重度難聴・盲児1歳の記録

娘が生まれた季節がまた巡ってきて、
はじめての誕生日を迎えました。

1年前の今頃は生まれたての娘と同じ病室で過ごしていて、はじめての出産に戸惑いながらも、この子がどんな風に成長していくのかワクワクしていた。

娘はよく笑い、よく考え、触れ合いを好む子に育ちました。

1年前思い描いていた未来とは少し違っていたけど娘と過ごす日々は小さな喜びが沢山あって、
次々と湧き出てくる不安を打ち消してしまうくらい娘のもつ強いパワーを感じながら私たちは暮らしています。

もしかしたら娘が障害を持って生まれてきたかもしれない。

その不安が現実と知るまで、そして知ってからしばらくザワザワとした気持ちで過ごしていたあの頃を思い返せば、この子はどう成長していくんだろう。どんなことが困難になるんだろう。
常にそれを考えていた気がします。(今でも考えるけど)

なので、この1年の娘の発達発育と、
障害が分かるまで〜今まで行ってきた事をまとめたいと思います。
誰かの何かの役に立てたらいいな。

耳の聞こえ(難聴)について

生後3ヶ月から補聴器をつけはじめて、
スケールアウト(測定不能)と言われた耳の聞こえは
補聴器装用で現在70dB程度は聞こえていそうと言われています。

実生活では正直なところ
あまりそれを感じられないけれど、
STさんや療育先で同じ検査結果が出ているなら、きっとそうなんだと思うように過ごしています。

娘は3〜4ヶ月くらいからよく声が出るようになって、1歳になったくらいの頃から「ばっばっばっば」や「ぱっぱっ」という喃語が出るようになってきました。

実際どの程度音が拾えているのかわからないけれど、口の使い方、音の出し方が上手になってきたのは大きな成長を感じています。

CTを撮り内耳や聴神経などに問題がなさそうという事がわかったので今後は人工内耳の手術を検討しています。

口話で会話ができるのか
手話で会話ができるのか
今後の目と耳の発達次第ではあるけど、いずれにしても幼児期のコミュニケーションとして手話は取り入れていこうと思っています。

目の見え方(視覚障害)について

視覚活用が厳しいと言われていた目の方は
生後11ヶ月頃から少しずつ物を認識するようになってきたようです。

追視はいまだになくて、
視点が定まらずキョロキョロする動きはあいかわらずだけど、
大好きな光るおもちゃを目の前にかざすと手を伸ばして取ろうとする動きをするようになりました。
その後、色のはっきりしたものにも手を伸ばし、
人の手や顔にも反応するようになってきました。
主治医曰く娘の目はものすごく、ものすごーくぼやけて見えている状態の様です。

1歳半くらいを目安に弱視用メガネの装着をすすめる予定ですが、こうして見えてきてることがわかって、かなり効果を期待してしまっています。

身体の発育発達について

第一子であるため比較する機会がほとんどなく、娘の身体がかなり柔らかい(低緊張がある)ことに気付いたのは生後半年を過ぎたくらいでした。

6ヶ月になっても首座りがなく、
心配に思っていたところ、全身発達を診ていた先生からリハビリを勧められました。
その後施設を探し右往左往して7ヶ月の後半から訪問リハビリを始められました。

その時すでに首は座っていたようなのですが、
体幹が弱く、低緊張があるためそれが分かりづらかったのではと理学療法士(PT)さんに教えてもらいました。

8ヶ月に首が座り、
寝返りをするようになり、
1人でお座りが少しずつできるようになりました。

移動手段は11ヶ月頃からするようになった背ばいです。
目・耳からの外部刺激が少ないぶん、移動の意欲がないことを心配していましたが、今は怖いもの知らずにあちこちぶつかりにいってます。
性格は慎重派ではないようです。

筋力がついてきて、抵抗する力も強くなり
なかなか座ることが安定せず、
日中は粘り強く一緒に座る練習をしています。
少しずつ少しずつ成長している実感はありますがちょっと進んで停滞してまた進んで…っていう繰り返しのような感じです。

PTさん曰く伸び代がありそうなので低緊張は改善していけるんじゃないかなと。今の目標は手を繋いで一緒に歩いて公園に遊びに行くことです。

月齢別のまとめ

0ヶ月 新生児聴覚スクリーニング リファー(再検査)
    耳の療育機関に相談する
1ヶ月 頭(耳の位置)の歪みに気づく
    目が合わない事に違和感

    産前見学に行った保育園へ難聴児について相談
2ヶ月 頭の歪みについて脳神経外科を受診
    追視しないことをかかりつけ医に相談
    夫の育休が終わる
3ヶ月 重度難聴と診断される
    頭の歪みでヘルメット治療開始(AHS)
    耳の療育に通いはじめる
    補聴器装用開始
    難聴について遺伝子検査を依頼
4ヶ月 目のことで検査入院(2泊3日)
    視覚障害を診断される
    市の盲学校へ相談
    市の盲ろう者センターへ相談
    全国盲ろう教育研究会へ相談
5ヶ月 全国盲ろう者の家族会に入会
    全国盲ろう教育研究会に入会
    離乳食をはじめる
7ヶ月 市の障害者支援の窓口に相談
    盲学校の交流教室に通いはじめる
    訪問リハビリをはじめる
8ヶ月 市の視覚支援教室に相談
    首が座る
    あやすと笑うようになる
9ヶ月 レーベル先天黒内障と診断される
    眼科の専門医のところへ受診する
    ヘルメット治療卒業
11ヶ月 寝返りが安定する
    背ばい移動をはじめる
    光るおもちゃに反応するようになる
1歳  喃語のバリエーションが増える

ちなみに2ヶ月以降、
夫の育休が明けてからは、ほぼ全ての病院通いや相談に行ったり週2〜3の療育、月2のヘルメット調整にと娘を連れて1人でやってきたので立派だと思います。
なのでお疲れ様の声としていいねがもらえたらとても私のためになります。ありがとうございます!

子どもが障害を抱えて生まれてきたら

私たちは、あらゆる機関や人を頼れるだけ頼ってこの子を育てよう!と考えています。
それは専門医のいる病院や、療育先や、地域の福祉サービスだけでなく、SNSや家族会などの繋がりも含まれます。

私の両親は500キロ離れたところに住んでいて、夫の実家も高速で1時間ほどの距離。
なかなか気軽に行くことも来てもらうこともできなくて、私の両親に至っては新型コロナの影響でまだ一度も娘に会えていません。

でも、近所に頼れる存在がいない状況だからこそ、自分たちだけでこの子を育てようとするのではなく、専門にしている人達の手や知恵を借りよう!思いっきり甘えていこう!と考えました。

障害が分かってすぐの頃は、「自分に育てられるだろうか」「この子を不幸にしてしまわないだろうか」と未知の世界に心配や不安だらけの毎日でした。
けど、1箇所だけでなくいろんな所に相談に行って、いろんな人の考えを取り入れて、いろんなアプローチをしていくことで娘が様々な方向に伸びていってることを実感しています。

わかりやすい障害、一見わかりにくい障害。私たちはみんなそれぞれ何かしら抱えて生きてる。
その人が本来生きやすい世界はあるけど、同じ社会を生きなきゃいけないから生きづらさがある。

毎日幸せそうに過ごしてる娘を見ていたら、少しでも音が聞こえるようにと手術をさせたり、嫌がってるリハビリをさせたりするのはどうなんだろうと迷うこともあります。

けど、この社会を生きなければならないから、少しでも長い人生でその生きづらさが緩和され幸せな日々が続くように親として出来ることはなんでもしてあげたいと思っています。

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