重度難聴で生まれた愛娘

2021年10月に待望の娘が産まれました。

現在生後3ヶ月になる娘の
分かっている身体障害は
両耳、病院で測れる最大の110dBが聞こえない重度難聴です。
(110dBは車のクラクションを間近で聞く程度)

ほかにも心配事があり
・目が合わず、キョロキョロと動く(眼振疑い)
→生後4ヶ月で小児眼科受診予定

・斜頭症にともなう耳の位置の左右差
→向き癖改善中
 ヘルメット治療検討中

耳が聞こえない、とても聞こえづらく生まれた娘。
もし、これに加えて
耳の位置がずれたままになったらどうしよう。
そもそも聞こえが神経や脳の機能異常で、療養のしようがない状態だったら、、?
難聴の原因が妊娠中の母子感染だったら?
目も見えないかも知れない。
他にも何らかの障害が出てくるのでは?

夫婦で待ち望み授かった大切な命。
産まれてすぐからずっとこんな限りない不安を抱く毎日を今も過ごしています。

日々懸命に生き、成長している娘の姿を決して見逃さないように。そんな姿に笑顔を返して目いっぱい抱きしめて脳に焼き付けよう、そう思ってるのに気がつけば娘片手にスマホでひたすら検索をかけて「ああ、娘はこれが当てはまらないからきっと健常だ、大丈夫」と自分に言い聞かせてる。

今回拙い文章でもこうして全てを公開しようと思ったのは
少しでも同じような不安を抱えている人の不安を解消できればという願い。
そして、愛する娘の今後の人生で障害となるものを少しでも取り除くために
ほんの少しの知識や情報と勇気を皆様にいただけたらという希望からです。

新生児聴覚スクリーニング検査

娘は予定日よりも4日、ほんの少しだけ早く
3000gほどで産まれました。
頭が出てまもなくおぎゃあと泣き
頭がちょっとだけ伸びた姿でこの世に誕生しました。

自分たちを含め親族に難聴の人はいません。

そして産まれてから3日目、
小児科の先生から聴覚スクリーニング検査の結果「両耳リファー」
「生後3ヶ月で精密検査を」
と説明を受けました。

けれど、
出産後すぐの検査は早くに異常を見つけられるかわりに、幅広く問題を拾うからそんなに心配しないで。と言われそこまで気に留めていませんでした。

夫との初対面、家での様子

新型コロナウイルス対策で立ち会い・面会ができなかったため、生まれてから1週間後にようやく夫とは初対面となりました。

私よりも社会福祉について詳しい夫は検査結果を重く受け止めていました。
そしてようやく私も「娘は音が聞こえないのかもしれない」と思い始めました。

娘に話しかける私や夫の声
庭に来る鳥や愛猫たちの鳴き声
騒がしい選挙カーや幹線道路を行き交う車の音
コーヒーマシーンが豆を砕く大きな音
間近で鳴った玄関のインターホン

すべてに反応がない

本当に聞こえていないの?
娘がいつか友だちとカラオケを楽しんだり
撮影しながらダンスをする姿をみれないの?

大切にお腹の中で育てて、
やっと出会えた産後1番幸せなはずの時間。
こんなにも小さいのに力強い声で泣く娘を前に一生分泣きました。

難聴の娘を育てていく

産院の先生や保健師さんから
ネットをみるのは(不安になるから)やめた方がいい。
と散々言われたのに、必死にネットにある情報を調べてひたすら悲観的になっている私の一方で、
夫は真っ先に
もし娘が難聴だったとしても幸せに暮らせるようこの先の事を考えよう!と言ってくれました。

それからは難聴の程度がもっとも重い場合を想定し今後の事を調べ検査の日を待ちました。

聴力が回復する可能性
保育園には通えるのか
市内の支援学校
市内の福祉施設
言葉の習得に必要なこと
難聴の人がどんな風に暮らしているのか
難聴の娘を育てつつ共働きできるのか

調べていくうちに、難聴で生まれた人たちが
ダンスを楽しんだり楽器を演奏したり幸せそうに暮らしている姿を見て、とても勇気をもらいました。

きっと耳で聞こえづらい分、
目で見て細かなところに気付ける子になる。
そう思えるようになりました。

ABR検査

生後3ヶ月
精密検査(ABR検査)を受けました。

まだこんなにも小さい身体に
睡眠薬を飲ませる。
そして検査用のベットで眠り
ヘッドホンをつけられる娘。

どうか聞こえていますように。
覚悟はしていたつもりだけど、どうしてもそう願わずにはいられなかった。

だんだんとヘッドホンから漏れてくる音が
そばにいて痛いくらいの音量になってくる。

脳波を写すモニターを見る。
画面に写るいくつもの波打たないまっすぐな線を見てなんとなく察した。

ああ、娘はとても、とても静かな世界を生きているんだな

そして110dBスケールアウト、
病院で測れる最大の音でも聞こえを確認できず
測定不能の重度難聴と診断されました。

原因と療養

娘の難聴の原因は現段階では分かっていません。

遺伝子の問題なのか
母子感染による何らかのウイルスのせいなのか
それらとも違う原因があるのか

今は遺伝子検査とサイトメガロウイルスの検査を依頼しています。
はやくに娘の状態を知ることができれば
何らかの対応がとれると願って。

そして今後は補聴器をつけて経過を観察していくことになります。
補聴器である程度聞こえてくるようになれば継続、改善が見られなければ人工内耳を検討します。

人工内耳はもう少し身体が大きくなって
CTの検査を受けたのち聴覚神経に問題がなければ
人工内耳の手術をうけることができます。

聞こえる音は機械的な電子音になるそうですが
それでも生活するには問題ない程度に聞こえるようになるなら、受けたいと今は思っています。

生後6ヶ月までに補聴器をつけてある程度音が聞こえる、もしくは1歳ごろに人工内耳の手術を受けてある程度音が聞こえるようになれば
一般的な発達よりは少し遅くなるかもしれないけれど言葉を覚えて話せるようになると言われています。

生後3日で娘の耳が聞こえないかもしれないと
言われたのはとてもショックでしたが、こうして幼いうちから療養を進めることができそうなので
はやくに知ることができて良かったです。

出生児の聴覚スクリーニング検査は現在任意で受けられます。
私の住んでいる市では補助が出るため無償で受けることができました。
産前なんの気なしに承諾した聴覚スクリーニング検査ですが、受けて本当に良かったと実感しています。

これから

娘さんの耳は聞こえづらいかもしれない
それでも聞こえないと思わずたくさん話しかけて普通に接してください。
小児科の先生にそう言われた日から、
診断結果が出た今でも変わらずに娘には笑顔で声をかけるようにしています。

娘はクーイングも強く、よく声を出して楽しそうに手足をバタバタさせています。
最近ではつかむ能力が優れてきて、
おもちゃを両手でつかんで振り回して遊んでます。

ただ、ここで心配なのが最初にも書きましたが、
3ヶ月たつのにまだ目が合わないこと。
追視もないです。
これだけだったらまだ発育がゆっくりなのかもしれないと思えていたけど
耳の結果を聞くと、どうしても大元に何か共通する原因があるのではないかと心配になってしまっています。

小児眼科を受けられるのは1ヶ月後です。
小児科の先生何人かに診てもらっても、
まだよくわからないね。眼科で診てもらいましょう。
と言われているので
不安が続きますが、娘にたっぷり愛情を注ぎながら待ちたいと思います。

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