30年の夢が叶う

ずっとやりたい技があった。「棒切れをヒョイと取り上げる技」だ。
時代劇ではよく見る技だが現実の世界ではなかなかお目にかかれない。
それを求めたのは30年ぐらい前、高校生の時だ。それがようやく願い叶ってしまった。その技ができるようになったのには理由がある。それを言葉に残しておこうと思う。

・とにかく伝えたいのは「角度が大事」という事。
実は私は30年かけてしまったが「角度が大事」と伝えてみれば、子供だってそれをやってしまう。たった5分でだ(笑)。
いろいろと言葉を尽くしてこの感動を残しておこうと思うが、もし、興味を持ってもらえるのなら「角度が大事」という事だけを覚えておいてほしい。

・武器が怖いと気づいてしまった。
高校生の頃、リアル格闘技ブームがあり、それに乗るように回し蹴りなんかを練習し始め、それまで興味のなかった強さへの興味を持ち出した。
しかし、体は大きかったものの、性格は臆病。どれだけ練習をしても、強くなれる気がしない。それどころか、武器を持たれたらなにもできない自分を見つけてしまいがっかり。
どれだけ練習をしたらこの武器を持った素人をあしらう事ができるのだろうか、と落ち込んだ。

この落ち込みが30年、ずっと頭の中に住み着く事になる。

・角度を揃えれば奪い取れる。
タイトルの通り、夢が叶ってしまった。しかも、それを叶えるために必要なものはものすごく単純な事だった。知らなかったから、気づかなかったからできなかっただけだった。
実際にそのコツを子供たちに伝えてやらせてみたら5分程度で私は気持ちよく木剣を奪い取られてしまった。もう、これも感動(笑)。

その「コツ」というのが「角度」。30年間ずっとできなかったのは、相手との角度が悪かったから。相手に対して「平行」に揃うように向き合えば両手が自由になり、棒切れを奪い取る事ができる。
本当に簡単、なぜ、気がつかなかったのだろう。なぜ、気がつけなかったのだろう・・・。

・私の遠回りを活かして欲しい。
武道家にとって「護身」は当たり前の事だ。競技になれば先手必勝もありだが、ルールのない状況では相手は武器も持っている。その武器に対して怖れを持たなくてもいい、とわかるのはとっても大切なことだと思う。
武器に対してどう向き合えばいいのか、という問題に私は30年かけてしまった。しかし、その時間は必要なかった。たった5分で怖れはなくなり、自らが持つ可能性に興味は向かう。
どこまで伝えられるかわからないが、ぜひ、簡単だと考え試してみて欲しい。

覚えておいてほしいのは「角度が大事」という事だけ。


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