あなたの生きる世界を教えて

娘が2022年1月に先天性重度難聴(感応性)と診断されてから1ヶ月。
生後4ヶ月になった娘の目は
光を感じていないらしい。

目が見えていない?
聞こえだけじゃなくて、見る事も困難なの?

体験したことのない世界を生きる娘のことを考えて途方もない不安と困難な道を歩ませてしまう悔しさで、すごく、すごく苦しい。

正直なところ、今はこの先どんな壁が娘と私たちに立ちはだかるのかまだ想像がつかず、
ひたすら混乱していて現実逃避するかのように目の前の育児だけに集中しようとしてる。

ほんのわすがな事でも取り除ける不安要素はなくしてあげたい。
どうか娘の人生が幸福なものになりますように。

初産でも感じた違和感

追視はもうありますよね?

生後2ヶ月をすぎた頃、
予防接種をした際の診察で聞かれた。
追視どころかじっと見つめられた事もなかった。
育児本によると生まれたてはほとんど目が見えていないけど生後1ヶ月にもなればじっと顔を見つめて両親を認識したり
2〜3ヶ月になれば動くものを目で追いかけるようになって笑いかけたら笑い返してくれるらしい。

この時は先天性難聴の可能性を言われていた時期でもあり、目が見えにくい可能性についてはできれば考えたくないと逃げていた。
さすがに可能性が低すぎる。そう思っていた。

実際、小児科の先生からも
まだ生後2〜3ヶ月であれば発達がゆっくりの可能性もありますからね。と言われていた。

とはいえ違和感があった。
赤ちゃんはこんなに目がキョロキョロ動くものなんだろうか。
娘の視点は常に定まらず、
右を向いたかと思えばサッと反対の方を向き始める。目の端の方に黒目が寄り、震えることもある。

まだ生後2ヶ月。きっとこれからなんだ。
そう思って成長を見守った。

専門の病院を紹介してもらう

もうすぐ生後3ヶ月という頃
続く目の違和感から、専門の病院に紹介状を書いてもらいました。

眼科はすごく混み合っているらしく
初診で受けられるのが1ヶ月待ちになった。

そんな中、娘の先天性難聴の診断を受けました。
目に対する不安はさらに大きく膨らんでいく。

必死にネットで同じような症状がある例がないか調べる。
けどなんの情報も引っかかってこない。
ならきっと大丈夫なんだろう、きっと何ともない。

精密検査

眼科と小児神経科を受診し、CTやMRIを取るため
急遽検査入院をすることになった。

2泊3日。
60cmほどの小さい身体が点滴をしながら
何度も眠る薬を飲んで、
時には麻酔もして、
何時間もじっと動かず固定され
採血に加え髄液をとるため背中にも注射をしたり、たくさんの検査項目を頑張ってこなしてくれました。

検査項目について専門的なことは分からないので、わたしが把握してる内容です。

・脳波検査
・CT
・MRI
・血液検査
・髄液検査
・尿検査
・遺伝子検査

検査中、病室でただ待つ事しかできず
ひたすらもどかしかった。

検査から戻ってきた娘は薬の影響でその後もほとんど眠り続けた。
その小さい身体を強く抱きしめて、
お疲れさま。大変だったね。
そう言うことしかできなかった。

″わからない″事がわかった

まだ検査結果が返ってきていないものもあるけれど、今答えが出せる範囲でわかっている事はこの3つです。

  • 現状、光を認識し脳で処理できていない

  • 原因はわからない

  • 今後の発育はわからない

眼球に問題はなく、視神経も通っている。

CTやMRIの画像検査の結果を見ても
あきらかな異常は見つからなかった。

サイトメガロウイルスは陰性で
妊娠中のなにかしらの母子感染の可能性もほとんどない。

ただ、脳波検査で光を当てた時
正常の反応が出ていなかった。

こういった問題について、現在の医学では
″原因がわからないまま″のケースは多く
経過観察していくことになる。

娘の状態について何か病名がついて欲しかったわけではない。
検査結果に異常がないのは喜ばしい事。
でも原因はわからないのに娘は耳が聞こえづらいし目も見えづらい。これは事実。
そんな先の見えない状況を、ただ恨むことしかできない。

けれどどこか異常がある場所が見つからないのなら今後発育していく可能性だってないわけではない。

今はそれをひたすら願ってる。

娘を孤独にしない

盲ろう(見えにくい+聞こえにくい)について調べていたら、重度盲ろうの方が自分のことを
「光も音も届かない深い海の底で、箱の中に閉じこめられた状態のようだ」と表現していたと見かけた。

この世に生まれてまだ4ヶ月ちょっとの娘の世界。
実際の光が届きにくくても
心に光を届けることはできる。

娘を孤独にしたくない。

盲ろうの友達がいます。
と声をかけてくださった方がいた。
その「友達」という一言にとても勇気づけられた。

娘はあやすとたまに笑います。
反射ではないあきらかな笑い。
どのくらい見えているのか、
どのくらい音が届いているのか
まだ娘はそれを伝える事ができないけど
コミュニケーションをとることはできる。
娘にもこの先たくさん好きなものができて
娘のことを好きになってくれる人もきっとたくさんいる。
幸せに暮らしていく事ができる。

本当に今は漠然と先の見えない不安が多くて
また、わからない事が多いので行動する事もできないけど
愛情をそそいで成長を見守っていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?