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読書記録。藤沢あかり『レシート探訪』
どこかで見たことのある文章だなぁ…と思っていたら、ECサイト「北欧、暮らしの道具店」の連載『レシート、拝見』を一部改題、加筆、修正して単行本化されたものだった。
「レシートには、暮らしが詰まっている」
…私にはこれが、一人ひとりの暮らし、そして人となりが詰まった記録に見える。
レシートを“人々の生活の断片を切り取ったような紙切れ”だなんて考えてもみなかった。
私は、家計簿をつけたらすぐに捨ててしまう。
印象に残った文章を一つ。
レシートを受け取るとき、人は未来を見ている。こんなふうになりたい、ここに書いてあることが知りたい。手にした先の喜びや楽しみを思い描くことは、「なりたい自分」への一歩だ。
レシートの束は、理想の自分へ歩む軌跡でもあったのだ。
レシートってこんなにも人生を物語っているとは。
性別も年齢も職業も違う25人、それぞれの小さな生活史から伝わってくる温かな雰囲気にほっとする。
著者自身のレシートにまつわる物語も興味深い。
じんわり、心に響いてくる文章だった。
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