生まれ変わりver.2

※普段、稽古のご案内として出させていただいているメールです。【2020/10】

こんにちは、カラダラボの山口です。

すっかり寒くなりました。
身体を動かすのにはいい季節です。・・・ただ、いつだって身体は動いていました(笑)。

気分のいい時に、気持ち良くなる運動は皆、大好きです。
しかし、武術は気分にかかわらず、気持ち良くなる運動を考えなくてはいけません。ただここにいるだけ、ただ息をしているだけだって「運動」です。

最初は難しいかもしれません。そもそも「身体」という対象が見えず、わかりません。しかし、身体は決して私を見放しません。どこにも行きません。時間をかければかけるほど、納得へと近づきます。

そんな「頑張らず」、「いい加減な」稽古を私は提供しているつもりです。

私の技、動きには覚えなくてはいけないものがありません。どれも手順化されていません。いや、手順に見える時もあるだろうし、強く言葉に残している時もあるかもしれません。しかし、それは数か月たてば、まるで違うものに変化、昇華している事がほとんどです。

技として結果をもとめるのではなく、いかに身体を活かし動かすか、と身体の声を聞いていると、おおよそ、人の頭が作り出したものは邪魔なのだなぁ、と思うようになりました(笑)。

ですから、私のどの稽古会であっても、私の話も聞かなくてもいい事にしています。もともと、号令に合わせる稽古はありませんが、それでも、初心のうちは「先生」のいう事を聞いてしまいます。しかし、私が先生ではないのです。先生がいるとしたらそれは「それぞれの身体」が先生だと思っています。

稽古中、私の話を聞かず、身体の中に見つけた感覚をじっと見つめ、何もしなくたっていいのです。どんな事をしてもいい、これは子供には簡単ですが、大人は難しい、忘れてしまいました。つい、人の言葉に従ってしまいます。

ぜひ、この先、私の稽古に参加されることのある場合、それを頭において、ご参加ください。勝手に工夫し、実験し、私のいう事を聞かない。大歓迎です(笑)。

この稽古法こそ甲野先生から学んだものです。その日、その場を共にしたものが、それぞれ興味に従い、研究し、新しい世界を開きます。そんな稽古をずっと、続けてきました。

最初、稽古から見つかる「成果」はほとんどなく、「よくわからない」というものばかりでしたが、わからない、がたくさん溜まると、自然とそこにつながりが見えてくるようです。その塵のようなわからないものが積み重なり、大きな気づきへと向かわせてくれます。

最近私は再び、「生まれ変わる」という経験をしました。今、絶賛体験中、あぁ、この身体が子供の頃にあったのなら・・・と思うばかりです(笑)。
私の中にこんな私がいたのか、と驚きです。

以前にも「生まれ変わり」についてお話をしました。
それは「お腹を伸ばす」という術理として。背筋背筋と、猫背を何とかするのに、背中ばかりを見ていてはダメなのだ、と気づき、お腹を上下に引き延ばしたのです。すると、心が軽くなり、気持ちが前へと向かうように変わります。
これは「生まれ変わり」だ、と言葉にしましたが、それは大げさではありません。

「内向きから外向きへ」、気持ちが変われば心は別人、これをお伝えしました。
今回、その上下に引き延ばすだけではなく、左右へも引きわかれる事がわかったのです。
具体的には仙骨と胸骨を左右へと引き別れさせます。仙骨と胸骨、すでにそれぞれは上下に分かれています。上下を忘れて、左右に集中できたのはそのおかげかな。

左右へと分けてみれば、身体に「ハリ」が生まれます。そのハリがある時、身体は崩れません。肉体的、三次元的身体の話です。
すでに体重という負担を誰もが持っているのです。その体重が無意識の間に、身体の前側へ入り、膝を曲げさせ、股関節を詰まらせ、腰を頑張らせていました。年齢と共に苦しくなるのは当然です。そして、それは「老い」として現れてきたようにみえるから、つい、諦めてしまったりします。

しかし、違いました。左右へと開き、割れば、体重は背中に流れます。負担は関節には溜まりません。結果的に、「楽」さを感じられます。立っているのも、歩くのも、走るのも、跳ぶのも楽です。
ただ、この「楽」はちょっと前の自分との比較。その楽になった自分の動きをさらに楽々やっている人は大勢いるでしょう。ただ、その人たちは無意識のうちに、身体を「開けていた」という事です。

ただ、「無意識」というのがいただけません。人はケガもするし、病気もする。この世にはアクシデントがあります。そのアクシデントと老いが結びつくと、身体に諦めが出ます。引退するスポーツ選手に多いですよね。
でも、違うのです。身体はいつも、ココにある。その身体をうまく生かせば、必ず、いつでも、さっきよりは気持ちがいい、という軽い動きが見つかります。その軽さがあれば、常識的老いは現れません。

自粛が解かれ、各地でまた楽しいイベント、アトラクションが行われています。外にある楽しさがまた溢れます。それは幸せな事ですが、内面にある楽しさも知っていなければ命ある人生を楽しめません。

これからも私の稽古では「お世話をしない」を念頭に開催します(笑)。
お世話しないから、私にも気を遣わず、ただ、自分の身体を先生とし、過ごすコツが見つかるはず。気楽にご参加ください。


さて、稽古のご案内です。今日は三つ。
・甲野善紀先生の名古屋稽古
・川崎稽古
・東山公園稽古

【甲野先生の名古屋稽古】
稽古日時:2020/10/24(土) PM 2:00~5:00 
稽古場所:名古屋市緑区浦里4-202
http://www.karadalab.com/archives/1872

【川崎稽古会】
稽古日時:2020/11/29(日)14:00~18:00
会場:澁谷農園『母家』
http://www.karadalab.com/kanto

【東山公園稽古】
稽古日時:2020/11/27(金)10:00~12:00
会場:東山公園駅から徒歩5分、会場は申込者に個別連絡します。
http://www.karadalab.com/sch
今後、第4金曜日に定期開催予定。

もちろん、定期稽古はこれまで通り開催中です。
ご参加、ご研究、お待ちしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?