役者である前に

『The King and I 王様と私』は素晴らしい舞台だと思った。

 歌...特にアンナ、タプティム、レディ・ティアンの歌が美しく、人を酔いしれさせ、役として心に語りかけて来るようだった。
 このように自由自在に歌えたら、どんなに良いだろう。人に、物語を無駄なストレスを与えず伝えることができる。そうなる為には、やはり声楽を学ぶことが必要なのであろう。それだけでなく、きちんとした生活を送り、きちんとした教育を受け、鍛練の日々を勤勉に送ることが大切なのだと考える。社会できちんと責任を担って働くことも大切だ。それらの営みが精神を養うからだ。
 何事も、何の職業に就くにも、基礎的な人格が必要なのだ。そして、物事にこつこつと誠実に取り組むこと。

 本当に、心から、ちゃんとした人間になりたいと思う。この心の焦燥は、そうしなければ、その道を歩まなければ、収まることはないだろう。

 通信でなくきちんと大学に入って勉強し、子を産んで、育てる。高度で専門性の高い職業に就き、専心働く。それを、したい。それが、私らしい生き方だから。まずは、職業に就く為、勉強し、きちんとした大学に入ろう。でも、入ることを目的にするのでなく、その先を、職業を、人生を、見据えて努力すること。

 しっかり生きて行きたい。誠実に、勤勉に。私はこの人生を再び歩めるかしら。止まっていた訳ではない。迷っていた。誤った道をそれと知らずに必死に走った。心身をぼろぼろにして。お金と時間と体と心とうまく付き合えなくて、遊ばず必死に真面目に働き勉強し体を鍛え続けていたのに、面接に受からず、自分を卑下して、周囲を恨み、憎んだ。たった一度しか生きられないのなら、私は人を愛したい。自分が誇れる職業を通して人と社会に貢献したい。その道を、他者に曲げられることは、もう無いのだ。恨みや憎しみや後悔に飲み込まれることなく、恵みに感謝し、心に決めて、歩もう。茨の道であるとしても、正しい方向に歩み続ければ、いつか道が拓ける時が来るのだと信じて...。

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