に巡り会うことが出来て、少しずつ良い方向に向かっています。
絵がだんだんと描けるようになってきて、グッズをまた作りたいなとか、「やりたいこと」が出てくるようになりました。
ほとんど見れなかったツイッターも見れるようになり、その中でNFT、NFTartを知りました。
コレクションもオークションも面白そう!と純粋に思いましたし、元々シリーズものを描いていた私にコレクションは親和性が高いし、アナログ絵をヤフオクで売っていたこともあるのでオークションのデジタル版が出来るのは嬉しいと思いました。
しかし調べてみると一筋縄ではいかないこともわかりました。
「ただ絵が上手いだけでは売れない」「買う人はその人の将来性や物語性、人柄も見ている」「仲間を作ることが大事」…
以前の私だったら「やりがいがあるな!挑戦するぞ!!」と胸を躍らせていたことでしょう。
今の私は「発信すること、人と繋がることがまだ以前のようにいかないから厳しい部分はあるけど挑戦したい」と思っています。

何より『依頼ではない絵を描く』ということは今の私にとってとてもハードルが高いです。
でもその中で好きなもの描きたいものを見つけていきたいし、見てくださる方を楽しませたい。
それを通して『自分のために』生きられるようになっていけたらいいなと思っています。


お金のこと

今まで色々なお仕事をしてきたと書きましたが、クラウドソーシングサイトは手数料が結構かかります。
例を出すと一時期活動していたランサーズでは1万〜3万5千円の案件を9件こなし177,900円の報酬をいただいていますがそのうち20%の35,580円が手数料で引かれ、実際にもらえているのは142,320円です。
クライアントが先払いをするので未払いがないというのは大きいですが、制作に関してはやり取りが発生し、無理難題を言われることや酷い対応をされることもあります。

PBWは作成料金は安いかもしれませんがお客様とのやりとりはないので発注をいただければ描いて納品するだけです。
私の原点なので低速でもずっと続けていきたいなと思っています。

個人依頼に関しては各々の設定次第だと思うので割愛します。
ちなみにネットで個人依頼を受けて未払いだったということはないんですが、対面では何度かあります。
・絵本を置いてくれた本屋さんが破産し売り上げ代をもらえなかった
・CDジャケットを描いた方のライブ後打ち上げに出なかったら連絡が取れなくなり代金をもらなかった
・広告代理店の依頼でアトラクションイラストを描いたらイベントが失敗し代理店が負債を抱え代金をもらえなかった
など

ネットで活動するにしろ、対面で活動するにしろ、お金の問題は頭を悩ませてきます。
見積もりはどうしようか、どれくらいで受けようか、いつも考えています。
NFTartで活動するにあたっても料金設定等は悩むところでしょうが、そこは仕方のないところだなと。

そして私は前述の通り二年近くお仕事を休んでいたので、体調と相談しつつですが頑張らないといけません。
お仕事を再開してから、久々にランサーズでの活動も再開しました。
そこで気付いたんですが、「ロゴデザインの相場よりイラストの相場の方が低い」ということです。
ロゴデザインのコンペは2万〜5万が相場、高ければ10万ほどのものもあります。
でもイラストは1万を超えれば適正価格とされる印象です。
プロジェクトでは酷いものだと「1枚300円で」なんて依頼があります。
「安くてクオリティの高い方にお願いします」と書く人もいます。
それを受ける人がいるのも事実です。実績が欲しくて金額を選んでられない…気持ちはわかります。
でもお仕事としてやっていくなら「稼ぐ」ということを考えないといけません。
イラストの価値を考える場所としてNFTartは良い場所なんじゃないかと思っています。


まとめ

NFTartは私の新しい挑戦です。ツイッターアカウントも新しく作りました。
マイペースに頑張っていくので応援していただけたら嬉しいですし成長していく過程を見ていただけたらと思います。


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