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近視測定の応用編『強度近視』の処方テンプレを分かりやすく解説!!

視力測定における強度近視処方テンプレの解説をします。


強度近視の処方は通常の視力検査より少し慎重になります。

理由としては少しの度数や瞳孔距離の誤差が大きな誤差になりやすいからです。


今回は強度近視への慎重な検査処方とはどういったものか?
というお話をしていきますね。

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筆者紹介
・眼鏡屋で心理学を使いながら販売成績を上げている
・心理学を使った傾聴式視力検査を取り入れている
・検査スピードと検査精度が鬼

この記事を読むとためになる人
・視力検査が苦手な方
・強度数がくるとビビる方
・イマイチ強度近視の特徴がわかっていない方


物事を複雑にしているのは、教えられる情報が余計な情報が多すぎて、
本質的な情報がどれなのか?がわかっていないことが多いからです。

必要な情報だけをまずはインプットして、それが理解できてきたら
補足として情報を肉付けしていくと物事がそこまで難しくならないと思いますので
まずは最低限の情報だけインプットしてアウトプットしてみましょう。

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強度近視とは?

一般的に近視のレベル分けとして

弱度近視-3.00D以下
中度近視-3.00D以上-6.00D以下
強度近視-6.00以上

と言われていて、年齢によって調節力
(自分で見えるように凝らす力)が変わりますので
あくまで潜在的な数値(レフ値)をベースに言います。


瞳孔距離(PD)がシビア


眼鏡の処方をする時に黒目の距離を測りますが(以下PD)
中度近視を超えて来ると瞳孔距離が1ミリズレただけでプリズムと言われる
物がズレて見える現象に影響してきます。(乱視とはまた定義が違う)


なので、強度近視-6.00を超えてきた辺りからは、
現用眼鏡(以下KB)で慣れているPD値と今回出た数値(レフ値)を比べ、
KBの使用年数が長いほどそちらに慣れているので、

3年以上使用したKBと今回の数値が大幅に違う場合は
(5ミリくらい)内斜位や外斜位を疑い、
プリズム処方をするか、もしくはKBに近いPDにしておくと慣れやすいです。

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眼鏡フレームとの相性

強度近視のレンズは外側に行くほど、
どんなに屈折率が高いレンズでも厚みが出やすくなります。

一般的には-7.00D以上は極薄型レンズ1.74が選ばれます。

ちなみに-7.00D以下で1.74レンズを使用するメリットは特になく
デメリットが多くなります。
(薄さが1.67と変わらず、重くなり鮮明度とレンズ強度が下がる)

さらには両面非球面レンズを使うと収差と言われる
横の景色の歪みを抑えられますが、
金額はまぁまぁべらぼーな価格します。(両方で6万くらい?)


ですので、お顔の大きさにもよりますが、
眼鏡フレームに記載されているレンズの横幅は
子供用だと45〜50くらい
大人用だと50〜57くらいを目安に
なるべく小さな顔幅に合うものを選ぶとレンズも薄く仕上げることが出来ます。


正直、眼鏡の選び方の8割は顔幅です。


注意としては、PDが広い方で(70ミリくらい)フレームサイズが
50以下とかだと作った時にレンズの中心より外側に目の位置が来てしまい、
人から見た時に少し不細工に見えるのでおススメする時は気をつけましょう。


逆に大きなフレームサイズを選ばれた時は、
度数によってレンズメーカーの制作レンズ径が足らなくなることもありますので、
加工担当者などに作れるか確認した方が吉です。
(目安は-10.00Dを超えた辺りからレンズ径がいきなり小さくなります。)

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強度近視処方度数のテンプレを解説します

強度近視の気をつけるべきポイントを紹介します。


瞳孔距離(PD)
先ほども説明しましたが、-10.00Dを超えるとPDが1ミリズレると
プリズムが1プリズムジオプトリー発生すると言われています。
(約1メートル先の物が1センチズレて見える)

ですので、そのズレを自分の目で調節してピントを合わせるのは
まぁまぁ疲れます。


なので、KBのPDと今回のレフ値に大きな差(2ミリ以内)がないか
ピューピロメーターなどを使用して左右の正確な瞳孔距離を確認しましょう。


KBが壊れた、持参していないなど情報がない場合


ほとんどはKBを所持していると思いますが、
破損や紛失で情報がない場合は体感的にどのくらい見えていたかを聞き出し
(超重要)
同じくらいにするのか、それ以上にするのかを決めましょう。


情報を少しでも集める為に
ソフトコンタクトの場合は検査前に必ずコンタクトの視力を確認してから
外してもらいましょう。

理由は、メガネがどのくらいの視力だったかの目安になるからです。
(これを怠ると時間がかかる上に精度が下がります)


ハードコンタクトでKBがない場合はギャンブルです。

そもそもハードコンタクトは外した後裸眼視力に戻るまで
1日かかるとも言われていて

一応15分くらい開けてから測定した方がまだましですが、
左右バランスとか視力の出方が不安定なので
ハードコンタクトで眼鏡のデータがその店になく、
家に置いてきたとか言われた日には
(まじでか、、ギャンブルだな、、、)となります。


KBがあれば、使用年数と使用感想、今回はどうしたいか?の3点をしっかり
深掘りして傾聴すれば、まだ少しは精度を上げた検査が出来ると思います。

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強度近視処方の考え方


近視度数が-10.00Dを超えてくると、ほとんど視力が上がらなくなってきます。(度数をいくら変えても視力が出ないことがある)

一般的には-0.25D刻みで度数を変えますが、
-10.00Dを超えてくると-0.25の違いがあまり出ないことが多いので
-0.50D刻みで度数を変えてみて、よほど敏感な人だけ
-0.25D刻みにする考え方でOKです。


もしレフ値で少し乱視が入っていても、軸方向が90度方向以外はデメリットが
多いのでどうしても視力が必要な方以外は近視処方の範囲でOKです。

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まとめ

今回は近視の中でも少し慎重になる強度近視について
テンプレ処方を解説しました。

KBがない時は絶望しそうになりますが、
KBがあれば基本の近視処方と同じ考え方でいいので
そこまで難しくはないでしょう。


KBがない場合に、いかにしっかりと傾聴式検査を出来るかが
検査迷路に迷い込まない方法と言えるのでそうそう当たることもないですが、
基本の傾聴式検査をマスターしておいて
レベルの高い処方にも恐れず立ち向かっていきましょう!!


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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