ドストエフスキーの『罪と罰』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』の3作品なら、どれから読むか問題
トルストイの『アンナカレーニナ』は素晴らしいです。田園風景1つとっても、当時のロシアの文化に触れられるから。
でも、どうしょうもなく惹かれるのはドストエフスキーなんです。ニツカさんとお喋りさせていただいたから、何か書いてみよう。
👆でも書いたのですが、伝統的な宗教の求心力低下と、疑似宗教の台頭があるから、なんらかの対処は必要で。ドストエフスキーの仕事に触れると、唆す人や支配する人の手口が分かります。
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と、準備してる間に、結論が出てた!😂
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ドストエフスキーの五大長編の内、『白痴』『未成年』は読めてなくて、勧めるなら残りの3作かなって。(『地下室の手記』から入ると、現代人みたいな自意識の人物の中の嵐を確認できます。ドストエフスキーに、現代が追いついてるように見えるのです)
読み方の工夫
大きめのノートに人名と関係性と「あだ名」をメモすることを、強く勧めます。ロシア文学は、ここさえ乗り越えたら読めるので。(関係性により「あだ名」が変化します)
翻訳選びに関しては、この記事では触れません。お好きな翻訳で読もう。原書で読める人もいるよ。
『罪と罰』
中高生の夏休みの作文とかに向いているかも。
自分の思想に酔って他害行為をして、娼婦に聖女役をさせている点は、人としてどうなのと思います。聖女の助けを借りず、自分の足で立てよって思う。ミステリが好きか、ツッコミたい方はどうぞ。罪と罰と自業自得はどう違うのかとか。
『悪霊』
21世紀の現代に、悪霊のストーリーを読んでも、信仰の面でもタブーの面でも、ドストエフスキーの意図した効果は出せないと思います。内容に意味がないけど、あらゆる愚かな人が出てくるから、読んで人の愚かさを考えるのに適していると思う。「唆す人」は、キーワード。
作品が二部構成で、海外に留学している息子たちの親の世代が待ってる姿と、期待されて何かを成し遂げそうに見える人物が現れるのは、聖書の救世主を預言し待った構成を踏襲してると思います。
人間はなんでこんなにも愚かなのかを考えたい方に、推したい。ドストエフスキーの思想小説の最高峰。
『カラマーゾフの兄弟』
未完の遺作。少なくとも長編小説書く作家なら、読んで影響を受けていると思う。構成とか人物造形とか。だから、読むと好きな作品のご先祖に会えるかも。
通読しておいて、気になるシーンを改めて拾い読みして、ずっと付き合える作品。ただ、初手『カラマーゾフの兄弟』は、ハードル高い気はします。
(ゴリゴリ読めるなら、他の作品もどれでも楽しめるはず)
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早い人は数日、遅くも1週間あれば読めると思う。てことは、3つ読んでも1ヶ月かからないですよね。素晴らしい古典は数多いけど、ドストエフスキーの問題意識に読者がやっと追いついた面もあるので、2021年を生きるからこそ、読む価値はあると思います。一生物の読書体験になりますよ。
高校生くらいの世代で読みたいけど、様々な現実を知ってる、大人だからこそ理解出来ることもあるので、大人も安心してお試しあれ。
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👆ヘッダーは春田みつきさんからお借りしました。
Thank you for taking the time to read this.