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『バンドエイド剝がすような別れ方』はアイドル史に残る名曲だ

乃木坂46 5期生の新曲『バンドエイド剝がすような別れ方』は神曲だ。

乃木坂46 5期生の11人

今回は『バンドエイドを剥がすような別れ方』が神曲すぎるということを1人でも多くの方に伝えたくてこの度この記事を書くことにしました。
はじめまして、さくと申します。

私は長らく乃木オタをしていて、ライブのために上海まで飛ぶくらいのオタクだったのですが、ここ2~3年、1,2期生の卒業ラッシュ、コロナ禍によるライブができない環境等により、少し熱が冷めておりました。
しかしそんな中、この曲に出会い、真夏の全国ツアーで肉眼でこの曲のパフォーマンスを拝見し、完全に5期生のトリコとなってしまいました。

このような記事を書くのは初めての経験になるため、駄文になるかと思いますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
そして、一人でも多くの方にこの曲、そして5期生の魅力を知っていただければと思います。


まず初めに、アイドルの曲を評価する際、様々な観点から評価できると考えています。具体的には、
・メロディ
・歌詞
・MV
・パフォーマンス(ダンス)
・歌唱力、歌声
・衣装
・バックグラウンド
の7項目になります。全部について書こうと思っていたのですが、思った以上にしんどそうなのでその中でも今回は特に傑出していると考えるメロディMVについて考察して、この曲の魅力をお伝えしていきます。

1.メロディ

メロディに関しては文句の付け所がないと考えます。
この曲、なんといってもメロディが至高。

まず疾走感のあるイントロが最高です。イントロだけで、この曲の持つ爽やかさ、そして少しの切なさが表現されています。
乃木坂曲で言うと『ひと夏の長さより・・・』『空扉』と近いでしょうか。
特に『ひと夏』とはかなり近いものを感じるな・・・と思っていたらなんと作曲者が同じでした(A-NOTEさん)。天才。
『ひと夏』のイントロも、『バンドエイド』のサビも、同じ音階がかなり連続で使われている点も共通点といえます。
(『ひと夏』はレソシシシシシシシラララソファ#ファ#ファ#、
『バンドエイド』はファファファファファファファファファファソラファファファファファファ)と、かなり特徴的です。

やはり神曲は等しくイントロが素晴らしい。
そしてその後はAメロで合いの手があり、Bメロが典型的な4/4拍子(PPPHのリズム)、そして2番以降はCメロ→落ちサビ→ラスサビという、わりかしオーソドックスな作りになっています。ではなぜこの曲のメロディが至高なのか。

答えは、「ワンフレーズが長い」ことにあると思います。
多くの曲、例えば新曲『好きというのはロックだぜ!』のサビは
「君を好きになった/それだけのことでも/すべてがひっくり返って/キラキラし始めた」と、1フレーズことにメロディも区切られます。
一方『バンドエイド』は
「夏の恋はフェードアウト気づかずに消える幻/ちゃんと/今日で終わりなんて線も引けずに/いつの間にか」
と、歌詞に対してメロディの区切りが非常に長い。それによって疾走感が保たれています。

そしてサビだけならまだしも、『バンドエイド』は冒頭のAメロからこの作りになっています。
他の曲、例えばBPMが高い『インフルエンサー』ですらAメロは
「いつだって/知らないうちに/僕は見まわしている」
と、フレーズごとにメロディが区切られています。
一方『バンドエイド』は
「砂浜の白い貝殻はいつから/寄せる波に流されないまま見ていたのか」
と1フレーズ、1メロディが非常に長い。

これによって、曲を通して疾走感が保たれているのではないかと感じます。

また、多くの曲は、サビは繰り返しで構成されます。
これも『好きロック』を例に出すと、
「君を好きになった~キラキラし始めた」と
「愛ってこんなにも~好きになってくれ」で、
全く同じメロディを2回繰り返してサビが終わります。
一方バンドエイドは
「夏の恋はフェードアウト~いつの間にか」と
「今日で終わりなんて~三日おきになって」で同じメロディを繰り返した後、
「知らず知らずに~」と、もうワンフレーズ入ります。
これによってもう一段階曲が盛り上がると同時に、単調なイメージがなくなります。

※好きロックと比較しまくってますが、好きロックもめっちゃ好きです。かっきーほんとかわいい。

以上の要素から、オーソドックスな曲構成であるにもかかわらず、イントロから大サビ、アウトロまで、一気通貫して疾走感が保たれ、それによって曲の爽やかさや切なさがさらにシナジーとなっているのではと感じました。

2.MV

メロディの話だけでもかなりの文字数になってしまいましたがもう少しだけお付き合いください。
続いてはMVです。

自論になりますが、アイドルのMVは、ストーリー性を持たせすぎて肝心の可を映すことがおろそかになったり、逆に顔を映しすぎてストーリー性が皆無になったりすることが多いと思います。
それに対し、メンバーの顔もしっかり映し、かつストーリー性も担保され、ダンスシーンもしっかりある、というMVが至高だと考えています。
この曲のMVはすべてが満たされており、完璧なMVに仕上がっていると感じました。

ストーリーに目を向けると、このMVの特徴は、一言で言うと「対比」になると思います。

一番わかりやすいところで言うと、日常の学校パートは色素が薄いのに対し、サビのダンスパートは非常にカラフル。それによってダンスパートのキラキラ感が強調されます。

他にも、現代風に言うと陽キャで優等生な井上和ちゃんと陰キャの川﨑桜ちゃんの対比もわかりやすく提示されています。
他にストーリー上で描かれる対比の基となるのが、
1番ではアイドルの動画を見ても誰にも話しかけられなかった菅原咲月ちゃんが、2番ではみんなに話しかけてもらえて、心の距離が縮まるというストーリー。これを元に、1番とラスサビで多くの対比が描かれます。
・1番では咲月ちゃんが消しゴムを落としても拾わない川﨑桜ちゃんが、ラスサビでは拾ってくれる。(ちなみにこのシーンの撮影は消しゴムがうまく転がらず15テイクもしたそう。)
・1番では無言で廊下を通り過ぎる菅原咲月ちゃんと中西アルノちゃんが、ラスサビでは楽しそうにおしゃべりしながら歩く。
・1番では登校時に誰とも話さない菅原咲月ちゃんが、ラスサビではみんなと仲良く話しながら登校する。
・1番では基本みんな教室では無表情なのが、ラスサビではみんな笑顔になる。

軽く挙げただけでもこれだけの対比があります。
歌詞だけ見ると自然消滅という形で失恋したカップルを描く切ない恋愛ソングに見えますが、MVは全く違っていて、周りに壁を作るタイプの1人の少女が、趣味であるである大好きなアイドルをきっかけに周りと打ち解けあい、日常が輝いていくというストーリー。
流石に2つの物語に関連性がなさすぎるので、恐らく歌詞とは別物としてMVは作られたと推測しますが、そのおかげで、1度で2度美味しい楽曲になったのではと思います。
ちなみに、この曲のセンターの菅原咲月ちゃんは、29thシングル『Actually…』の特典の個人ドキュメンタリーで語っていたように、もともとアイドルが好きで、アイドルに憧れ続けてオーディションを受け、実際にこうしてアイドルになってセンターを務めているというバックグラウンドがあります。そこを踏まえると、「日常と切り離して捉えていたアイドルが現実に介入してきて人生を変える」というストーリーが、MVだけではなく咲月ちゃん本人の人生も踏まえたものとなっていることがわかります。
このバックグラウンドを知ってからMVを見るとより一層咲月ちゃんが輝いて見えること間違いなしです!

以上のように、曲構成やMV構成、(そして歌詞)はかなりシンプルなのに、ディテールのクオリティの高さにより、非常に奥が深い作品になっています。
これはやはり楽曲提供者やMV監督の手腕ももちろんですが、やはり主役である乃木坂5期生の力によるものだと感じます。
まだ加入して半年ですが、完成されているビジュアルに演技力、歌唱力、表現力、どれをとっても非の打ちどころがありません。
しかもまだまだ伸びしろはあると思うので、今後どんな風に成長していくのか、末恐ろしい限りです。
ちなみに私はこの曲で完全に菅原咲月ちゃんのトリコになってしまいました。。

というわけでここまで読んでくださりありがとうございました。
また気が向いたらこの曲の他のテーマや、別の曲についても書いてみたいと思います!

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