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都会のスタバは席が近い。

おしゃれでナイスな
くつろぎカフェ、スターバックス。

先日、
微妙に1時間ほど時間をつぶさねば
ならないことがあり
都会のスタバにお邪魔した。

「む?何かいつもと違うような…。」

よく考えてみると、ああそうか。
都会のスタバは隣の席が近いんだ。

学生さんや社会人さんは
そんなことは気にもとめず

各々のテスト勉強を広げたり
PCカタカタしたりしている。

肩を寄せ合うが如く、
しかし
自分の小さな結界をはるようにして
作業にいそしんでいる。

都会に来たからには
田舎者の私とてまるで都会の人のように

しゅっとスマートに
このスタバタイムを過ごさねばならない。
そう自分を鼓舞して席を確保した。

そして私は
からすのえんどう通信の漫画、
「とらのとらこさん」の下描きを始めた。

こんなに人に囲まれながら
誰も私のことを気にしない。
周りの人々は景色となって溶けてゆく。

私はシャーペンを走らせる。

と、その時。

「漫画家さんかね?」と
おじさんのでっかい声がした。

私は飛び上がるほどびっくりして
反射的に原稿をひっつかみ
自分のお腹に隠すようにした。

横を見ると
おじさんが私の机をガッツリのぞいている。

「漫画家さんかい?!おらあ、漫画を
描いている人を生まれて初めて見た!!
すごいなあ!」とおっしゃった。

「シュシュシュシュ、趣味でしてぇぇぇ…!」
と蒸気機関車のように
シュシュシュシュ言って狼狽える私。

おじさんは完全に目をキラキラさせ
漫画が描けるのはすごい、と讃えてくれた。

私にはわかる。
おっちゃん、いい人だと。

だが
びっくらこいてしまった私は
その後何も作業ができなくなってしまい、
スマホをいじったりして
所定の時間をつぶしたのである。

ああ、
今思い返すと
めちゃくちゃ面白いシチュエーションなのに。

なんならネタを見てもらうとか(笑)

このちょっとした触れ合いを
楽しめる心の余裕があると素敵なんだけどな。


うむ、都会のスタバは隣の席が近い。



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