今とは何か?

知識はありがたいが、罪深い。
知識があるから、頭はそこで留まってしまう。興味が持てない勉強はなかなか続かない。

「今を生きる。」

言葉はかっこいい。
現代のようにたくさんの過去からの積み重ねも学べて、巨大な夢を未来としていくつも持てる。頭の中は広がっていく。
しかも、それでいて、今を生きるのだ、と今の大切さも「知っている」。

しかし、知っているだけなのだ。
今とは何かをわからず、ただ生きているだけ。

これはもう、罪ではないか、と思う。
しかし、多くの人はこれを罪とは思わない。私だって、誰が悪さをした罪なのかわからないから責めようもない。多くの人の無意識が望んだ事なら、みんな罪人だ。

こんな思いを得たのは初めて、身体を通して「今」を得たから。
脳みそが全身に広がって、「ココにいる」という感覚を得るという体験をしたから。
特別にどこかに行ったわけじゃない。
特別な人に可愛がられて秘伝を授けてもらったわけじゃない。
これまで通り、いつも通り、毎日を身体の観察を楽しく過ごしていただけだ。

「脊髄は脳の一部」

この文を目にした時、身体が変わった。頭の中にしかなかった脳が全身に広がっていく感覚を得た。
もちろん、これは妄想だ。しかし、動きは変わる。
それまで、他者との衝突を喜ぶことが出来なかったが、全身に脳が広がってみればあらゆることを経験として楽しんでいる自分がいた。

「今」がバージョンアップされたのは間違いない。
これまでも「今」とはなにかを追い求めてきたけれど、こんな世界だとは夢にも思わなかった。
これだけの変化を体験すると、次に出会う大きなバージョンアップはどれだけのものだろうと、ワクワクする。
ただ、このワクワクは「今」じゃない(笑)。

一人でも稽古を楽しみ、この全身に脳が広がる楽しさを共有してくれたらいいな、と思う。

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