2019年の術理 1月

1月の稽古録ノートを開いてみると、イラストから始まっています。
いつの頃からか、言葉だけではなく、イラストも使うようになりました。ただ、そのイラストは考え方の全体像として使っており、説明抜きにこれらのイラストを見ても、さっぱりわからないと思います。

ノートを見返してちょっと驚きました。すでにこの頃から、今考えている見えない世界の一端を感じていたようです。
それは「重心」があり、その前に「モヤモヤ」とした想像がある、という世界です。ただ、その重心やモヤモヤも今から思えば、まだまだ実感としては薄いものです。もちろん、当時はそれでも最先端ですから、喜び100パーセントで行っていましたけども(笑)。

年末年始、対人の稽古は減ります。自ずと一人、頭の中で模索する時間が増えるのですが、ノートを見ると、「運」や「認識」、「時間」や「生きる意味」、哲学でもするようなややこしい言葉が並んでいます(笑)。
こうした何となく知っている言葉を実感したい、そして、稽古をしていけば実感が持てる、とわかったからこそ、稽古はもう、やめられません。

お正月休みも終わった頃から対人稽古が増え、具体的に技として使える術理が増えてきました。


「猫の目」

正中線を意識すれば左右の崩れは少なくなります。「体幹」の話であれば、きっとわかってくれると思います。しかし、どうやら「目」にも「正中線」があるようです。
私たちの目はぐるぐると自由に動きます。網膜というスクリーンは上下左右の平面ですが、前への奥行きも疑似的にでしょうがありそうです。
通常であれば目の動きをさらに、良くしたい!そう願うかもしれません。しかし私はこの目の動きをあえて抑えるのです。「上下」にしか動かないように、上下しか見えないようにするのです。
意識的だけで行う時には上下に引っ張るように行います。きっと、猫はこんな目を使っています。あの自由な振る舞いもそれならわかります。

目が上下にしか動かないようになると、左右へと動ける範囲が狭まります。この目の一番の活用法は正面からの突き、斬りという攻撃に対してです。
縦横平面上を良く動く目になっていると、どうしても、左右へと動きすぎるのです。警戒心が強くなりすぎ、身体が緊張してしまいます。しかし、上下に限定をする事で、相手の突き、斬りをギリギリで外す事ができるようになりました。

面白いのは、眼帯に上下の穴を細工して使う事でも、この感覚は得られる事です。まさに「具体的な目」の問題だからです。
具体的に左右の視界を抑えるからこそ、そこに怖れを見つけられなくなります。もし、目標が定まっているのなら、この目の使い方がお勧めです。左右を見ない、聞かない、ひたすら目標へと進むことが出来るようになります。

「人差し指は3本」

目に正中線を作った事で「見る」力のレベルが上がっていたようです。その後、重心や身体のねじれや相手の隙を見つけるのにも猫の目は有効でした。左右へと動かなくなる事で迷いが減りました。
あらゆるところに正中線は存在します。そして指にだって当然、存在します。

人差し指は1本です。そして、その指は長く、伸びています。しかし、多くの人の指の直線は何となく作られたもの。指先が何かにぶつかればその刺激は指の関節へと戻ります。何となくの線ですから、これを普通だと思い込んでしまいます。
しかし、実はちゃんと指を認識をすれば、指には相手をえぐる強い力が生まれるのです。

人差し指を見た時、左右の輪郭を見ます。左右にそれぞれ、線があります。そして、その2本の線の真ん中に正中線を作るのです。その正中線は認識して初めて生まれるもの。左右の線があるからこそ、その中心に正中線を精度よく作り出す事ができます。
指は3本あると思って手を使えば、動きの精度は格段に上がります。

もし、すでに考えずとも行える技術を持っているのなら、この指の正中線を認識すればすぐにでも成果が出るかもしれません。

【いよいよ今年の稽古も最後です!】
名古屋 12/25(水)10:30-12:30、12/29(日)10:00-17:00
浜松 12/28(土)13:00-17:00
【久しぶりの東京稽古も決まりました】
東京目黒 2020/2/2(日) PM1:00~PM4:00

http://www.karadalab.com/sch


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