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若さや容貌に恵まれることは素晴らしいけど、中身を重視したり中身で勝負する人もいますね。

オッサンの武勇伝や若い頃はモテた話は迷惑なものです。だから、そうした話をするわけではありません。「若さ」は素晴らしいけど、若くて外見が整っていても関わりたくない人はいました。交際したくないだけでなく、仕事の仲間になるのも断りたい方も見てきました。私の個人的な経験だから母数が少ないですが、実体験として残念な方を目撃した経験はあります。

逆に、雑誌のモデルが向いているような、若くて容貌の整った上司・先輩・同僚・後輩・部下も知っています。お客様窓口だとメールや電話が中心だから、彼らはビジュアルという強みは使わずに接客しています。

仕事ができない人もいましたけど、外見が整っているからではなく、例えばコミュニケーション能力に課題があってお客様対応以前に、職場の人間関係が難しいなど、原因は他にありました。問題を乗り越えた人も、退職した人もいました。打てば響くような優秀な方が、これからバンドのライブでも有るのかな? って服装していたり、セイレーンマークの珈琲店をやめてうちの業界に来てくれたのは助かるけど、お店は困るでしょうって方もいました。「本業」はコスプレイヤーで、お客様窓口だけでなく、いくつか仕事を掛け持ちしており、責任感と時間の感覚が研ぎ澄まされている方もいました。視力の問題は無いけど、メガネをしていたのも印象的です。この方以外にも、メガネで「働きに来ている」空気感を演出する方、いました。

全員、管理職、もしくはチームリーダー以上を任されています。一次対応も含めると、さらに増えます。

彼らと一緒に仕事をして、外見とハートや優秀さは別、「骨格のラッピングみたいなもの」だと学びました。同時に、K-POPのスターを見れば明らかだけど、容貌は整っていないけど一芸に秀でている方はいないですよね。歌って踊れてラップも出来るし楽器も弾けるTWICEのダヒョンみたいな多才な人はいるけど、ビジュアルで不利な方は、練習生に挑戦する段階で先に進めないから他へ行くのだと推察しています。だから、「骨格のラッピング」が、人気やお金に繋がることも理解します。

阿刀田高は「健康で魅力的な様子」を若さと呼んだのであり、若さに惹かれることは因果が逆ではないかという趣旨のエッセイを書いていました。一理あると思います。

だけど

・女性なら誰でもいいのだろう
・結局若い女性を選ぶんだ

という声を耳にすると、そう言いたくなる何かがあるのだろうと察するけど、極端すぎる意見だとも思うのです。

まず、私の前提を説明しますね。私は犬養道子を読んで育ちました。犬養道子は、私の親世代より上の女性のオピニオンリーダーです。17歳の時点で、刊行されたものは全て読みました。犬養道子の先生(上智大学で働いた外国人宣教師だと思う)の本を図書館で取り寄せて、「この本をどこで知りましたか?」「とても貴重な本だから、大切に扱ってください」と言われたこともあります。犬養道子自体、防空壕の中でラテン語の単語を覚えた人で、カセットテープの登場を見て「今の若い人は、録音できるから語学を勉強しやすくなりましたね」って趣旨の発言をしています。何が言いたいかと言うと、私は犬養道子の価値観やロジックに惹かれたのであり、容貌は、時間が経って徹子の部屋などで初めて目にしました。

内面に用事があって、人間同士の話をしたいのだけど、若いと内面が腐っていても気がつきにくいです。その意味で、若さってノイズです。私にとっては。

次に、年上の奥さんと結婚して20年経つ重役もいます。稀な例かもしれないけれど、若さ以外を見る人はいます。

そもそも、僕らは全員若かったか、若さを生きているはずです。若さを使って何を獲得したか、あるいは若さを使って何に取り組んでいるかにこそ、価値があると私は考えています。なぜそう考えるかは、犬養道子の影響であり、お客様対応の業界で、仕事ができて頼りになる、容姿が整った(そのことを理解しており、ひけらかしたりしない)仲間と働いたからだと思います。

——こう言葉にして説明するのは大変だから、「私にも選ぶ権利はあると思います」って答えてきたし、「おじさん、分かんないなぁ」ってとぼけると思います。けど、「知らないんだろうな」と、内面では思うかもしれませんね。言わないけど。

Thank you for taking the time to read this.