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もち米と部長の笑顔

北海道はもち米の作付け面積も生産量も日本一。中でも、道北地方にある名寄市は一大産地として知られています。品質の高さも折り紙付きで、「あの赤福にも使われているんだよ」と誇らしげに教えてくれた元上司の笑顔が、ふと思い浮かびます。

名寄市をはじめ、北海道のもち米は「もち米団地」で作られています。もち米団地とは、うるち米の栽培地域ときっちり分けて、広域にわたりもち米のみを専門的に作る生産方式。うるち米の混入を防ぐためです。なぜなら、もち米は劣性遺伝のため、うるち米(優性)の花粉が飛び込んで受精してしまうと、うるち米の性質になってしまうからです。これも元上司に教わったこと――
こうして純度が高く、良質なもち米ができるのです。

名寄市にある道の駅では、そんな特産のもち米を使った大福が看板商品になっています。コロナが終息したら、また訪れたい場所です。

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“しょーず”のつづき
4月19日付でしょーずをアップしてから数日後、新聞に北海道産小豆についての記事が載りました。カナダが小豆を大幅に減反するようで、北海道産の需要が好転、販売が回復しているそう。

ほっと胸を撫で下ろすも、農業を取り巻く状況の厳しさに変わりはありません。気候変動、農村地域の高齢化や担い手不足……

小さなことだけれど――産地を見て、おいしくいただくことも、自分にできることのひとつかなと、北海道産小豆を使ったお汁粉を食べる昼下がりでした。

                                                                         〜『北海道をかし菓伝』外伝 その3〜

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