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オテサーネク感想

アマプラで視聴。
サムネの眉なし金髪少女が怖いことをする内容かと思ってたら全然そんなことなかった!!
少女がしでかす事も怖いっちゃ怖いんですが。

主人公は金髪少女に違いないとは思いますが、彼女はあくまで巻き込まれ役。不妊に悩む夫婦が切り株を赤ん坊に見立てて育て出したことを発端に、アパートの住人たちが狂気に巻き込まれていく…。
少女と狂気に堕ちた母親の共通点は、とにかく自分だけの存在を独占したいと強く願っている事。
しかしそんなものは存在せず、それを望んだ代償は大きい…ということなんでしょうか。ちょっと無理やりすぎるか。

それにしても弟妹を欲しいと願うあまりエロ本すっ飛ばして生殖についての医学書を読んでいる子供というのはその存在がホラーかもしれませんね。

作中で父親は切り株の息子をずっと拒絶して殺そうだのなんだの言っていますが、決定打は下さない。
それは彼の中途半端さがから来ているのかと苦々しい気持ちで見ていたのですが、…違いましたね〜!!
夫婦の不妊の原因は夫の無精子症。
妻の狂気も、元を辿れば自分が性的に不能だから…という負目があったからこそ、夫は妻の狂気をを決定的に否定することは出来なかったのでしょう。
妻からの「私たちにこれから子供ができる?」という問いに顔を覆う夫のなんと悲しいことか。
住人をどんどん食べていく息子に業を煮やし、ついにチェーンソーを構えて地下室に向かった夫。伸びて来た化け物の巨大な木枝を前に、彼はチェーンソーを放り出す。
「息子よ…」と呟いて化け物に食われる彼は結局父親だったのでした。不妊の原因が自分にあるからこそ周囲に相談もできず、妻の狂気も拒否出来ず、バケモノとはいえ奇跡のように生まれた子供を拒否しきることもできず、作中でいちばん可哀想なのは彼だったかもしれませんね。

それにしてもこのアパートの住人たちはお互いに興味津々でめちゃくちゃ嫌ですね。こういうアパートに絶対に住みたくない。

昨年日本で公開された「オオカミの家」を見たことを知人に話したらこの映画を勧められて見たのですが、たしかにコマ撮りのホラー&幻想表現の原点的なものを感じました。
「オオカミの家」は映像的には最高最高最高なんですが、ストーリーラインはかなり謎。
オテサーネクはかなりストーリーラインがある物語でしたね。
ずっとサムネを見るたびに「なんでこの少女は目玉焼きを啜ってるのだろう…」と気になってた映画だったので観れてよかった!

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