2019年現在、大活躍している若手を5年前に集めて学園ドラマを作るとこんな最高なのができるんだね!っていうクドカン作品だよ!(『ごめんね青春』レビュー)

最終回の『相撲ミュージカル えんどう』があまりにもウルトラ面白そうすぎて色々持っていかれた感は否めないんだけど、すっばらしい青春ドラマ『ごめんね青春』であった!

まず驚くのは2019年現在、大活躍している若手俳優がこれでもかとばかりに詰め込まれている。メイン張ってる生徒役はほぼ全員、超活躍してるんですよ。そんな彼らの若かりし学生時代が見られる、見まくれるなんてそりゃ尊いの一言。

矢本悠馬(『ちはやふる』『半分、青い。』『今日から俺は!』)
川栄李奈(『フランケンシュタインの恋』『3年A組』)
黒島結菜(『アシガール』)
森川葵(『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『リバーズ・エッジ』)
小関裕太(『半分、青い。』『新しい王様』)
富山えり子(『海月姫』『結婚相手は抽選で』)
重岡大毅(『溺れるナイフ』)
竜星涼(『昭和元禄落語心中』『アンナチュラル』)
トリンドル玲奈(『僕らは奇跡でできている』『パーフェクトクライム』)

並べたらなかなか凄まじい。全部自分が見たやつだけだけど、本当はもっとあります。ちょうど今、2019年の今、どわーっと力をつけて出てきた奴らがこんな最高の青春ドラマに集合していたなんて!って何かさっきと同じこと喋ってる?

青春ドラマっていうのはいくらでもあるのだけど、「青春」ってつけちゃう青春ドラマはあんまりないと思うんです。そんなものつけなくても学園モノなんてどれも青春になっちゃうから。そして渦中にある彼らは青春など感じていないのだから。でも、その「青春」から大人になっても抜け出せないお兄さんがいるから、色々あって学校名が「青春」になっちゃうから、こんなダイレクトなタイトルになるわけだ。輝きを放つのは高校生たちだけど、主人公は平ちゃん(錦戸亮)という大人。基本的には大人の視点から描かれる学園モノだから、学園モノ特有の気恥ずかしさを感じることなく、むしろそれをみんなで賛美しながら見ていくのが心地よく、楽しい。

そもそも、カトリック女子校と仏教男子校が合併!男女共学化、果たしてどうなる!って設定の時点で大勝利ですよね。共学化にテンションぶち上げのバカ男子、この描き方は宮藤官九郎お手のものという感じだけど、ちゃんと女子の心の動きも温かく追っているのがとてもいい。キモい、からナシじゃない。ナシじゃない、から大切な友人へと移っていく姿は何だかんだ泣ける。泣き虫平ちゃんと一緒に嬉し泣きするの、めっちゃ気持ちいいです。

言わずもがな、蜂矢先生(満島ひかり)と平ちゃんのやりとりも最高。「ハートの吊り革を一緒に掴んだら結ばれる」、何かそんなの聞いたことあるなっていう迷信?をきっちり信じちゃう蜂屋先生が本当に愛らしい。生徒たちとすっかり並行して自分たちも青春しまくっちゃっているこの二人。最終回、平ちゃんの大大大プロポーズもなかなか痺れました。あ、そうだったこの人錦戸亮だった超イケメンだった、たれ河童じゃないんだったってあの瞬間だけ思い出しました。そうだったそうだった。でも終始平ちゃんは平ちゃん。ふにゃっと頼りない振り回されいいヤツ。錦戸亮にこの役は最高です本当。

一点だけしっくりこないのは、一点と言っておきながら結構重要なんだけど、一話から最終話まで引き伸ばした放火事件の後始末。この礼拝堂放火事件、コミカルに描いているけど内容は結構シリアスで、きちんと真面目に描いている瞬間もあるんだけど、何となく最終的に有耶無耶っぽく見えてしまうんですよね。家族離散みたいになっちゃった蜂屋先生が、激怒しつつも平ちゃん好きなままなのってあり得ないよね。そう、論理的にはあり得ないんだけど、「吊り革一緒に掴みましたから♥」というこれ以上ない非論理性でぶっ壊すのは構造的にめちゃくちゃ巧い。誰も否定できないもん。でも巧いんだけど、んー、まあ、上手いなあ。という若干のもやもやが残る。真正面から対峙しきれてないまま終わってないか?15年前を知らない生徒たちにあっさり許されてるな?みんな人が良いから良かったな?とか思いつつ、まあでもやっぱ良かったよねって平ちゃんと一緒に涙ぐんでる私もいるんだよね。まあでも、うん、いっかな。よかったよかった。

あとはそれぞれのキャラクターの素晴らしさについて延々と語りたいぜ!ということで、好きなキャラクターを一言ずつご紹介して終わります!

エロモテ色男なえなりかずきに草
永山絢斗のうっすいかっるい軽薄な空気感、巧すぎな
トリンドルのビルケンシュトックは圧倒的えぐかわ
川栄の巻き舌シーンあと2つくらい増やせよ
共学でモテるタイプって感じ、する。黒島結菜
メンヘラ役が常々うますぎる問題、森川葵
ほんとうに可愛いかったぞ……小関裕太
みしまる君のエピソード、マジ泣いたっす矢本悠馬 結婚おめでとう
富山えり子、今からでもいい、「相撲ミュージカル えんどう」やって
バカ男子高校生の再現率はランキング1位、竜星涼
斉藤由貴シスターめちゃくちゃ最高、素面で壁ドンやられてて
いい声でした、生瀬勝久
女子校だとこれでもモテるっていう設定が妙にリアルな富澤たけし
坂井真紀のドンマイ先生、変貌が女優すぎる問題
森下愛子、あんな息子いたら可愛いよなあ死んでも喋りたいよな
バータージャニーズ一番の期待株、青春あふれる重岡大毅

そんな感じです!最終回見てて、「フォークダンスって破壊的に意味不明だよな」「でもあの頃はこの意味不明さに全然気付いてなかったな」と思いました!



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