2019年の術理 11月

11月はここ数年、オーストラリアのヨガ教師の方と稽古をしています。お互い英語、日本語が不自由な中での個人稽古を数日(笑)。
一応、事前準備として数か月前からその年気づいた事をまとめています。

英語で気づきをまとめる時、普段使い慣れている日本語で伝えるのとでは雰囲気が違ってきます。あいまいな部分がなくなり、強く、断定的になるのです。これはきっと、言語的なもの。日本語は最後まで選択を引き延ばす事ができますが、動詞がすぐに来てしまう英語では良いものはいい、ダメなものはダメ、決めていなくてはいけないからです。

この数年、この作業が頭の中を整えてくれています。普段術理としてはっきりとしたものはあまり残しません。背骨、腕脚、手足、頭、指など身体そのものに働きがあるよ、という感じです。
しかし、不思議と英語を使っている時には「私」の考えを先に伝えてもいい、という気持ちが湧いてきます

そして、言葉にしたものは「グラビティモード」と「エレクトリカルモード」です。自分の術理に英語の名前を付けるだなんて、考えもしません。しかし、相手が外国人なんですから、仕方がありません(笑)。
グラビティモードは重さをベースにつかうもの。今までの多くの術理はこちら側です。エレクトリカルモードとして伝えたかった身体の感覚はこれまで全く考えもしなかった事でした。

【エレクトリカルモード】

エレクトリカル、電気的という事です。
身体を探り出し、いつのまにか宇宙の成り立ち、仕組みにも興味が湧いてきました。そして、それがまた、身体感覚を探る際に「直接的」に影響してきます。
宇宙の事を学び始めると、そこに電磁気的な話が出てきます

理論物理学者の方たちが追い求めている究極の方程式は「重力」の方程式「電磁気力」の方程式を組み合わせた先にあるといいます。
普段私たちの目の前には重さを持つ物質があります。その物質がどう動くかを予測する時、そこではニュートン力学で説明されます。大きな冷蔵庫をどう動かしたら一番楽か。大きな建物をどう設計をすればいいのか。これらはわかりやすい力です。転んだら痛い、わかりやすい(笑)。

しかし、電磁気の力はわかりにくいです。もちろん、専門家はその法則を理解し、製品を作り上げます。しかし、その製品を使う多くの人は電磁気的な働きについては理解もせず、ただ使い、恩恵を受けます。
現代は電磁気的なものばかり。重いものを持つのも、電気の働きを使います。電気の力で作られた場所に住み、電気の力で作られたものを使い生活をします。

それなのに電気の話をほとんど知らない。
実は私たちは皆、中学校で電気の知識を得ます。しかし、忘れてしまいます(笑)。
でも、いいんです。忘れていても、それを学び、心の奥には残ります。なにかきっかけがあれば、それらが結びつき、気づきを与えてくれます。

エレクトリカルモードは、重さを使う動き方とは「違うもの」、それを意識的に分けるために言葉を作りました。エレクトリカルな身体を探せば、ちょっとずつ、エレクトリカルな世界が増えていきます。重さの法則とはまるで違う身体があったのです。この法則にしたがい動くと、簡単には抑えらえなくなります。予測が働きにくいのでしょう。

説明をすればややこしくなりますが、まずは重い世界とは違うものがある、と自覚して観察をするのをお勧めします。

【モーター】

エレクトリカルモードという名前をつけるきっかけになったのが「モーター」の術理です。
前腕の中に「モーター」の動きを見つけたのです。これだけ私の固定観念を壊してくれた術理のはずなのに、それを見つけたきっかけが今一つ思い出せません(笑)。

ただ、おそらく、小魚の群れの術理で筋肉や骨がばらばらとなり、鱗の術理で身体の表面にある皮膚の意識が高められ、痒みを経験し、その最表面である体毛がざわざわと動き出した事で、「肉体的」な部分から離れていったと考えられます。

それまで力の原動力としてきた「重さ」よりも、細かなものがザっと動く「速さ」に気持ちが移ったのでしょう。
そのバラバラだった力がまとまって動き出したのだと考えます。

あぁ、そのまとまりのガイドをしてくれたのは「瞬間移動」ですね、今わかりました(笑)。
手のひらをクルッ、クルッと回して得られるポジションのチェンジ。その回転が前腕へとつながり、ねじれを嫌った結果、前腕全体が回りだした。こう考えると、この「モーター」へたどり着いたのも、必然的にも感じます。
まさに身体に導かれて気づかせてもらった術理とです。

モーターの術理に気がつき、私の中の「自由さ」が進化しました。自分の自由は決して奪われない、そんな気持ちを得る事ができたのです。長くなりますが、その理由をまとめたものがあります。お暇なときにご覧ください。

次元について
モータの生み出す自由に関しては上記の記事の中の「小さく見えない次元」にあります。

【武術の稽古を生きる希望にする方法】

ツイッター上にて甲野先生から私の稽古の仕方について、うれしい言葉を頂き、その嬉しさの勢いのまま、書き上げたものがあります。

普段、稽古をしていれば、どんどんと身体に従っている感覚が強くなり、自分の中だけで「これでいい」と答えが出ます。次第に観念が変わり、生き方が変わるのですが、気がつくと、世間の常識からかなり離れていたりもします。

世間とずれている、と気づいた時、そこに不安もありますが、その不安までもまた、稽古になり、新しい世界を見つけて、やっぱり身体に従えばいいのだ、となるのですが、一応、人に「身体感覚」を伝える事を仕事にしているので、本来ならちゃんとその良さ、楽しさを言葉にもしなくてはいけません。

術理とは違って「思い」の方を書かせていただきました。
こちらも、お暇な時にでもご覧いただけたら嬉しいです。

武術の稽古を生きる希望にする方法

【東京、つくばの稽古テーマを「ヒーラー入門」に決めました】
東京目黒 2020/2/2(日) PM1:00~PM4:00
つくば 2020/4/12(日)PM1:00~PM4:00

「ヒーラー入門」

武術の技を40年ほど探ってきました。
身体感覚が磨かれるたびに、
年齢に逆行して身体がどんどんと軽く、
楽になります。

そして、その楽さは一人で感じるものではなく、
誰に抑えられても動いていられる、
という常識では考えられない働きです。

昨年、鱗、小魚の群れをお伝えしましたが、
これらの術理を「人の役に立てられる技」としてまとめ、
お伝えをします。

もちろん、その根幹は武の技ですから、
自分の中に動く能力を求めている人にもおすすめです。
自分が動けるとわかるからこそ、
人にそのリラックスを渡せるのです。

先にヒーラーとなる、と考える事で、
「自分にはできない」という疑いから離れられて一石二鳥、
そう考えています(笑)。

気楽に、ご参加ください。
http://www.karadalab.com/sch

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