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日向のうたた寝

地続きで生きてきた。地続きで歩いてきた。
歩ける方を歩いた。
目の前に変なものが落ちていたら、そっちの道はいかなかった。
このときは、ずっと曇っていた気がする。

あるとき、太陽を見つけた。太陽は明るくて、暖かかった。

太陽に向かってジャンプしてみた。
ここからだと、届かないことは分かっていた。

バカにされたというか、面白がられた。
そのときはそれがどうしても嫌で恥ずかしかった。

でも、どうしても太陽に届きたいと思った。
だから、他の方法を色々考えた。

とりあえず歩いていれば、あるところで地面が曲がって太陽まで続く道が現れるんじゃないかと思った。そんなのは甘いと分かっていた。

考えた中で一番良い方法は、太陽に近い場所を目指すことだった。
そうすれば、太陽に届くと思った。
だから、そうすることにした。

そこに行く道は、分かりにくくて、何度も分かれ道があった。
ただ、そんなことは分かっていたから、地図を買っていた。
しかし、地図はあまり信用ならないように思えたから、何度も買い換えた

あまり買い換えてよかったと感じることはなかったから、地図を信じない自分が悪かっただけなのかもしれない。

岐路の行くべき方は地図によって書いてあることがバラバラで、結局どっちに行けばいいのか分からなかった。ただ、行く方角は同じだった気がする。

よく分からない中でひたすら歩いてたけど、こんなに調べたのは初めてのことだったから、自分に感心した。

あるとき、歩いている途中で足が止まった。
太陽に近いところまで行ったところで、太陽には届かないことが分かってしまったのだ。

実際、太陽に届いた人は今までいなかったそうだし、近づいたら死んでしまった人もいるんだそう。
よく調べてみると、とてつもなく遠い場所にあるのに、同時にとてつもなく大きいから、近くに見えているだけだと分かった。

だから、太陽に届くことを目指すのはやめることにした。やめたくなかったけれど、仕方がないと思った。

ただ、太陽を見つけてから、歩いてきた道は暖かかったし、気分がよかった。だから、これからも太陽の方に向かって歩こうと思うし、太陽に近いところにも行ってみようと思っている。

歩き始めたとき、ずっと曇りではなかったんだと最近思う。なぜなら、そこに戻ってみたとき、そこにも太陽があったからだ。

寝言みたいなことを言っているように思えるかもしれない。
それもそうだと思う。なぜなら、これは僕の夢と現実の話なのだから。

さあ、テスト勉強しなければ。

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