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(実用)税金支払いに困らないためにやっておきたい「売上の積立」

確定申告シーズンが終わりましたね。この3月後半、よく聞くのが「税金高くて払えない」というお話です。個人事業主の場合給与所得者と違って源泉徴収されていませんから、発生した税額は1年分を自分で納付しないといけませんが、結構な金額になるんですよね。税金を払うために借入を増やした、なんて話も聞いたことがあります。

私も個人事業主ですが、個人事業主になったばかりの頃、やはり同じような状況で税金の支払に困ってしまい、資金集めに奔走した経験があります。そのときに反省してから、今は「売上の積立」を行うようにしていまして、最近は税金の支払で困ってしまうことはまずなくなりました。

売上の積立、「自己源泉徴収」と表現したほうが適切かもしれませんが、つまるところ売上の一部をはじめから税金になることを前提に積み立てておくという方法です。

具体的にどうしているかというと、まず売上高をExcelシートに入力していき、そこに0.1/1.1*(1-簡易課税の割合)を乗じるような関数を入力します。簡易課税の場合、この計算式でだいたい納付すべき消費税額が算出できますから、この金額を事業用口座から別口座に移しておくのです。帳簿上も仕訳を入れて、事業用のお金の一部を納税用ですよ、と区分しておくのです。

所得税も同様に積み立てます。所得税は単純に、前年の所得税に1.2を乗じた金額の1/9を4月~12月の9か月間で消費税と同様、別口座に移しています。12分の1ではなく9分の1としているのは、中間納付があるときに焦らないためですが、細かい話は割愛して、何であれ「早めにつみたてておきたい気持ちの表れ」ぐらいに思ってください(笑)また1.2を乗じるのは、毎年1.2倍ぐらい拡大していけたらいいなーという願望であり、別になくても良いとは思います。深い意味はありません。大事なのは、事業用口座から明確に一定額を別口座に移して、これは納税用のお金!と見えるようにしておくことです。

まさにやってることは源泉徴収ですよね。他、住民税や事業税もありますが、これらについては積み立てるほどでは無いと考えて、出たところで支払うような形にしています。そもそも分割払いですしね。年に一度ドカッと請求がくる消費税・所得税が怖いので、そこだけ分割積立の考え方を適用しているのです。

これで毎月のお金をプールしておけば、確定申告時にお金が足りなくなることはまずありません(足りなくなったことは実際一度もありません)。別口座を証券口座にして、運用をしてもいいのかもしれませんが、あくまで納税目的ですしめんどくさい、そこまで気が回らないので、私はやっていません。

別口座に資金を移したときの仕訳は、別段預金としてもいいでしょうし、納税準備預金とかカッコイイ名称を付してもいい…のかな?とにかく資産として区分しておくのが大事ですね。間違っても租税公課とか、費用にしてしまわないことです(法人で別表4を通すならともかく、個人はたぶん普通に怒られます)。

細かい計算が嫌なら「売上の10パーセントを積んでおく!」でもいいかもしれませんね(感覚ですが、だいたい売上の10%は、なんやかんや税金等に変わります)。何であれ大事なのは、お金が入ったらその一部分は税金である、預かっているだけだという意識です。お客さんからお金を貰ったら、やっぱり嬉しくなって使いたくなるのが世の常ですし、それを理性だけで抑え込むのは限度がある、というか私の場合、できませんでした。だから仕組みを作って、意識的に税金分を見えるようにしているということです。

もちろん毎月の帳簿から、所得税額を毎月計算してもいいのかもしれませんが、控除が不確定なんですよね。なので前期の所得税ベースとして計算しているのですが、実際この積立制度をつくってからは、納税に困ったことはありませんから、実際おすすめだと思います。税理士さんに全部お願いしている場合も、売上だけ教えてもらえば、同様にできるんじゃないかな。また消費税を原則課税で計算している方は、毎月の当期純利益に減価償却費と給与の額を足して計算すれば、それっぽくなるのではないでしょうか。概算でいいから、毎月積み立てていくという行為が大事なのです。

…と考えると、源泉徴収って便利なシステムですよね。国が勝手に税金を抜いて、積んどいてくれるわけですから。源泉徴収が高すぎるーなんて話もよく聞きますが、源泉徴収が無ければその何倍もの金額を3月にまとめて払うことになるわけですからね、払えないよりはいいでしょう。そもそも企業が採用活動をするとき、すこしでも条件を良く見せようとして「額面給与」を就活生に見せるのは、個人的にはあんまりよくないやり方だよなって思っていたりするのですが、それはまた別の話なのでこの辺で。

見出し画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました、ありがとうございます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!