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星と祭 みはる

2020年6月3日記

きのう医王寺に行った時のことである。あの野分に包まれた無住の小さいお堂の中で、幼く清純な、という言い方はおかしいが、しかし、そんな感じの、あの美しい十一面観音を拝んだ時、やっとのことでみはるに似た観音さまにめぐり会えた。とうとうめぐり会えた、そんな気持ちだった。
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自分は、現在、みはるの遺体の沈んでいる湖の岸に立ったり、湖の面に支援を投げたりすることができるようになっているが、これも考えてみると、十一面観音のおかげかも知れない。十一面観音によって救われているのかも知れない。信仰というものには無関心であると考えるのはこちらの小さな計らいで、十一面観音はそんなことには頓着なく、自分を大きい掌の上に載せて下さっているのかも知れないのである。

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