【ヒーラー入門】空気を操る【技】

いよいよ5つ目の技です。
もし、もっと詳しく身体感覚を学びたいのであれば、さらに、これまでの技から細かく分岐していきます。
骨や筋肉、皮膚に内臓。すでにそこに「形」を持ち存在していますから、観察をすればするほど、その扱いが上手になるのは当然です。

研究稽古には興味が必要です。身体感覚という世界があり、その世界をもっと知りたい、探りたい、という興味。
これまでその興味を持っていただくのが大変でした。

理由は研究する事に慣れていないから。
多くの人は学校で、ちゃんといい子で学んできます。先生のいう事を聞き、自ら研究をしてきません。すでに答えのある事を学びます。
目的とする結果を生み出す技は学べば手に入ります。しかし、私には身体感覚を生かした技を伝えるのに躊躇がありました。武術の技を教えるのが怖かったのです。これは、これまで、あちこちで言葉にしてきました。

やっと伝えたい技として生まれてきてくれたのが「ヒーリング」です。
この「ヒーリング」という言葉を使うのにはいまだに迷いもありますが、何となくでもイメージをもってくれた方が、伝えやすい。そう思いましたので使っています。
ただ、今日お話しする「空気の操り方」は、一般的に想像されるヒーリングと近いかもしれません(笑)。

【ヒーリングのイメージ】

あなたの中にある「ヒーラー」のイメージはどんなものですか?
私の場合、宇宙エネルギーや気の力でどんどんエネルギーを送り込むというイメージがありました。超能力的な(笑)。

しかも、そのエネルギーを得るのに「練習をしない」イメージもあります。
気功の達人も気の力を使います。しかし、それは厳しい訓練の結果手に入れる力に思えます。
ヒーラーはもっと自然に、いつの間にかエネルギーを扱う力を手に入れてしまっている、そんな感じ。私の偏見だし、思い込みです(笑)。

また同じ癒しといっても、パキポキと骨も整えないし、ギュウギュウと筋肉も緩ませない。肌にオイルも塗らない。
なにかをすれば、それは「施術」であり、技術的な方へと偏ります。
私の知らないエネルギーを使い、そのエネルギーで私を整えてくれる、これが私の持っていたヒーラーのイメージです。

ですから、当初「ヒーラー入門」として言葉にするのは迷いました。
しかし、私が気づいた技は見た目、なにもしません。ただ触れるだけのようにしか見えません。
でも実際には正確に骨や筋肉、皮膚、内臓を感じて、そこに動きや働きを生み出しています具体的な確かな感覚を手掛かりにしているので、どれだけ相手が抵抗をしようが癒していける、そんな力があります。

どうせ何もしていないように見えるのなら「ヒーラー」でいいや、と考える事にし、採用しました。

ただ、今日お話しする「空気の操り方」だけは本当に見えないものを使います。

【見えない≠存在しない】

多くの人は見えないものは「ない」、と思っています。
考えの中ではいや、見えないものだってあるよ、と言うかもしれません。
しかし、その見えないものが身体を通していつも感じられなければ、身体にとってはないのと同じ、操る事はできません

空気はどうですか?
存在するのはわかっているはず。しかし、この空気をありがたく思っているのは呼吸をする肺ばかりではありませんか?

場の空気を変えられる人がいます。
彼らはきっと、場に存在する空気を自覚し、また、実際に有効なものとして使っています。ヒーラーという人たちもきっと、そんな不思議な力を持っているのでしょう。

ただ、その空気の力をたった一人の部屋で、コップを取る際にも使えるほど自覚し、操れる人はあまりいません。そんな事をしようとも思わないはず。
コップは手を伸ばせば取れるのですから。

しかし、いつでもどこでも、この空気が役に立つ、実感できるとわかれば、いつも私を助けてくれるものとして安心できます。
そして、この見えないと思っていたものを実感できる、という確信が想像力を大きくします。

【空気は共有するもの】

感覚が鋭い人なら離れたところにいる人の力を感じ取れます
良いヒーラーを探すのも上手でしょう。
しかし、すべての人が鋭いわけではありません。だからこそ、気の世界、ヒーラーの世界には「合う合わない」という怪しい問題が存在します(笑)。

私はこれらの技を武術の研究を通して見つけてきました。
今日お伝えしている「空気」についても、武術の場面で使えるもの、として見つけたものです。

ですから、相手が逆上、緊張して目の前にいたとしても、こちらは淡々と空気を固め、それで対処するだけです。
少し落ち着いて、二人の間に生まれる空気と力を感じてもらえれば「何かある」と必ずわかります。

なぜ、必ずか、といえば、触れても消えないから

私が空気を固め立つとします。
その私の身体を横から押してもらいます。強くても構いません。最初は遠慮があるでしょうが、徐々に、強くして試してください。
この時、骨を整えて立てば骨の強さが見つかります。
また、肌のバリアで表面ではじくように立つ事も出来ます。
そして、身体の中に筒を作り、内部をバラバラにすれば、張りのある風船に触れているような感覚がわかります。

身体は変わるのだ、と経験をすれば自分自身への見方は変わります。
骨も筋肉も皮膚だってずっと存在していたものです。ただ、思い込みによって働きが制限されていました。
身体を感覚的に見ながら実験していけば必ず、観察力が上がります

さて、空気を固めて立った時です。
この時も、押しても動かない、という結果が出るのですが、それまでに経験したどれとも違う感触があるのがわかるはずです。
そして、それはこの身体を支えているのが内側にはなく、外側にある事に気づきます

身体の外側に何があるか、それこそまさに空気です。
「空気がある」という事実を身体を通して実感する事、それこそが大切です。
そして、その空気は私とあなたで共有するもの。私が「空気が固い」と想像する事で、あなたも「空気は固い」と写るようです。そして、空気は操る事ができる、と知れば、そこから一歩ずつ、上手を目指して練習だって可能ですよね。

【ぎゅうぎゅう詰め感】

私は立派な人の話を聞くのが苦手です。
立派な人その人自身は謙虚でいい人でも、周りを取り巻くファンや高弟が立派な人を守ります
まさに、立派な人を立派と思わせる空気を作る役割をおいます。

私が伝えたい「身体感覚」は立派だろうが、愚かだろうが、関係なく、ココに存在するものです。
立派かどうかは心の部分。身体は関係なく、存在するものです。
身体の力を知り、その後どう過ごすかはそれぞれの心の問題で選べばいいのです。

空気を操る、と考えた時、宇宙エネルギーや澄んだ気持ちのいい気の力、と考えたりすると、まだ自覚の足らないあなたはそこに不安を作るかもしれません。
その不安は身体を緊張させ、空気ではない、肉体をより強くします。
空気を操りたいのなら、空気だけを強く見た方がいいに決まっています。
空気だけを見たなら、ネガティブな気持ちになった時にも使う事ができます。空気をどう認識するか、それが大切です。

私はいつも、軽く、考えて来ました。
固い空気を作る時、私の中にある感覚は「ぎゅうぎゅう詰め」です。
満員電車で身動きが取れない、まさにあの状態を手掛かりに、空気を見ます。
すると、先に体験してもらった固い空気が生まれるのです。

イメージは人それぞれでしょう。
しかし、これで、イメージが現実にも影響を及ぼす、とわかります。
不安が強い人は、すでに、空気に恐ろしいものを作り上げすぎている可能性があります
想像は身体を通して、いつも、現実へと現れている。きっとそうです。

直接肉体の緊張を取り去ってあげたいと思う人もいるでしょう。
また、考えの方を軽くしてあげたい人だっています。
これまで紹介した5つの技に得意不得意、上手下手はもちろん出てきます
しかし、内臓、骨、筋肉、皮膚、空気。どれも、間違いなく、あなたは持っています
持っているのですから、そこに働きかける資格は十分あります
覚えなければいけない難しいテクニックはありません。なぜなら、そもそも、相手を動かす必要はほとんどないからです。
納得を持ちながら相手と関係を続けるために必要なのは、身体感覚だけです

【ヒーラー入門】

ざっと、五つの技を紹介しました。
この技を手掛かりに「ヒーラー入門」では身体感覚についてお話をしていきます。
これまで私の稽古に参加されたことのある方なら、根本は変わらない、とわかってもらえるはず。身体感覚の存在を伝える点については同じです。
ですから、技を聞き、それをどう生かそうか、とさらに研究をするのはドンドンと進めてください。
この技が手掛かりになり、研究の楽しさに繋がってくれたら嬉しく思います

【ウェブサイトの構成を変えました】
稽古予定を「稽古研究」と「ヒーリング」と分けて掲載しました。
http://www.karadalab.com/

【稽古研究は下記のとおりです】
浜松 1/26(日)PM1:00~PM5:00
浜松 2/8(土)PM1:00~PM5:00
名古屋 2/9(日)AM10:00~PM3:00
http://www.karadalab.com/sch

【ヒーラー入門】
東京目黒 2020/2/2(日) PM1:00~PM4:00
つくば 2020/4/12(日)PM1:00~PM4:00
瀬戸 2020/2/20(木)AM10:00~AM12:00
大垣 2020/2/27(木)PM6:00~PM8:45
http://www.karadalab.com/healing

【甲野善紀先生の浜松稽古会があります】
浜松 2020/2/22(土)PM2:00~PM4:45
http://www.karadalab.com/archives/1872


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