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稽古場日誌『みんなの部屋・改』

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シチュエーションコメディ作品『みんなの部屋・改』の稽古場で起こったあれこれを記していきます。 ==公演情報== 2019/3/22-3/24@新宿 バレットグループ株式会社フリ… もっと読む
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記事一覧

(稽古場日誌3)登場人物を立ち上げる

このnoteでは3月に上演したシチュエーションコメディ作品『みんなの部屋・改』内において登場人物が立ち上がるまでにやったことを書いていきます。 稽古当初はとにかくシチュエーションコメディのテンポ感を身体に覚えこませるのが最優先。 役者の気持ちいいテンポと作品にとってベストなテンポは往々にして一致せず、特に笑えるタイミングを作るのが命のシチュエーションコメディで役者の気持ちよさを優先しないよう呼吸の間まで詰めるようかなり細かく意識を共有。 役者同士のやり取りでも、「今の反応

(稽古場日誌2)情報の交通整理

しゃにかま企画『みんなの部屋・改』全8ステージ無事終演しました。 シチュエーションコメディとして作品を立ち上げるのに、覚悟はしていたもののここまで大変かと思い知らされた公演でした。 シチュエーションコメディに関しては前回のnoteを書いたので、作品として立ち上げるために取った方法を備忘録的に何点か残しておきます。 今回は作品で一番の土台になるであろう情報の交通整理について 〇情報の交通整理 シチュエーションコメディの前提として、登場人物がどのような動機と目的を持ってい

会議室で演劇をする理由

こんにちは。このnoteでは会社で演劇をする理由をつらつらと書いていきます。 前回のnoteで書いた通り、シチュエーションコメディ『みんなの部屋・改(作・冨坂友)』を絶賛稽古中です。 普通の演劇公演だと劇場やアトリエでやられることが多いと思いますが、今回の『みんなの部屋・改』の公演場所は会社の中のフリースペース。 (株)バレットグループさんのご厚意で、会社が稼働していない土日も稽古場として使用させてもらっています。 公演の案内をした友人からも結構不思議がられるので、今回の

(稽古場日誌1)シチュエーションコメディというものを作っていまして

会社員をやりながら舞台でいろいろやっている井上と申します。 いまは3月末に向けて「シチュエーションコメディ」というジャンルの演劇作品『みんなの部屋・改(作・冨坂友)』をうんうん唸りながら作っています。 コメディのなかでも「シチュエーションコメディ」はひとつのシチュエーションの中で登場人物がバタバタと困ったり頑張ったりしながらどんどんひどい状況になって、困れば困るほど笑えるという種類のコメディ。三谷幸喜さんの『ラジオの時間』や『君となら』『笑いの大学』あたりが有名な作品。