2019年の術理 7月

鱗という身体感覚を得て、技ががらりと変わりましたが、まさか身体そのものまで変わりだすとは思いもしませんでした。
7月、その新しい身体にずいぶんと考えさせられました。

【痒みと痛み】

原因は色々と考えられるのですが、肌が荒れました。
これまで経験した事のない痒みが現れました。そして痒みだけではなく、肌自体も荒れ、水ぶくれができ、潰れていったりしました。
初めての経験に戸惑いました。

しかし、この身体からは逃げられません。新しい身体に慣れない数日は痒みに苦しみましたが、数日たち、肌荒れは更に酷くなり、痒みもありましたが、それに対してどうしたらいいかを探ったり出来るようになりました。
医学的に正しいかは全く分かりませんが、痒みに襲われたら、熱い湯を流したり、ドライヤーで熱風をかけ、気を紛らわせました。

色々と調べてみると、痛みと痒みは以前は同じもの、と思われていたようですが、今は違うものとして考えられています。
痒いからと言って、安易に掻いてしまうとそれにより、皮膚の組織が壊れさらに、痒みが増してしまうという悪循環に陥ると大変です。痒みを暑さで紛らわすのもそれほど悪くなかったような気がします。少なくとも、皮膚の組織は壊れないのですから。

そして、この痒みの経験がまさか、鱗のレベルを引き上げるとは考えもしませんでした(笑)。

【鱗が動く】

痒みに襲われ、皮膚の感度が増しました
痒みが出てきたのも、鱗を意識しすぎたからかもしれない、そう思っています。それまで気にしなかった皮膚の感覚。そこに意識を集中し、感度が高まり、外の世界との接触を敏感にしたのです。慣れていない新しい感覚に肌がびっくりしたのかな、と。まぁ、わかりません。身体を感じ、考えるのは自由です。

この痒みがある時、何も動いていないのに、皮膚がモゾモゾ、動き出すのです。きっと、それが痒み。それを解消したくてバリバリかければいいのですが、そうもいかない。2週間ほど続きましたが、その感覚は痒みが収まった後も残っていました

肌にある鱗が動き出したのです。
それまで「動く」、というのは骨や筋肉が動かなくては表現できませんでした。
骨や筋肉が動けば気配も出ます。しかし、この動きは無くてはならないものです。ゼロにする考えは生まれもしません。
しかし、鱗がざわざわ、と動くのです。それを意識した時、相手はその動きを感じ取ります。この感応作用が凄いですね。相手は意識することなく、こちらの動きに反応できるんですから。
この作用を自覚して受けを取れば、もっと早く新しい身体を手に入れられるかもしれません。

鱗が動き出す感覚はその後、小魚の群れの感覚、電気エネルギーの気づきへとつながるのだ、と今ならわかります。
だとすれば、この「痒み」は必要なもの、いや、プレゼント、ご褒美だったのかもしれません。

【左から動く】

私たちには「左右」があります
ご褒美は「上下」を示してくれました。私の上にいる存在がいて、落ちてくるエネルギーがあり、それを受け取る事ができる。そういった気持ちで7月までの数か月を過ごしてきました。
内側に溜まった力と、外側に見つけた鱗で上下に対してひと段落、満足をしたのかもしれません。ある日、朝、起きる時感じた身体の重さに気づかされることがありました。

いつも朝起きる時に気合を入れて起きる人はいません。当たり前に、普通に、起きます。この「普通」が曲者なのです。頭がぼーっとしている貴重な瞬間を観察できずにいたのです(笑)。
普通に起きるのにはだるい。そのだるさが「工夫」する意欲を与えてくれます。稽古好きになり、稽古が習慣になっていたからこそです。

少しでも楽に起きる方法はないか、それを探します。
腹筋を使い、真っすぐ起きるのにはちょっと苦労があります。しかし、動かないものばかりではありません。動くところもあるのです。

どうせ起きるのは面倒なのですからゆっくりと動くところを探します。順番に身体の各所に意識を移します。
胴体は動かないけど、腕は動く、そして腕よりも、手、指ならいつも通り動きます。手を先に動かして、それに引かれるように身体を横に回転をさせれば、腹筋という大きな筋肉を使わなくても起きれるな、とわかります。
ただ、それでは「面白くない」という気持ちがありました(笑)。

動かない胴体の中に動きやすいものはないだろうか?
求めれば見つかるんですね。こんな経験を何度もしてきました。この繰り返しが、身体の持つ可能性の大きさを教えてくれました。
そして見つかったものは「左」。左側に意識を置いて、起き上がった時、それまでにない軽さと楽さを感じたのです。

せっかく起きた後、また寝て、左から動く、と意識をして起きてみました。やっぱり、楽。とっても、楽です。
その後の稽古でさっそくそれを実験していき、その確信はさらに強くなっていきました。
理由はわからずとも、左から動けば疲れない。単純にそう考える事にします。

「左、左、左」、呪文のように、自分に言い聞かせるように動きます。
私は右利きですから、これまで、つい、安易に右だけでさっさと動いてしまっていたようです。左を「土台」として、ちゃんと通しておかなかったからこそ、右に生まれるズレが大きくなり、疲れとして感じてしまっていたようです。

「上下」の働きに、「左右」の働き。この気づきで具体的な何かが出来たわけでも、得たわけでもないのに、気分は晴れ晴れ。これが身体感覚の世界の楽しさ。結果に左右されない楽しさが得られます

【年明けの稽古は下記のとおりです】
名古屋 1/8(水)10:30-12:30
名古屋 1/19(日)10:00-15:00
浜松 1/11(土)13:00-17:00
瀬戸 1/16(木)10:00-12:00
熱田 1/17(金)13:30-15:00
【久しぶりの東京稽古も決まりました】
東京目黒 2020/2/2(日) PM1:00~PM4:00
【2回目のつくばも決まりました】
つくば 2020/4/12(日)PM1:00~PM4:00

http://www.karadalab.com/sch

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