二次創作における不勉強(アナタもワタシも)


エイリゾ氏に対する不当な扱いを未だに己の不勉強を元に自称古参が知ったかぶりをして発言しているのを見た。月姫歌月らっきょMBを超えてSNを発売日に購入し、今も型月の箱庭に耽溺しながらエンジョイしている人間の意見である。なお宗教学を大学で専攻し専門は仏教であるのでイスラム世界への理解度は一般人よりやや詳しい程度である。

イスラム二ザール派及びアサシン関連に関する簡易まとめがこちら。資料集めようと思ったら全部纏まっていた。しかもほぼ正確。
https://togetter.com/li/1199423

さて、SN時点で扱いが非常に困難なキャラクターは宗教上の理由で呪腕のハサンであろう。当時のマテリアルを見ても宗教上の理由で宝具発動のシーンには「■■■■■■■■■」と叫ぶシーンが書かれる予定だったが宝具名だけになりその名残はマテリアルにある。(推定アッラーに栄光あれ、或いはアッラーアクバル)である。

ユダヤ教からキリスト教、イスラム教に分派した(大元は一緒なのであえてこう書く)ものでありアッラーアクバルはキリスト教におけるAmenとほぼ同一。仏教における南無阿弥陀仏のようなものだ。当時 https://ja.wikipedia.org/wiki/悪魔の詩訳者殺人事件 の事件も調査中で記憶に新しく危惧したためほぼ架空のアサシン集団として型月内で設定したと思われる。
この伏字だけは発言した場合全イスラム教に対しての宗教観に対する冒涜になる(非二ザール派にとっては迷惑そのものだ)

ある意味では外国に於けるトンデモニンジャ的表現で逃げることが出来る現実の史実の二次創作を最初のSNの時点で実行したのだ。これはアーサー王(アーサー王自体架空だろう)が女であったことを含め、最初からトンデモ歴史で出来ている伝奇娯楽小説(エロゲだがその原典は学生時代の小説なので小説とする)なのだ。

当時は今ほどSNSも活発でなく18禁ゲームであるから「わかってる人」が買うようなモノでありそれでこそ描けた表現だった。
FGOにおけるアサシン教団は正史とは異なる来歴を持っておりもはや現実の二ザール派とは異なるIfどころではないところまで行きついている(史実では暗殺団の本部は12世紀に消滅しているが呪腕のハサン1273年の13世紀出身である。この時点で現実とは異なる)
さて顔を無くすことで明確な個人ではなくなったハサンはニンジャのように表現の幅を広げ史実のエッセンスを持った架空の存在として型月の世界で羽を伸ばすのである。
FateHollowAtaraxiaにおける空想電脳のハサンはもはや人間らしさが少ない異形の小人である。こちらの方が宗教的観点以前に存在の可能性のある人物として描いたのならば破綻している。呪腕以上に訴えられる存在だが当初の時点で明確に現実と違う世界の創作物なので何をしてもいいだろう、くらいの作品としての遊びはある。
余談だが静謐のハサンの元ネタは古代インドの毒娘だろう。体液すべてが毒な彼女は原典のモデルですらイスラム世界から乖離している。中東でも似た伝説があるが原型はインドだと思われる。
他に近い類例を出せば今は懐かしいことになりますが北野武は架空の日本人である座頭市を演じました。架空空想のキャラクターです。彼は金髪でラップも踊りますがそれでも作品中においては日本人です。
山の翁は存在自体も架空です。最初のSNにおけるハサンが明確にアサシン教団のアサシン出会ったと明言されていますが山の翁はマテリアルで読んでも存在の証明不可能な架空のキャラクターである。史実でも存在すらしない超常の存在であり破天荒なニンジャの始祖のような存在として描かれる。
宗教性すら超越した価値観で動く彼は果たして現実の宗教家であろうか。指導者であろうか。ドラクエに出てくるキャラクターにモデルで現実に近いのがいますよ、と言う存在だ。架空の存在の二次創作にケチをつけて権威を盾に暴れ回っているだけである。
一番原典に近く表現方法が最も危ない呪腕のハサン自体があの作品世界では危険なのだ。
本家がそれに対して飛び道具的解釈でエンターテイメントに消化している。
インドの英霊に対してのクレームは海外から来たりもしたが(そもそもそれ自体売名行為である上にインドの神様自体原典からの二次創作の連鎖で伝説が紡がれている。女体化男体化正義と悪の逆転なんぞ何千年も繰り替えしている)それ以上に危険であろうイスラム原理主義と別世界で構築された異端者であり尚且つ二次創作の二ザール派と別物になったイスラム世界で書かれたキャラクターは偶像崇拝禁止以前の存在である。(大体三大宗教自体同一の神で基本的にその姿を描いてはならない偶像崇拝禁止は共通している。しかし派閥によっての表現の違いがあるので髪の描き方が異なるのだ)それに対して異を唱えるのは当事者たるイスラム教徒ではない外野がとやかく言うこと自体正統性がない。
エイリゾ氏のトラブルは氏が人気作家で妬んだ人間の揚げ足どりが暴走して炎上しただけだと思っている。それはここ数日あったつるの剛士氏やおぎの稔氏の炎上(当事者に対する言いがかりに過ぎない)とどんな違いがあるのだろうか。
日本国に現在生きていてそのことを享受している身として将来作家になることを希望している自分としては「憲法の第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」をまるで犯していない。他人の創作表現に関して正義を槍玉にして暴言や創作の妨害行為自体創作及び二次創作を破壊活動でしかない。批判すること自体も表現の自由であるが集団でそれをリンチすることは普段オタクが退去してフェミニストを攻撃することと変わらない。
エイリゾ氏が完全に善というわけではない。不勉強な点もある。他作品のキャラクター(貞子などへの説教)を見たときはリングらせんループバースデイ読者の私としては「ヲイヲイもうちょっと勉強してね」と思ったがそこから攻撃することはなかった。宗教に関してもそうだが皆不勉強、中途半端な知識で叩いていいと思うなら自由に叩く、ということは己の中で一度考えてから出すべきである。グラップラー刃牙で首の視神経を切断シーンがあるがそんなところに視神経は存在しない。エンタメとして読み物として面白いのでそこで刃牙は果たして連載中止に追い込まれただろうか。間違いを指摘して作者の未熟かもしれない才能を潰してまで創作を潰す権利が果たしてあったのだろうか。あの世界ではあそこに視神経がある、それでいいじゃないか。
最も自分も直情的人間なので怒りに任せてTLするときはある。人間だからね。

表現をする時点で人は人の目に晒されるのだ。

己の無知と他者の無知を適当な正義感のファッションでストレス発散で便乗してリンチする行為、己の不勉強を扱いが難しいと他の類似例から目を逸らして都合の良いサンドバッグの対象にエイリゾ氏を今も持ち出すのは架空と化した教団とキャラを作り上げた型月叩きにはならないのは不思議である。
あと豚についてですがイスラム圏というか中東では腐敗が早く食べて死ぬ事例が多いためあの地域及び原理主義者は食べませんが周りにイスラム教徒がいない遠方地域では普通に豚食べてます。
大っぴらに言いませんが。

地域で後からイスラム教が布教された地域ではそれ以前からある風習なので普通に豚食べてますね。日本国内でカツ丼食う中東の原理主義者なんてそこら中にいるので状況によって、というのが現在の見解です。(少なくとも大学時代の2000年代後半)
全員が全員勉強をしろとは言わないが自分も詳しく知らないのにいまだに氏を持ち出して非難するのを見て当時擁護に回ることすらできなかった自分への訓戒としてここに綴じる。

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