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和やかな心

サウナに入っていたら、声をかけられた。すらっとした素敵なおばさま。なんてことのないたわいない会話を数分して、サウナを出た。大きな湯船につかって一息つく。お風呂の中で、しばらく、Airジェンベのリズム練を繰り返してみる。あまり、うまくいかなくて、湯船の淵を叩いてみたり、頭の中で音を思い出したり、ほどけていく身体に反して、頭はフル回転。年末年始は、ひたすらリズム練しないと覚えられないな、こりゃ。

すっかりあたたまり、ロッカールームへ。

ふと、隣を見ると、先ほどのおばさま。あらあら、またお会いしましたね、と、ばかりに、また、しばし歓談。こんなご時世なので、公共の場での他人との会話は忍ばれることをお互いにわかっているけれど、和やかな雰囲気につい会話がはずむ。ウマが合ったのか、ぽつぽつとした会話もなんとなく楽しくて、別れが惜しい。それでは、との別れ際に、『今日は、いい方と少しだけど楽しい会話ができてとてもいい日だったわ。』と言われ、あまりに突然のあたたかい言葉に、『こちらこそ……です……えと、ほんとぅに……お身体をお大事に……』気の利いた言葉も返せずに、もじもじしながら、その場を後にした。

お風呂でも十分温まったけれど、それにも増してこちらの気持ちを最高にあたたかくしてくれる言葉を、あんな風にさらりと言える素敵な人との出会いに感謝して、ああいう人に私もなりたいものだと、つくづく我が身を振り返る年の瀬のひとときだった。

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