感情に振り回される前に行うべき事

普段稽古ばかりで昔の友達とも遊ぶことが無くなった。世間話から遠ざかっている。社会性がどんどん欠落していく(笑)。
しかし、今はどうやら、その社会性を問われる流れの中にいるらしい。立て続けに「雑談」を要求される。
雑談は受け流すもの、そこに正誤を入れる必要はない。ただ、私はこの世には真理があるのではないか、と生きているので話が合わないと感じた時、一刻も早くそこから逃げたい、そう思ってしまう。しかし、現実に逃げられることは少ないので、私は「研究」をした。苦手な相手、嫌いな相手との雑談も研究心を得るとそこに楽しさも得られるようになる。
ただ、今日は研究ではなく、苦手な相手との向き合い方の話。

・人との間にも「角度」がある。
角度を大切にして武器を持った相手とも向き合えるようになった。やっとスタートラインに立てた。それ自体は長年の夢だったのでうれしいのは当然だけど、その技そのもの価値はほぼゼロだ。一生の間で武器によって襲われる確率はほとんどない。
私はこの技を通して「角度」の大切さを知った。そして、あらゆるところにその角度は見つかる。雑談の時にもそうだった。
苦手だ、と感じた時、その角度はとがって、ぶつかっている。相手の力がこちらに入り込み、崩されている。だから足指を使い、相手に揃え、向き合いなおす。すると、苦手な感じがなくなり、雑談を雑談として流すことができるようになった。

・私には必要だった技
おしゃべりが好きな人は自然と角度を揃えられるのだろう。間違っていても、なんだろうがお構いなしに楽しくしゃべることができる人がいる。いや、むしろ、このコミュニケーションの時代は多数派かもしれない。
しかし私はできなかった。ちょっとした一言が気になり、口数が減る。口数を減らして黙っていても、また聞こえてくる言葉が気になってしまう。この性格、何とかしたくてもどうにもならなかった。
しかし、それもやはり「身体」の使い方によって現れていたもの。足が居つき、動かないから自然と苦手な角度を作ってしまっていた。
この先の人生、この角度を持って生きていけることを思うとこの気づきと出会えたことの意味はとても大きい。

・角度は時間も超える
目の前の相手に角度は有効だ、とわかった。しかし、それだけじゃない。遠い未来、夢を描いたり、将来に不安を持った時、そこにも角度は関係してくる。
また過去にしてしまった経験、それらにも角度は関係している。目の前に存在していないものでも、頭の中にはなにかあるからだろう。

・感情を手掛かりにして角度を揃える
手掛かりになるのは感情だ。武器を構えられると「怖い」。この感情が出たという事はすでに角度が決まっているという事。感情に振り回されればパニックになり何もできないが、感情を手掛かりにして角度を調整するところへと戻ればいい。
現実の時間は巻き戻せないが、身体に現れた時間は巻き戻すことができる。
角度は本当にちょっとしたこと。そのちょっとしたことが自分の中の大問題を解決してしまう。嫌なことは見つけやすいから試しやすい。稽古しやすい。ぜひ、ちょっとずつ試してほしい。それが研究です。

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