身体感覚の学び方
一月ほど「粒粒」について考えてきました。
これまでの身体の見方は「粒」でした。胴体、腕、手、指、背骨、腰椎、胸椎、頸椎、骨格、筋肉、皮膚、爪など、器官、組織として捉えて、その個性を引き出すために出来る事を模索してきました。
その結果、身体は凄い！どんなに困った事があっても、身体に頼ればなんとかなる！という確信が持てました。
どんなに辛い事を前にしても、それに対応できる身体が必ず私の中には残されていて、見つけ出されるのを待っていてくれるのだ、と思えるようになったのです。
そして私が凄い！と確信した身体は私だけのものではなく、誰もが持っている身体なのだから、その事を伝えていこう、と思い今の活動を始めました。20年ほど前の話です。
凄い力を持っている身体を自覚するためには「ちょっと危険な場面」が必要です。
心が、ヤバい！と悲鳴を上げる瞬間にさっそうと現れ助けてくれる身体を見つければどれだけ自信を持てる事でしょうか。
しかし、この超ヤバイ瞬間を経験する機会が今、なくなっています。せっかくの凄い身体を持っていても、それに出会えません。
私は武術を通して身体を探りました。武術の中にある危険さが身体の凄さを教えてくれたのです。
しかし、なかなか人生をかけて武術を探る人はいません。私の稽古は手を上げるだけですから痛い思いも、危険な事もしませんが、そこに真剣さという気持ちを込めて稽古しています。その結果、必要に応じて身体がどんどんと動き出しました。
今、私たちはなんとなく幸せになり、暮らせるようになりました。
それぞれが命がけで生きる必要は無くなり、のんびりとした中でゆっくりと暮らす事ができます。
ただ、そうなると、身体を必要としなくなるようです。
身体を見る機会は病気や怪我、老いというところでしょうか。稽古や芸術を通して痺れるような身体に出会っても、それは一瞬、日常生活の中で感じる老いと病気のネガティブさに勝てません。
どれだけ身体は凄い！と伝えても、その身体を生かす機会がなければ身につきません。そして、老いや病気からくるネガティブな身体がまた意識を大きくしてしまうのではないか、と思いました。
粒として働きを主役にして身体を探るのは今の時代には合わないのかもしれません。粒としての身体に救われ、大感激して、大変身した私ですが、これは我の強い私には合っていても、全体をみれる人が多くなった現代では合わなくなっているとも感じます。
粒としての身体ではなく、粒粒としての身体のほうが身体の凄さを感じるのにはいいかもしれません。
身体の凄さを感じようとも、老いていくネガティブな身体はそれ以上にアピールしてきます。部分を探しても、上手くいきません。
ならば、この身体をバラバラにしてしまえばいいだけです。
すでに私たちは科学、医学、学問の力によって、身体はバラバラだ、という観念を持っています。身体はたくさんの細胞によってできている、と知っています。
身体がバラバラだ、という考え方はむしろ、当たり前であり、疑う事が出来ないほどのレベルで心に出来上がっていると思うのです。
身体をバラバラにしようとする時、そこに個性があってはいけません。
しっかりとしようと思えば骨化します。頑張ろうと思えば筋肉化し、周りとの境界を意識すれば皮膚化してしまいます。
また、息が苦しければ肺が主役になり、お腹痛ければ胃腸化していきますし、難しいー！と思えば脳化します。
それら全部をやめて、バラバラになる事を求めるのです。
何かをやろう、とするのではなく、全部やめるわけです。
身体の持つ個性を無くし、全部バラバラにしてみる。このアプローチであれば、身体にネガティブな思いを持っていても全く関係ありません。
自信を持つのではなく、ただバラバラでい続ける身体を見る、そこから始めたならこれまで見てこなかった身体が見つかり、新しい私を感じる事ができそうだ、と予感しています。
ちょっとこのアプローチ法はもう少し、考えてみようかと思います。
関東稽古があります。よろしければご参加ください。
「つくば稽古」
稽古日時：2024/10/6（日）13：00-20：00（入退室自由）
会場：つくばカピオ リフレッシュルーム
住所：茨城県つくば市竹園1-10-1 ←クリックでマップが開きます。
参加費：10000円
「東京ロングヒーリング」
稽古日時：2024/10/8（火）10：00-17：00
会場：大岡山西住区センター
住所：目黒区平町一丁目15番12号
参加費：参加費24000円（当日払い）
定員6名
「東京夜稽古」
稽古日時：2024/10/8（火）18：00-21：00
会場：大岡山西住区センター
住所：目黒区平町一丁目15番12号
参加費：参加費10000円（当日払い）
定員はありません
同日10-17時にある「東京ロングヒーリング」に参加の方は5000円
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