【ヒーラー入門】完治について

ヒーリングというわかりやすい名前を使う事によって期待される結果も生まれます。
病気であれば完治をさせたい、と思うかもしれません。
もちろん、私に病気を完治させる力はありません私が伝える技で手に入るのは身体の中の無理の排除です。
無意識に持っている力みをとる事によって心に余裕が出来る、そう考えています。

【結果と過程】

身体感覚について、私たちはすっかり、忘れてしまいました。
身体感覚など気にしなくても、機械やサービスの力を使い、生きていけます
しかし、西洋化する以前の日本ならどうでしょう。
不便で豊かでもない世界を生きていく時、我慢では過ごせません。身体感覚を稽古し、探るようになり、わかってきたのは、結果にとらわれない幸せがある、という事です。これは確信。
きっと昔の日本に暮らしていた人たちは毎日を楽しく愉快に過ごす力を持っていたはずです。

目の前にどんな結果が表れていようが、その時、気分が良くなければ力は発揮できません。これは武術を通して身体感覚を探ったからこそ、見つかった事です。

自分の気分、機嫌に集中してみると、それは身体と密接な関係を持っている。それがわかります。
とはいえ、病気で苦しい経験をした事がある人なら、そんな時に気分を上げろ、と言われても、「出来るはずがない」と思う事でしょう。わかります。

ただ、それでも、身体はちゃんと、意志を持って扱えば応えてくれるのです。はっきりとした法則がそこにはあります。
武術はどんな健康体であっても、その瞬間、命の危機を感じられます死を目の前にした時でも、身体は爆発する事なく、ちゃんとそのままそこにあります。パニックを起こすのは心。感情です

感情には任せられない、とわかれば身体にすがるしかありません。そして、身体はちゃんとそれに応えてくれます

【自己治癒力】

世の中には「奇跡」があります。
死に至る病を克服した人たちの話があちこちで聞かれます。ただ、その奇跡は願えばやってくるのでしょうか?
奇跡にすがりたいのは心です。ネガティブな私に奇跡はきっと来ません(笑)。
私は身体感覚の力を知りました。私が頼るのは身体です

私だって、奇跡を得られるのならそれを求めます。
しかし、奇跡の順番を待っている時、私の心が落ち込むだろう、というのも想像できます。
ネガティブに心を落としてしまった時、身体はどう反応するでしょうか。

身体には「自己治癒力」があるのを知っています。傷口が塞がり治るのは絆創膏のおかげではありません。身体が自然と修復されるのです。
その修復が常識と違った時、奇跡と呼ばれる、しかし、身体にとっては当たり前の事かもしれません。まだ私たちが知らない働きが身体にあるだけかもしれません。

自己治癒していく時、ぎゅっと力を入れて頑張ればうまくいくとは考えにくいです。
意志による頑張りは自己治癒の邪魔をする、なんとなくそう思うのです。

では、私に何が出来るのか、それが機嫌よく、気分良く毎日を過ごす、という事。
しかし、どうすれば気分良く過ごせるのか。好きなものを見つけられなかった私には難問でしたが、結果的に、身体感覚という世界を知り、好きという心の状態は関係なく、身体の働きを生み出せば、気分は良くなる、最低でも、悪くはない、というフラットな自分でいられることがわかりました。

【手術と薬】

私は臆病です。手術の怖さ、薬の怖さを持っています。人の自然な生き方とは何だろう、そんな事を考え始めると、過度な医療はその自然を超えているのでは、とも思えます。

しかし、だからと言って、もし死に至る病に出会った時、自然に任せ、なんの対応もせずに、そのまま死ねるか、と言えば無理です。
もし、私が一人きりであればそれも選択できるかもしれませんが、私にも家族や仲間がいます。その家族や仲間が悲しむ顔は見たくありません

また、突然、外で倒れたならば、当然のように救急車を呼ばれ、治療を受けてしまう事もあるでしょう。どれだけ近代医療を嫌っても、社会のシステム上、「受けてしまった」という状況になる事もあります。

それらこそ「結果」です。
どんな結果になるのか、そこには運が入り込みます。コントロールできないほど大きな力がそこにはあります。
しかし、気分ならまだ、身体で扱える。身体感覚を知れば、気分良く、心を導けます。

もし、完治をしてくれる治療があればよろこんで受けたらいいんです。もし、そんなものは嫌だ、というのなら喜んで拒否したらいい。いつも、喜びと共にいたいものです。

【身体はちょっとでも】

きっと身体は「ちょっとでも」快適な方へと向かいたいのでしょう。
本当に、身体に苦しさを得た時、どちらへ行けば快適かを身体はわかるはず。
その時、内臓、骨、筋肉、皮膚、空気の事を知っておけば、その「ちょっと」がわかるはず。
ちょっと快適に向かえば、また、違った身体操作で「ちょっと」快適な方へと向かえます。
もし、道を間違え、不快になったとしたら、その「不快の反対側」へと行けば間違いなく「ちょっと快適」に出会います。不快の分だけ、快適になります。

そのちょっと快適をずっと続けていた時、気分は悪くならず、身体に自然なままの働きを与えてあげられる結果的に、自己治癒力がうまく働き、奇跡と思われるような結果も出るかもしれません。

ただ、人間は必ず死ぬ。どんなに死にたくない、と思っても、いつか死んでしまう。これはかわりません。
武術を通して死と向き合い、そして見つかってきたヒーリングの技です。
しかし、その仕組みはとても簡単。
ほんのちょっと支えて、ほんのちょっと揺らして、ほんのちょっと触れて、ほんのちょっと探る
これだけで、身体が変わっていくのを感じられます。

【ダイナミックな過程】

変化し続ける、という経験を重ねていくと、毎日、毎瞬がダイナミックに動いている、とわかります。 
いつの間にか、結果にとらわれる自分は小さくなり、ダイナミックな過程を楽しめる自分になれるかもしれません。

終わりのないダイナミックな過程を手に入れるのに、世界中を旅して探す必要はありません。いつも、すぐそこにあるのに、見えていない身体に目を向ければちょっとずつ近づけます。
決して逃げて行かないし、じつは、逃げられないものです(笑)。

病気が治る、治らない、完治については皆一言持っています。
完治という結果だけではなく、その途中の過程だって色々と楽しめる、とたくさん意見を持てれば、完治の事なんて忘れちゃうかも。
私の目指すところはそんな場所です。

【ウェブサイトの構成を変えました】
稽古予定を「稽古研究」と「ヒーリング」と分けて掲載しました。
http://www.karadalab.com/

【稽古研究は下記のとおりです】
浜松 1/26(日)PM1:00~PM5:00
浜松 2/8(土)PM1:00~PM5:00
名古屋 2/9(日)AM10:00~PM3:00
http://www.karadalab.com/sch

【ヒーラー入門】
東京目黒 2/2(日) PM1:00~PM4:00
つくば 4/12(日)PM1:00~PM4:00
瀬戸 2/20(木)AM10:00~AM12:00
大垣 2/27(木)PM6:00~PM8:45
浜松 2/17(月)AM11:00~PM2::00
浜松 3/2(月)AM11:00~PM2::00

http://www.karadalab.com/healing

【甲野善紀先生の浜松稽古会があります】
浜松 2/22(土)PM2:00~PM4:45
http://www.karadalab.com/archives/1872

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