前向きな腰椎を作るには

武術は「絶望」から始まります。スポーツは逆ですね。練習をし、対策をし、コンディションを整えて戦いに向かいますが、武術はいつも、「まさか」な場面から始まります。
そして、さらに言えば、いつまでたっても希望が見えない、そんな状況になった時、どうするかを問われるものです。

こんな状況を考えるのですから、ネガティブな場面には慣れていきます。
この状況からは逃げられない、と諦められるからこそ、自分自身の持っているものに集中できます。
自分の持っているもの、一番に思いつくのが身体です。

どうしようもない時、どんどんと理想は落ちていきます。
嫌な相手を消しさりたい、と願ってもそれは消えません。
相手を吹き飛ばす力を得たい、と思っても相手が強ければ敵いません。
相手よりも速く動いて逃げ出したい、と思っても相手が回り込んでくるかもしれません。
もう、絶望しかありません(笑)。

こんな時にまずやれる事、それは「前向き」な姿勢です。
心の方からそれをやれ、というのは酷な話です。
この世は幻想、イメージが全てだ、と「思って」も、現実の身体がきつい状況にあれば好きなイメージなど持てません。
この時、いったい何が出来るのか。私には一つ武器があります。
それは「腰椎」を使う事です。

腰椎は背骨です。骨盤の上にあり、背骨に動きを作る土台となる部分です。
腰椎には番号がついており、この腰椎の一番下にあるのが「腰椎5番」です。この5番が前向きな姿勢を作り出します。

腰椎にはそれぞれ得意な「方向」があるようです。エビデンスはありません。ここで書く事は体感100%、ぜひ、試して動きを観察してください。

腰椎5番は姿勢を前後に動かします。
腰椎4番はしゃがむ動きと立ち上がる動きを作ります。
腰椎3番は捻じり固まったり、リラックスをして身体をほぐします。
腰椎2番は左右へと揺れる動きが得意なようです。迷いを作ったりするのはここが動きすぎるからかもしれません。
腰椎1番は腰椎の代表になったり、その上にある胸椎への橋渡し役をします。

上に行くに従い役割がぼやけてくるのは、心の部分が大きくなってくるからと思われます。
腰椎5番、4番は姿勢的な部分の強いものです。
もうどうしようもない!という時に初めの姿勢を決める事が出来れば、心にも余裕が生まれます。

腰に手をやり、胸を張る。自然と背筋は伸ばされていきます。
この時働くのが腰椎5番です。前へと身体は進もうとします。
前へと一歩出るのは誰でもできます。ただ、足を出せばいいだけですから簡単です。
しかし、簡単だからこそ、腰椎の姿勢を考えません。
腰椎5番を後ろへと引いたまま足を出したなら、気持ちはぐっと内側に入り、我慢力が強くなります。
我慢をして耐えられるのならいいですが、我慢はもう、これまでさんざんやってきたはず。我慢しない自分を身体に見つけて、動く事で対応する経験もしてみたいものです。

腰椎5番を常に前に。
一瞬たりとも後ろへと渡す事のないよう、常に前へと動かす気持ちで1日過ごせば、いつもと違う自分が見つかるはずです。
ただ、やはり、いつも、ずっと、というのは難しいもの。ついつい、前へと動かす事を忘れてしまいます。その時はそれに気づいた事を褒めて、また前へと出せばいいだけです。

腰椎5番は気持ちだけを動かします。
手足、頭、思考の動きとは関係ありません。
始まりの段階で前向きである、という姿勢を作るだけです。
何かをするなら、それはそれでいつも通りに好きな事を選べます。ただ、その時に、いつも前向きな自分がいる、前向きな自分は選べるのだ、とわかればきっと、心は楽になります。

お腹を伸ばすよりはちょっと細かく、難しいかもしれませんが、腰椎5番が無い人はいません。試せば絶対に見つかるものです。
根気よく、のんびり、思い出したら試してみる、そんなペースで過ごしてみてください。

【9月の稽古】
4水 浜松ロングヒーリング
6金 一宮ヒーリング
7土 名古屋
8日 浜松
12木 名古屋
19木 瀬戸ヒーリング
20金 熱田
25水 大垣
28土 浜松
【関東稽古】
10/6日 つくば
10/8火 東京ヒーリング、夜稽古


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?