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無関心という防衛

入社3年目のある正社員の若者から給料の話を聞いた。

手取り換算してみると時給600円ほどとのこと。

衝撃。

一応名の通った企業なので福利厚生手当等を含めると

もう少しは上がるはずだが、

どんな工作で最低賃金にたどりつかせているのだろう?

ただ私がもっと衝撃的なのが

本人の自覚がまったくなさそうだったことだ。


バイトと同じ感じで行けばとりあえず毎月給料がもらえて、

責任もなく所属しているという安心もあるのだろう。

でも仕事が終わったら趣味に直行しているとのこと。

彼の世界ではコロナ禍どこ吹く風なのだ。

夢も目標もなく

ただただ自分のリソース(労働力、時間等)を

搾取されていることになんの疑問も持たない若者に絶望してしまった。

いや、私の感覚が古いのかもしれない。

そうやって今の若い人たちは自分に無関心でいることで

自分を守っているのだ。

現実を突きつけられたらそれこそ絶望しかないとわかっているので

無関心でいることで平安を保とうとしているのではないか。

今、若い人の自殺が増えているというが、

人生に絶望して死を選ぼうとするのは、

まだ自分に関心があるという証拠だろう。

無関心すぎて死ぬことさえも考えられない。

そっちの方が私に取ってははるかに恐ろしい。

その若者の前で目標や夢の話をしても無駄なのかもしれない。

話す途中でどんどん不機嫌になっていく彼の顔を見ながら、

「ねえ、生きてる?」って聞きたくなった。






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