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(雑談)快速を残したい理由

毎年3月はJRのダイヤ改正があります。ダイヤ改正に合わせて、新線の開通や新車両の登場、入れ替わるように路線の廃止や車両の引退が全国各地で起こるので、鉄道マニアにとっては楽しい時期です。鉄道マニアにとっての新年度開始日のようなものです。

先日2024年3月のダイヤ改正では新幹線が敦賀まで延伸されたりしましたね。ニュースでも新幹線一番列車の様子や、福井の様子が盛んに報道されていました。また私の良く利用する中央本線(中央西線)でも、これまで日中に運行されていた快速列車が廃止され「区間快速」という新しい種別に変更が行われました。快速列車の時代は、名古屋を出ると4駅通過していましたが、区間快速では2駅通過に変更され、これまで停車していた2つの駅に停車するようになったのです。

新たに停車するようになった駅はどちらも住宅地の駅で、これまで通過扱いになっていたのが不思議な程利用者も多いところでしたので、停車になったのはすごく納得です。一方で、朝や夕方には引き続き快速列車が残され、これまで同様4駅通過する運転が続けられています。

正直、終日区間快速で統一して、快速は廃止でもいいのではないか?と思ったりもするのですが、快速自体は残したんですね。その背景には様々な理由があると思います。

たとえば遠近分離、すなわち近くの駅を利用する人は普通列車、遠くの駅を利用する人は快速列車に乗ってもらうことで、1本の列車が混雑しすぎないようにするという施策ですね。先ほど触れたように、新たに停車するようになった2駅は住宅地の駅ですから、通勤時間帯の需要は大変大きいことが予想され、ここを利用する人が長距離列車に大量に乗ってしまうと、長距離を移動しなければならない人が電車に乗れなくなってしまいます。

また、住宅や不動産開発の為に快速を残した部分もあると思います。たとえばこれまで快速で29分だった駅があったとします。仮にこの駅が、区間快速になって31分かかるようになったとしますね。29分と31分、たった2分かもしれませんが、不動産を売ろうと思うとこの差は結構大きいです。29分だったら「名古屋まで電車で30分未満!」と書けますが、31分だと書けません。また「快速停車駅」と「区間快速停車駅」では、やはり前者の方がなんとなく便利そうな印象を受けますよね。もし快速をすべて廃止してしまうと、こういう売り文句が使えなくなり、不動産業者が困ってしまうのです。

実際、中央線沿線の宅地でそういう売り方をしているところを見たことがあります(名古屋市内まで快速列車で○○分!みたいな。名古屋「市内」というのがなかなか巧みですよねw)。またこういう話は中央線に限らず、様々なところで聞いたことがありますね。究極、ダイヤ改正のたびに本数を減らした特急列車や快速列車が、なぜか早朝に1本だけ運転されている、みたいな状況に追いやられていることがありますが、1本だけでも走っているのが宣伝する上では重要なのですよ。その最速列車の時間で宣伝しても「嘘ではない」ですから(こういうのは沿線宅地を関連不動産会社が行っている私鉄でよく見る光景でもあります)

他にもいろいろ理由はあるでしょうし、そういう理由を総合的に考えて、今のダイヤに落ち着いたのでしょうね。私としては、区間快速という響きがなんか都会っぽいので、割と好きです。走っている電車自体はこれまでと変わっていないので、ほんとに停車駅がちょっと変わった程度、それ以上もそれ以下もないんですけどね。気持ち的に、なんか変わったなーという気にはなります。

ちなみに余談ですが、先ほどの不動産の話、私が住んでいる多治見市は中央線の特急列車が停車するのですが、多治見市が移住希望者向けに出している動画で多治見について「名古屋から24分で通勤に便利」と紹介していました。特急(しなの号/特急料金760円)を利用すれば24分で移動できるのですが、それでええのか?と思ったのが正直なところです(笑)ちなみに区間快速を利用すると37分です。うーん、まぁ…いいか笑

見出し画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました、ありがとうございます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!