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牛たちのいる風景

牛たちが、青空の下でのんびりと草を食んだり、休んだりしている姿を眺めるのが好きです。

私が暮らしているのは北海道。上の写真は函館近郊の牧場で写したものですが、北海道では観光地として知られる大きな街からでも、少し足をのばせば、このような風景に出会えることが多々あります。この牧歌的な風景に北海道らしさを感じる人は多いのではないでしょうか。同時に、北海道が誇る良質な乳製品まで思い浮かぶ人もいるかもしれません。
この風景は、人と牛が共に歩み、日本の食卓を支えてきた歴史の一場面でもあります。

いま、世界は脱炭素社会の実現に向けて大きく動き出していますが、そのような流れの中にあって、「牛のゲップ問題」を見聞きする機会が増えたような気がします。
牛のゲップにはメタンが含まれており、二酸化炭素以上の温室効果があるーー
頭では分かっていても、どうも「牛が悪者」にされているような気持ちにもなり、悲しくなるのです。

国の機関や大学などでは牛のゲップに含まれるメタンを減らす研究が進み、生産者の方もさまざまな取り組みをされているそうです。敬服するとともに、自分にも未来に向けて何かできることはないか、とも考えてしまいます。
今は畜産から遠ざかっているし、勉学に励んだとはいえない大学時代を送ったために知識もあまり蓄積されていないけれど、畜産学を学んだ者としてのアイデンティティのようなものが呼び覚まされるのかもしれません。とはいえ、うーん……

出てこない。
ただ、自分にも語れるのではないかと思えることが、ひとつだけあります。

牛は本来、人が食べることができない草を食べ、フンは堆肥となり土を豊かにしてくれる。共生できる。頼もしくて愛おしい、ずっと仲良く暮らせる動物なんです。

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