マガジンのカバー画像

Re:山羊的小説集

22
山羊メイルさんのマガジン『山羊的小説集』への感想です。
運営しているクリエイター

記事一覧

“In other words:” 『月に吹く風』山羊メイル著

Twitterで嬉しいお知らせが。 私がスキ押した時点で3人目、この文章を書き出している現在で10…

理屈でも数字でもなく、洞察で人は動く。(『縄とふき味噌』)

新作待ってました。 僕は聡美さんに恋をしていたが、神谷先輩は恋とか愛どころではなく、博愛…

山羊文学の源流である、青春エッセイ(『夜空の下には僕達しかいなかった』山羊メイル…

バイトをしたいが、テニスもやりたい。腹が減るがテニスもやりたい。 時間がない。 https://no

人間と野球の一番素敵なところの1つが、本作。(『二塁を廻れ』山羊メイル著)

一塁と三塁の区別がつく程度で、野球に詳しくない私でも、引き込まれます。人生と友情が描かれ…

恩師のお通夜、海外赴任、10年越しの友達以上(『ワイルドサイドを歩け』山羊メイル著…

人生経験と時間で人が成長することと、高校時代には伝えられなかった想いを伝えて、受け取る物…

お酒や異性に溺れず、学ぶ2人が愛おしい。でも、お巡りさんこの人です!(『新宿の雪…

ピカレスク風味の青春小説。今回は、悪い奴らが主人公ですよ。 しばちゃんが話す。 「人の言…

唄が届いたから、さあ、母さんを探しに行こう。(『茜色の中に』山羊メイル著)

ある日、呼吸するように唄うようになったお母さんが登場します。際立って上手いのです。身贔屓ではなく、耳の肥えたバーのマスターがプロの作品だと感じ、お店に流したいと提案するほどに。 「あのね、何で靴を履くのかな?」 「えっと、外で靴を履かないと、足が痛いから」 「そう、そういう事」 https://note.com/yagicowcow/n/nf6680807fb39 なぜ唄うのか小学2年の息子が尋ねたら、1時間考えた上で、こんなやりとりが生まれました。靴は足を保護しますが、

成人して社会人になって、いつ頃どうやって「大人」になりましたか?(『28歳』山羊メ…

この作品は、山羊さんの作品の中で最初に読んだと記憶しています。上記賞を受賞されています。…

夜が明けるよ、家に帰ろう。(『闇の中のトトロとパパ活』山羊メイル著)

また彼らに会えた! 『波よせる場所』の、原形なんですね。私は『波よせる場所』を先に読んだ…

冴えない僕は高嶺の花がとても好きで、調子狂ってばかりだ。(『恋の行方はフルスイン…

作品脚注にある通り、2019年公開の映画と、日本で投げてる野茂英雄(近鉄バファローズ 1990 - …

父と息子の会話劇は生きているから、語られない彼らの人生まで見える気がした。(『晩…

父は医療法人で総務部長と事務局長を兼務している。中途で入職。5年で法人の赤字をちゃらにし…

山羊メイル作品へのファンレター

👆山羊さん、申し訳ない。有料noteもマガジンもサークルも興味あるのですが、自分の中の欲が限…

活字で読むのに朗読のように身体性を感じる、佐伯さんの語りに注目!(『雨の夜のキャ…

👆本日拝読したのは上記。これまでの感想は👇このマガジンにまとめてあります。 山羊さんの物…

余所者も何もあるか、近所の寺が燃えている。(『寺が燃える』山羊メイル著)

日本語で小説を書く上で寺を燃やすのは勇気がいると思うのです。三島由紀夫の『金閣寺』があるので。アニメを作る人が、環境汚染で滅んだ文明を扱うのに覚悟がいるだろうことと似て。 お寺と近しい関係の土地で、火事の知らせを受けて家に向かい家族の無事を確かめるA面と、鎮火後のB面で構成されています。A面は、火事の影響で、みんな少しずつおかしいことを、冷静に描かれている。新宿駅を思わせる野次馬も、貴重品を取りに家に戻った奥さんも、待つには幼過ぎた小学2年の男の子も、主人公を殴った男も、皆