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(Youtube)「空想地域開発シリーズ」の後語り動画用原稿

Youtubeで毎週投稿してきた、TransportFever2の「特殊ルールで遊ぶ空想地域開発」シリーズが、先週金曜日に本編としては完結しました。最後に総括的な動画をアップして、締めにしたいと思いますが、色々と小話というか裏設定みたいなのがあったりするので、今回は後語りということでそんな投稿者再度から見たこのシリーズのアレコレについて書きたいと思います。最後に後語り動画を出そうと思っていますが、大体この記事の内容と同じものになると思いますよ。

とくに③の設定については、語りたいことがいっぱいあったので、長々書いてます。読んでいただくと「そうだったの?」がたくさんあると思うので、是非お楽しみいただければと思います。

①特殊ルールについて

このシリーズでは、通常のゲームプレイルールにいくつかの特殊ルールを追加して遊びました。ゲームバランスを調整するもの(列車の待機時間を長くする、機関車売却不可など)からリアル志向のもの(折り返し駅には着回し線を設ける、など)まで幅広くルールを追加してみました。手前味噌ですが、このルールがなかなかにいい塩梅で、良かったと思っています。序盤では難易度が上がったことで、たびたび資金繰りに窮して、開通させた路線を廃線させたりゲームプレイにおける良いスパイスになっていましたし、中盤以降は都市発展に伴い産業が増えていくことで、各都市に役割が生じ、それがその都市の個性になってくれたので、面白かったです。蒸気機関車の時代に広大な敷地が必要だった駅が、中盤以降で電車になって敷地が不要になり、跡地が再開発されていったのは現実世界でもよくある流れであり、それがゲーム内に一定の合理性を持って採り入れられたのは良かったですね。次以降の動画シリーズでも特殊ルールは引き続き適用していこうかなと思っています。

②マップについて

今回の動画シリーズを始める前、2021年~2022年にかけては「中部地方開発」というシリーズ動画を投稿していました。マップを実際のハイトマップデータから生成した中部地方のマップを開発するというものでした。このシリーズでは「実際の日本の地形に、外国の車両を走らせたい」ということで、敢えて日本型の車両を使わずに、外国の鉄道車両を中心に使っていました。今回の空想地域開発シリーズでは逆に、全くの空想地域、それも「日本からはかけ離れた景色の中で、日本の鉄道車両を使ったらどうなるか?が」見てみたかったので、マップは意図的に荒涼とした雰囲気で製作、山もほとんど木々がない、ヨーロッパ山岳地帯のような景色にしてみました。また自画自賛になってしまうのですが、正直今回のマップは、かなり気に入っています。動画内で使用したBGMも荒涼とした世界の雰囲気に良くマッチしていて、めちゃくちゃ良かったですね。

他方で、ちょっと地形が険しすぎたかなという気持ちもあります。とくに後半になると、主要幹線がどんどんトンネル化されてしまって、せっかくの地形がほとんど見えなくなってしまったんですよね。最後に建設した新幹線に至っては全線の7割がトンネルでした。もうちょっと、山岳エリアと平地でメリハリをつければよかったなと後半は思っていました。マップ中央の湖周辺が、ほんとうは平坦なエリアになっているはずでしたが、いざ遊び始めたら湖に向けて傾斜が付いている地形になっていて、思いのほか平坦じゃなかったのが想定外でしたね。

③設定について(本題)

実は動画シリーズ内で、このマップの設定をほとんど公開してきませんでした。なんとなくヨーロッパ風の景色なのに、日本の鉄道車両が走っているし、都市名もものすごく日本語です。それなのに「日本から車両を借り受けて~」なんて言っていたりして、結局ここはどこなの?と思った方もいらっしゃったのではないかと思います。

まず大前提として、今回の動画シリーズの舞台となった世界には、現実世界でいうところの「国家」という概念がない、ことにしていました。最初の数回はそういった設定を考えずに遊んでいたので、動画内で「本国」という言葉を使っていたりしますが、途中で設定を固めてからは、動画内では「国家」という言葉を一度も使っていなかったと思います。…たぶん。徹底しているわけではないので、もしかしたら使っていたかもしれませんが、脳内では国家が存在しない世界だ、ということでやっています。

「国鉄」「国有鉄道」という言葉は使っていたと思いますが、これらはあくまで通称であり、実際に国家が運営しているということではありません。蒲焼も白焼も、そういう名前の「地域」でしかないと。そういう設定だったのです。動画内で「当社」と呼んでいた会社は、あくまで蒲焼と白焼という二つの地域の開発権を持っている会社であり、二つの地域を自治しているとかそういうことは一切ないんですね。イメージとしては、日本の藩制度だったりヨーロッパの荘園制度がそのまんま残っている世界のようなものでしょうか。小さな地域ごとに政府が存在し、その地域を納めているけど、それは国家ではない、みたいな。したがって、開発を行った蒲焼、白焼も、日本語が使われていますが、日本ではありません。日本という国家が存在しない世界なのです。

国家がありませんから、小競り合いは過去からたくさんあります。これも動画内では言及してきませんでしたが、星降丘がクレーターの中にあるのも、大鳶城が山の上にあるのも、そもそもは防衛の観点で自然地形による天然の要塞を築いた結果なんですね。

またなんとなく動画内でちらつかせたように、蒲焼地域と白焼地域はぶっちゃけ「仲悪い」感じにしてました。当社が両地域を開発する都合上、両地域を線路で連結したりしていましたが、正直両地域政府はあまりいい顔をしていないんですね。だから、最初に両地域を結ぶ域間連絡線ができたときは、域境に高いフェンスを設置したり、厳重な出入境管理を課したりして、ちょっと当社に対して嫌がらせを仕掛けてきていたのです。最後の新幹線開通時に至っても尚、域境トンネル周辺には物々しい警備が敷かれていたりします(これは来週公開予定の車窓動画で見ていただくと、わかると思います)。開発は当社が行っており、財布も両地域統一されているのに、鉄道の運営母体が「蒲焼鉄道」「白焼地域鉄道」と分かれている、電化方式が異なる…等々、いろんなところに細々とした「仲悪いんだろうな」要素を散りばめていたのですが、薄々気づきましたか?

そんな世界なのですが、じゃあなんで国家が存在しないのかというと、これはずばり「国家が成立できるほど人間がいない世界」のです。

この世界ではあちらこちらで天変地異が起こりまくっています。蒲焼地域は隕石がよく降ってくるエリアで、星降丘、鷹ノ巣などクレーターに都市が形成されていることも多いですし、地名もなんとなく不穏(屋ケ田→やけた のように)だったりします。そもそも山に樹木がほとんどないのも、過去の天災で焼けてしまったからなんですね。白焼地域にはいまも活火山があります(火山灰のため高高度から飛行機が着陸できず、白焼には空港が小規模のものしかありません)。そんな地域ですが、人が暮らしていますね。なぜか。「食料があるから」なんですね。蒲焼地域と白焼地域には小麦農場があります。歴史的に、この地域でのみ小麦を栽培することができた。だから、天災で動植物が死滅しても、人間が生きのこることができたのです。

世界の多くの場所はそうなっていないのです。実は動画シリーズ内で、蒲焼と白焼「以外」の地域に言及した場面って、ほんのごくわずかでした。たとえば初期は機関車を「フランス」や「スペイン」と呼ばれる地域から輸入していましたが、そのぐらい。人の移動に至っては1980年代に「国際線」が就航して、はじめて他地域との結びつきができましたが、それ以前は一切交流が無かったのです。それは、蒲焼地域や白焼地域のように人がまとまって暮らしている地域が、ものすごく遠くにしかないからなのです。そのぐらい、世界の人口密度が低いのです。

あとで動画を見返してみて欲しいのですが、マップ北東の大鳶城の「さらに北東」や、マップ南東の防岬の「さらに南東」には、マップ外と繋がっていそうな平地が続いているんですね。マップ東の端、狸宮も、そのさらに東に川が繋がっています。でも、これらの街の「その先」に言及したことは動画内一回も無いのです。それは、これより北、東、南に人が一人もおらず、産業も一切存在しないから。これより先を目指したところで、意味が無いのですよ。大型機が登場し、給油無しで長距離が飛行できるようになってようやく、他地域との人の移動が現実的に可能になった、ということ。そのぐらいの距離感で人がいないんですね。ゆえに、国家が成立しなかったし、領土を取りに行ったところでね、仕方ないんですよ。逆に蒲焼と白焼のように、かろうじて人が暮らせるごくごく小さな地域内では小競り合いがあったりするのです。

国家が成立せず、大国も無い。当然ながら、世界大戦もありません。そのため、航空機の技術は現実世界より随分と遅れています。ジェットエンジンが存在しないのでジェット機が開発されていませんし、1910年代からずっと同じ飛行機が、二段丘と薬師の間を飛行しています。ただゲームの都合上、鉄道や自動車の技術レベルは現実世界と同程度になっていたりしますが、何らかの形で技術が蓄積されていったのでしょうね(そこは設定曖昧です)

こーんな裏設定があったのでした。もっとも初めから設定があったわけではなく、確か動画シリーズの4回目、5回目あたりの時期に考えたんだったと思います。でも、私の性癖で、こういうのって隠しておきたい。小出しにしてニオわせつつ、でも核心は伏せておきたいのですよ。だから動画シリーズ内では敢えてぼかして、隠してきました。車窓動画のテロップでチラッと片鱗を出したことはあったと思いますが。そういう目線でシリーズをもう一回見返していただくと、また違った見え方をするんじゃないかな。

④動画公開について

これまではTransportFever2の動画をすべて不定期公開にしていましたが、今シリーズから「毎週金曜日18時半」に固定しました。2022年の4月頃にはじめて、大体1年ちょっと、毎週公開を続けることができましたが、後半はちょっときつくなってきて、本編、車窓動画を1週おきに公開するスタイルに変えていましたね。それで回数が稼げたこともあり、だいたい1ヶ月先までは予め公開予定で動画を準備することができました。この感じは今後の動画シリーズでも続けていきたいなと思っています。というか、実はすでに次の動画シリーズ、第3回ぐらいまでは公開準備ができていたりします(笑)ということで最後に次のシリーズの話をちょっとして終わりましょう。

⑤今後について

最後に総括動画で↑に書いたような話をして、空想地域開発シリーズとしては終わりにします。その後、新しい動画シリーズをはじめていきます。次の動画シリーズは、今回のシリーズと同様に特殊ルールを用いて開発を行っていきますが、雰囲気はがらりと変わるでしょう。新シリーズでも今回同様、マップエディタを用いて自作したマップを開発していきますが、マップの準備に(誇張抜きで)丸二週間かかりました。それなりに拘ってマップを作ることが出来たと思います。どんなマップかは、動画がはじまるのをお待ちいただきたいのですが、過去からコメントで要望されていた よ う な マップを開発していくことになると思います。ただそこは私の動画ですからね、シンプルではないと思いますよ。色々と裏設定も考えながらやっていくつもりですので、これ…なにか変だな?と思いながらご視聴いただけると、より楽しめるのかなと思いますよ。ゴールデンウイーク明けぐらいかな~と思っていますが、公開をお待ちいただければと思います。

ということでTransportFever2、特殊ルールで遊ぶ空想地域開発シリーズ、とりあえずほぼ完結ということで。後語りでした。最後までご視聴いただき、ありがとうございました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!