アニメが描く命の描写

『メイドインアビス』を見ています。
泣けます。
まだ泣いてないけど。

2017年のテレビアニメ作品なのですが、今年映画化されるそうです。当時は見ていなかったのですが、先日abemaTVで無理放送していたので見ました。

全体的に生命と死の臭いが漂う話なのですが、世界がとても美しく描かれています。

世界に空いた穴の内部へ探検しに行く話なのですが、その穴は行ったら帰ってくる事が出来ないと言われているのです。死に向かうような世界なのですが、それでも探究心は止められないという強い生き生きとした気持ちが表現されていますし、そこで生きようとする命そのものが美しいという事を訴えているように感じます。

また、食物連鎖と言ってしまうと陳腐になってしまいますが、命を落としても他の生命のエネルギーになるという考えを主体的に捉えています。それが当たり前の価値観として描かれていて、視聴者は剥き出しの命と向き合っているような体験をしているのではないでしょうか。

そして、景色の描写がとても美しく描かれていて見とれてしまいます。そこで暮らす生き物がどんな生態なのかが感じられるように、説明出来そうなくらい設定がちゃんとしていて、世界観がはっきりしています。

動物だけでなく、人との出会いもあります。彼らは、別れたら二度と会うことは出来ないかもしれないという前提で冒険をしています。そんな環境にいます。そのため、一瞬一瞬の輝きが増しています。
だから、ちょっとした出来事でもとても意識が向きやすいのです。そのため常に高い緊張感を持って見ることになります。アニメを見ながら自分自身も生きている事を実感させられるような感覚を味わうことができます。

アニメを見る事で自分自身の感覚に意識を向けさせられたり、生きている事を実感させられるような作品はなかなかありません。

OPの曲の最後には、アイキャッチの絵もとても可愛いらしいので、キャラクターが好きな人も楽しめると思います。

とてもお勧めです。
低年齢層には刺激が強いでしょうが、大人にも子供にも見てほしいアニメのひとつです。

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