【復習】情報リテラシーの観点で論理的思考の基本
1) 論理的思考の基礎知識を身につける
①演繹法、帰納法、アナロジーなどの論理的思考法について学ぶ
比喩
あなたは猫のようだ。(気ままで独立してる)
メタファー
柔らかく強靭な筋肉は猛獣を思わせる。
アナロジー
そのリーダーは組織化しない点で猫を思わせた。
演繹法
猫はよく寝るものだから、うちの猫もよく寝る。
帰納法
あの猫もこの猫も毛が細く、猫の抜け毛はコートなどに付着しやすい
②論理的な議論の構成要素(前提、結論、論拠など)を理解する
非論理的な例
どら焼きは美味しい。体が必要としている証だからどら焼きだけ食べればいい。なぜならどら焼きは昔からよく売れているのだから。
前提
どら焼きは美味しい。
論理の飛躍
美味しいからといって、それ「だけ」を食べることが健康的とは限らない。栄養バランスは重要。
結論
どら焼きだけ食べればいい。
論拠
美味しい(と感じるのは)体が必要としている証
誤った二分法
どら焼き「だけ」か、そうでないか、という極端な選択肢に絞っています。
論点先取
なぜならどら焼きは昔からよく売れているのだから。
データ不足
「どら焼きは昔からよく売れている」ことは一般論ではあるけど、具体的にどの期間にどれくらい売れたのかは明らかにされていません。
論点のすり替え
人気があるから健康的である、という論理は別問題です。
論理の間違えに気づくポイント
どら焼きを食べる頻度や量を考える
他の食べ物とのバランスを考える
どら焼きが健康に良い/悪いという情報を客観的に調べる
2) 非論理的な思考パターンを理解する
①感情的な判断、決めつけ、一般化、二者択一的思考
例えば、安全運転しているドライバーが、危険な運転をする人に迷惑をかけられて、「こんな人がいるから安全が脅かされる」と思うことは無理もありません。
けれど不快な思いをしたことから、決めつけと分母というサンプル数1を一般化してしまっている。
いつも論理的である必要はなく、ストレスから心を守るためにこう感じることはいけなくはないけれど、不特定多数に話すとトラブルになります。
感情的な判断は、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という言葉があります。人の傾向をよく表していますが、「袈裟」は何もしていないので、論理的ではないです。
二者択一に関しては、世の中の問題は複合問題なので、「どちらか」を選べば済むと思えたら、視野狭窄を警戒した方がいいですね。
②自分自身の思考の癖を認識し、改善する
認知行動的です。客観視の訓練に良いと思います。
確証バイアスの例
政治: 支持政党の意見に賛同する情報ばかり集め、反対意見を無視する。
健康: 健康食品の効果を信じて、効果がないという研究結果を軽視する。
利用可能性ヒューリスティック(経験則)の例
ニュース: 飛行機事故のニュースを見た後、飛行機の安全性に不安を感じる。
投資: 最近話題の株に投資し、他の選択肢を検討しない。
(心に浮かぶ手短な候補しか見ない)
3)事例を収集し、分析する
①日常生活や仕事での会話、メディアなどから、非論理的な議論の事例を集める
例1: 「あの人は有名な大学を出ているから、言っていることは正しいはずだ。」
誤謬:権威に訴える論証
分析: 発言内容の正しさと、発言者の学歴は直接関係ない。
例2: 「みんなやってるから、私もやらなきゃ。」
誤謬: 多数に訴える論証
分析: 大多数がやっているからといって、その行為が正しいとは限らない。
メディアでの例
例: 「このサプリを飲んだら、みんな痩せたと言っています。だから、あなたも痩せます。」
誤謬: anecdontal evidence (事例証拠)
分析: 個人の体験談は、科学的根拠に基づいた効果を証明するものではない。
②チェックリストで論理的誤謬を見つける
前提と結論の関係
前提から結論が論理的に導かれるか? 飛躍はないか? (どら焼きの例)
根拠の妥当性
根拠は信頼できる情報源に基づいているか? 感情的な訴えや、不確かな情報に頼っていないか?
反論への考慮
反対意見や異なる視点にも配慮しているか? 一方的な主張になっていないか?
③誤謬を指摘する際の注意点
敬意を払う
相手の意見を尊重し、攻撃的な言葉遣いは避ける。
具体的に指摘
抽象的な批判ではなく、どの部分が論理的に誤っているのか具体的に説明する。
代替案の提示
可能であれば、より論理的な考え方や、誤謬を修正した議論の提案をする。
4)批判的思考を身につける
①情報の信頼性を評価する方法を学ぶ
権威が言ったとか、複数の人がチェックしているなど、ネットの誰でも書き込める情報と比較する必要はあります。
自分にとって理解しやすい耳にいたくない情報が信頼できるとは限りません。
論理的に問題はないか、情報の扱い方は適切で公正か、その情報は検証可能かなどが重要です。検証するために複数の情報源を比較できると望ましい。
②自分の考えを客観的に見直し、反論を考える習慣をつける
主観は、事実をアンコンシャスバイアス(無自覚な偏り)のある自分が、自分の価値観で解釈して文脈などで並べたものです。
自分の考えなら間違っていない保証はないことを知るべきです。とくに感情的な時と正義を強く信じている時は慎重さを求められます。
③フェイクニュースや陰謀論が反面教師になります
感情に強く訴えかける、科学を恣意的に組み込んでいる、とても極端な主張、話が面白い(※話が面白いこと自体がいけないのではなく、面白さを優先して根拠などが間違っていないか)など、気づくポイントはあります。一般的に、嘘は事実に巧妙に紛れ込ませます。
5)コミュニケーションスキルを磨く
スタンスの他に、読む力と書く力はお互いに影響しますね。また、傾聴や質問の仕方、アサーションなどを理解すると望ましいです。
適切に聞き発言する力は、自身の信頼性の証明にもなります。
6)継続的に学習する
学習することは時代の変化に自分をアップデートすることでもあります。例えば、天動説の時代で学習をやめてしまうと、地動説の世界を理解しにくいです。
情報リテラシーに関する名著も多くあるでしょうけれど、ベストセラーがロングセラーになれるとは限らず、ロングセラーがさらに読み継がれて古典になるのだから、GPT-4oやClaude3 Opusなどと話しながら古典を読むことを勧めます。彼らは語源や原語や時代背景を機械学習してあるから、頼りになります。間違えることもあるから、会社の方針やアルゴリズムが異なるモデルを利用することを勧めます。例えば、教えてAIなら無料で有料版の生成AIを利用できます。
例えば『ガリア戦記』なら、古代ローマのユリウス・カエサルによるガリア遠征の記録。戦略、リーダーシップ、組織運営などの洞察を得られます。生成AIと組み合わせることで、現代の視点からこれらの要素を分析し、ビジネスや組織運営に活かすことができます。
得られるもの
戦略的思考、リーダーシップ、組織運営のスキル、歴史的洞察、情報分析能力。
悪霊 (ドストエフスキー)
人間心理の深淵を描いた作品。生成AIによる心理分析と組み合わせることで、人間の複雑な感情や行動パターンを理解することができます。
君主論 (マキャベリ)
権力と政治に関する考察。生成AIによるデータ分析と組み合わせることで、現代政治における権力構造や戦略を理解することができます。
ギリシア神話
神々や英雄たちの物語。生成AIによる神話解釈と組み合わせることで、人間の普遍的なテーマや価値観を理解することができます。
論語 (孔子)
儒教の思想をまとめた書物。生成AIによる倫理分析と組み合わせることで、現代社会における倫理観や道徳観を考察することができます。
上記は一例で、どの古典でも多くのことを学べます。
7)まとめ
論理的思考と情報リテラシーの基礎知識を、具体例を交えて体系的に説明することを目指しました
日常的な非論理的思考パターンを認識・改善することで、批判的思考能力も育ちます
継続的学習が必要です。生成AI後の、例えば生成AIと図書館と古典を組み合わせるなど、実践的であることも意識しました
8)編集後記
僕らの心身には限りがあり持ち時間は有限です。批判なのか攻撃なのかを確認する際に、根拠が無ければレッテルだと分かるし、非論理的であれば、反論しなくてもその論理による発言が成立していませんよね。
「ねばならない」と言いたいのではなく、より良く考えることはより良く生きることだから、この復習を執筆しました。
今よりも、呼吸が楽になることを願っています。
サポートする値打ちがあると考えて下さって感謝します! 画像生成AI学んでるので、その費用にさせて下さい。 新書を一冊読むことよりお得なnote目指してます。