【ヒーラー入門】実力について

技を伝える、と決められるのに時間がかかりました

どれぐらい?と聞かれたなら、もうそれは何十年って答えます(笑)。

でも、これは大げさではなく、本当の事。
強くもない自分に技を伝える資格はないんじゃないかな、と思っていました。
それでも、仕事として行えていたのは「稽古」の楽しさを伝えたかったから。稽古を楽しむ時、実力は要りません。むしろ、実力など無い方が新しい世界へと興味を向かわせることが出来ます。

しかし、なかなか「稽古」の楽しさは伝わりません。どうしても、「実力」を通して自分を測ってしまうからです。受験勉強のしすぎですね(笑)。
難しいなぁ、と思うのは、完全に実力の事を忘れてもらう事です。こちらのいう事を「信じて」ください、と言っても、それはたいてい、妄想だけ、口先だけになってしまいます。

【信じる力】

それでも、争いが少なくなったこの世界です。実力を気にせず、信じたいものを得た人の方が成功という結果を得るかもしれません。そして信じたものを持ちながら過ごす中で自然と実力を磨かれる事はあるかもしれません。しかし、その確証はありません。途中、挫折もするでしょう。

挫折をした時、信じたいものを信じ切れるのか、それが心配になります。
私は武術、武道を通して生きる道を歩いたので、現実を忘れてまず信じる、という事が出来ませんでした。
どんなに大丈夫、と信じても、殴られれば痛いし、倒れます。これをどう信じたらいいのか。人間の中にある矛盾を直に味わってしまったのです。

【実力を求める】

自分の中に問題を解決する力があるのかも知れない
そう感じさせてくれたのが甲野先生でした。甲野先生は「身体感覚」の世界を見せてくれました。
それまで、肉体を鍛える事は知っていましたが、そのためには努力が必要であり何度も挫折をしているうちに諦めるようになっていました。

また、肉体を鍛えられないのなら技や急所を覚え、何とかしよう、とも考えました。しかし、これも無理でした。臆病な私はすぐに感情に振り回されます。また、記憶をする力も乏しかったのです(笑)。

もうだめだ、と思いかけた時、甲野先生に出会ったのです。
そして身体感覚の世界を知り、探り始めました。この時、技と肉体への期待を失えていた事が良かったようです。

もう、これしかない、と身体感覚の世界に没頭出来たのです。挫折も役に立ちました(笑)。

【戦わなくてもよかった】

気がつけば25年、ずっと実力をつけるために稽古をしてきました。
出来ねば無意味」という言葉を教わり、気づいていく身体感覚を常に武術を通して確かめ、妄想レベルでの気づきはまだ早い、と稽古を重ねていきました。

身体感覚という現代人の誰もが忘れてしまった世界を広げたのです。みんなが知らない世界を使い動くのですから、技と組み合わされた時、面白いように効きます。大変な努力を重ねているプロの人たちにも驚かれるようになったのは奇跡的です。
ただ、それでも、さらに上には上がいる、と考えてしまい、心の平安は訪れませんでした。不思議ですが、そういう性格なのでしょう。

そして昨年、気づいたのが「支える」側に立つ事。
戦う事をやめたなら、心の中の大嵐は収まる事がわかったのです。

【実力は要らない】

「支える側」に立った時、なんと「実力は要らない」のです。
しかし、それでは暴力に対して身を守れない、と思うかもしれません。もし、これを「教え」として聞いている人はそう思うはず。どれだけ打たれても教えを信じなきゃ、とプレッシャーにもなります。

しかし、私は何十年も「戦い」を通して技を磨いてきました。そして、身体感覚を使い戦えば、命ぐらいは守れる、と思うようになりました。イザという時、身体は何とかしてくれるのです。戦う選択をしても、生きていける、そう確信しています。

そして、その上で言います。

「戦う以上に支えた方が身を守れる」

のです。
支える側に立ち、相手が無意識のうちに持っている力み、緊張、嫌な事に対して、それを解決してしまうのではなく、ほんの少し、ちょっとだけ、手を差し伸べ、支えるだけで相手の身体の中に余裕が生まれ、それが安心へとつながり、心にも隙間が出来、現実が変わる、それがわかりました。

私はここに来るのに、時間をかけてしまいました。
しかし、意識を集中する先を相手へと変えれば、もっと早くに、支える事の大切さに気づけたはず。それが出来なかったのは臆病が過ぎたから(笑)。
ただ、武術という痛みと共にある稽古場では仕方がなかったと思います。また、だからこそ、これだけ強い確信を得られました。後悔はありません。

ただ、誰もが私のように時間をかける必要はありません。
ヒーリングという支える側に立つところから身体感覚の世界を探る楽しみを見つけてもいいと思うのです。

大切なのでもう一度言います。
支える側に立つのに、実力は要りません不思議と思える結果を生み出す力は相手自身の身体にあるのです。身体の持つ働きをそのまま知れば、自然と目の前の人の無意識の緊張をほぐしてしまうようになってしまいます。

ぜひ、講座の中で聞いたものを日常生活の中で試してみてください。なにもしていなくても流れて行ってしまうのが日常生活です。ゲームやネットで時間を潰すのに飽きたら、ぜひ、こっそり、ヒーラーになってみてください。誰の許可も要りません(笑)。

【稽古研究は下記のとおりです】
浜松 2/8(土)PM1:00~PM5:00
名古屋 2/9(日)AM10:00~PM3:00
http://www.karadalab.com/sch

【ヒーラー入門】
つくば 4/12(日)PM1:00~PM4:00
瀬戸 2/20(木)AM10:00~AM12:00
大垣 2/27(木)PM6:00~PM8:45
浜松 2/17(月)AM11:00~PM2::00
浜松 3/2(月)AM11:00~PM2::00
http://www.karadalab.com/healing

【甲野善紀先生の浜松稽古会があります】
浜松 2/22(土)PM2:00~PM4:45
http://www.karadalab.com/archives/1872


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