無意識にある鎖を解き放つ

昨日の名古屋稽古では先日お伝えした「光背」について稽古をしました。
光背は文字通り、背中の後ろにある光です。
背中から後ろ方向へ光が進む感覚、これがある事で相手との間の微調整が出来るようになります。
前と後ろを同時に動かせる、こんな感覚があるとは考えもしませんでした。

この光背の術理、背中の空間さえ意識できれば簡単に伝わる、と思っていましたが、なかなかその感覚を伝えるのが難しく、久しぶりに色々と考えました。



なぜ伝えづらかったのだろう、と考えてみましたが、大きな理由の一つは「後ろ」であること。前は目で確認する事が出来ます。しかし、後ろは見えず、想像するしかありません。

これまでも見えないところ、見えにくいところの話もしてきましたが、その際には「触覚」が手掛かりになってくれました。
しかし、「背中の空間」は触覚も届かないところ。
私の感覚では「嗅覚」的な力で把握をするところです。

おそらくですが、現代人の多くは「視覚」に捉われている、のではないか、と思います。
ネットの世界では視覚が主役。音楽ももちろん人気ですが、ユーチューブなどの人気を見れば、音楽よりも動画、映像としてのコンテンツが主流です。
また、ニュースなどはテキストで配信され、これもまた、視覚で文字を認識して情報を得ます。

綺麗なもの、キラキラしたもの、それらを達成するのが得意な時代。
写真の画像だって、簡単にできる時代。視覚情報の良し悪しで人気、業績が決まります。

背中の後ろの空間を意識しよう、と考えれば、頭はそこへと行きますが、脳の大部分の働きはやはり前へと意識はむいたまま。ずっと、目に映る情報を見たまま、背中の後ろを感じようとします。効率が悪くなるもの当然です。

また、これは「脱骨格」に関する話ですが、骨格が内側にあり土台として支えている、と考えていれば、触覚的な意識をそのバランスに向けなくてはいけません。視覚と触覚、二つの大きな感覚を無意識に奪われていれば、どうしても、得られる情報は少なくなります。
脱骨格と、自覚出来たおかげで触覚への依存が少なくなった事も、波動の身体や背中の光に気づく事が出来た大きな要因と言えます。



とはいえ、「背中の後ろの空間」はやはりあるもの。必ず、存在するものです。
今はまだ感覚をつかむ事が出来なくても、逃げるものではありません。
後は、ちょっとずつ、背中の後ろかぁ、と意識をしていけば、やがて、これの事?とわかる日が来るはず。
ただ、その気づきを得るためにまずは、最初に「経験」をしておかなくてはなりません。認識のないものに気づく事ってとっても大変なんですから。

伝えるものが一つだけであれば、楽しんで稽古を進める事が出来ません。背中の後ろの空間を唯一だとすれば、それが分からなければ面白くありません。
しかし、身体感覚に従い探る稽古は色々。背中が分からなければ胸を、胸が分からなければ肩、肘、手首、腕、手、手の甲、手のひら、指、指先・・・名前のついている部分、その全てに働きがあります。

身体感覚を探る稽古を長くしてきたので小ネタはたくさんあります(笑)。本当に身体は凄い!どこまで探っても底も終わりもなく、まだまだ広がるのか、とあきれるばかり(笑)。



結局伝えたいのこういう凄さ。
だから気が向いた時に参加してもらえる一回稽古制も成り立ちます。稽古しようが、しまいが、努力しようが、さぼろうが、そんなのには関係なく、ずっと、身体は存在し続けます。
身体をそんな便りをもって見て、過ごす。その生き方をお勧めしています。

【稽古予定】参加受付中
4/9(土)川崎稽古会
4/23(土)甲野先生の浜松稽古会
5/29(日)つくば稽古会

4/8(金)名古屋東山
4/13(水)名古屋
4/15(金)名古屋熱田
4/17(日)名古屋
4/20(水)大垣(予定)
4/21(木)瀬戸
4/24(日)浜松
4/27(水)名古屋

詳しくはウェブサイトでご確認ください。
カラダラボ ウェブサイト

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