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試合日の思い出

中学時代、水泳クラブの競泳選手の端くれでありました。3年ほどTVを見なかったぐらいには毎日練習と勉強。土日も試合、なければ練習。
のちのち、あれもしかして青春・スポコンしてた?と気付いたんですが、当時はごく普通にそんな日々を送ってました。
今回、「応援したいスポーツ」というタグを見て、思い出したのはやはり競泳のこと。今年は世界的な競技大会も開催されるかわからない状態ですよね。応援になるのかはわからないのですが、少しだけ思い出話をしてみようかなと思いました。

ほんの数年の選手時代、試合日というのはちょっと特別で色々と思い出があります。
例えば、本当に試合前に数時間会うだけの人。
競泳は小さな競技大会の場合、自己記録を申告すると、それを元に予選のグループや泳ぐコースが決まります。つまり近い年齢で同じぐらいの成績の人とは毎回顔を合わせることになります。
わたくしの場合も2年ほどずっと顔を合わせていたおなじみの人が一人いました。毎回毎回同じグループ、コースも大抵隣同士、年齢もたぶん同じだったと思います。体格なんかもどこか似てて、ライバルと言えたのかもしれないです、が。
わたくし、生来競争意識が低かった(コーチにもよく言われてました)のか、その人とは長い待機時間中は穏やかに話をしたりしてました。何話してたかも覚えてませんけど、試合のたびに「今日はいるかなー」と待ってみたり、顔を合わせると「あ、いたいた」とお互い認識したり。その割に名前を言い合ったり、何処に住んでるのかとか突っ込んだことを聞かなかったりしたし、時間になってレースをすればもうあとは一切会わず、会場内を探すこともしなかったので、友人というほどでもなかったのです。
試合の時だけ出会う人。毎日会ってる練習しているチームメイトよりも記憶に鮮明に残っていて、ちょっとおもしろい関係だったな、と今になって思い返したりします。
他にも試合の日だけ自分を甘やかしてLサイズのドリンクを飲んでいたこと、試合前のウォーミングアップに飛び込み用プールを使っていたので気付いたらその場全員で素潜り大会になってたこと、長距離レースの応援をしてたはずが途中で飛び込みの試合の採点になってたこと…短い時間でしたが、色々なことがありました。

今ではもう観戦専門になった競泳ですが、時折TVで見かけると日本新が出るかどうかという試合を楽しむ一方で、待機時間や終わった後の選手の方たちの過ごし方はどうなんだろう、と想像したりします。
のんびりと選手時代を過ごした自分にはわからない緊張の日ではあると思うのですが、ひとつひとつの試合日にそういうレースだけじゃなく、ちょっとした時間にも大事な思い出が生まれるんじゃないかな、と勝手に思っている次第です。
そういうな試合日という特別な日。また再び開催される日が来ますよう、心から祈っています。

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