見出し画像

クロスロードダイバーシティ編体験会

 先日オンラインで参加したクロスロードダイバーシティ編体験会について
非常に有意義な時間となりましたので、私なりの感想をお伝えしたいと思います。
様々な価値観に触れる事を楽しいと感じる方・異なる業種や年代とのコミュニケーションに難しさを感じている方には特に目を通していただきたい内容になっていますので是非ご覧ください。


【そもそもクロスロードダイバーシティ編って何?】


 クロスロードダイバーシティ編とは多様性・異なる価値観の理解と浸透を目的とした対話の練習ゲームの名前です。
 あらかじめ用意された設問に対してYES/NOという大枠で自分の意見を示し、他の参加者との意見交換を行う形で進めるゲームの名前ですね。


【元になったクロスロードというゲームがある】


 実はこのクロスロードダイバーシティ編には、元になったクロスロードというゲームがあります。
元のクロスロードは阪神大震災の折に生じた物流や連携の混乱
「どんな事に困ったか」
「どんな意見の対立があったか」
という事例を神戸市職員の方へのインタビューで集め
正解の無い環境で
様々なジレンマを抱えたまま
それでも話し合って物事を前に進める。
そのための対話能力の育成を目指して作られた物でした。
クロスロードのテーマは防災。
クロスロードダイバーシティ編はテーマを多様性に変えた発展形とも言えるゲームですね。


【何を狙ってやるの?】


前述の通りクロスロードダイバーシティ編は、多様な価値観や個性の理解を深める事を狙いとしています。
「そうね、最近はいろんな人が居るものね」
と、なんとなく理解したような気にはなっていても、実際に自分の生活環境で価値観や理解の違いによる問題が起こると人間なかなかスマートには対応できません。
そして対応ができなければ結局は多数派による封殺や同調圧力が幅を利かせ
「空気読めよ」
という空気の下に新しいアイデアや可能性は失われていきます。
変革や改善が強く求められる時代にこんなもったいない事は無いですよね。
価値観の違いによる対立・葛藤・ジレンマを対話の力で乗り越えて、一緒に価値のあるものを生み出していこう、という環境を作るのが目指すゴールと言えるかもしれません。

【具体的にどんな対話をするの?】


例えば、小さな子供を抱えた状態で新規プロジェクトの打診に応えるかどうか。
※問題文は原文そのままではなくテーマ程度に要約してあります

内容に興味があれば、やってみたい・やるべきだと思う人も居るでしょう。
では勤務地は?勤務時間は?生活パターンはどうなる?
プロジェクトに貢献できるのはどのくらい?育児にどんな影響がある?

こうした多様な人々が働くからこそ生じるジレンマに向き合い、正解など存在しない設問に対してYES/NOで答える事から対話は始まります。
もちろん単純にYES/NOで答えられる問題ではありませんし、どうする事が正解と言い切れる人も居ないでしょう。
大切なのは自分の掲げたYES/NOの意見を
「これが正しいんだ!」
とゴリ押す事ではなく、なぜYESなのか、どう考えてNOなのか?話す事。
その過程を全員で共有しながら紐解いていって、理解を深め合う事です。
対話のゴールは自分の正しさを認めさせる事ではないという話ですね。
私もよく間違えますけれど。
正解の無い問題に対して考える力、お互いに理解し合う姿勢を養う事こそが
このクロスロードダイバーシティ編の肝と言えます。


【で、やってみてどんな感じ?】


私の参加したグループで対話を行った時は、自分を含めて4人での議論。
私はNOの側でした。
理由として挙げたのは、日常的に支払い得る労力の限度を超えていると思えたため、ですね。
育児・勤務形態の変化・新しいプロジェクトのための学び等が一気に押し寄せてくると、高い確率でどこかが破綻するという考えです。

ただ、同じNOでも他の方の意見はまた違った角度でした。
都合よく配偶者の助けが得られるかどうか。
子育ての負担は誰がどうやって負う?
といった、より焦点を絞った心配であったりYESに近い揺らぎを感じたりする物でした。

またYESの側でもNO側の視点を持っていないわけではなく
負担が激増するとう認識は、共通したもの。
その上で、チャレンジもしないのは違うのではないか。
断念はやってみてからでも遅くは無いのではないか。
という、対立と言うよりは意見の振れ幅の問題とも表現できる状態です。

おそらくですが、ほとんどの方がYESとNOの両方に共感できる部分が有るのではないでしょうか?
私もそうです。
そしてよくよく紐解いてみれば、YESの人もNOの人も、同じような所で葛藤し、たまたまYESとNOの大枠ではあちらとこちらに分かれただけ。
反対側=敵対者ではないのです。
落ち着いて最後まで聞けば相互理解や新たな視点への道が開ける。
そんな成功体験を積ませてくれる素敵なセミナーだったと思います。

少し踏み込んで言えばこのセミナーの優れている所は、ファシリテーターによって強制的に「聞く時間」が確保できる点だとも言えるでしょう。
対話、特に何らかの意思決定を前提とした話し合いはややもすると、聞く事を忘れた意見の押し付け合いになりがち。
「ちがう!ちがう!ちがう!」
と相手の話を遮ったり
「〇〇って事でしょう?でも俺が思うにさ…」
と結論を引き取って曲解してみたり。
誰もがこうした歪んだコミュニケーションを見た覚えがあると思います。
こうした歪みを排した健全な対話は想像するよりずっと快適で
「こんな環境が作りたい!」と強く思わせてくれるものです。

厳しい世相の中で、大変な話し合いをしなければならない人にこそ、信じて受けてみて欲しい。
そんな感想の持てるセミナーでした。
少しでも興味を持たれた方は是非、私と一緒に受講してみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?