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5月読書記録


ほぼ一気読み、様々な気持ちを落ち着かせ整理しようと本を閉じるものの、30分もすると読み進めたくなる。登場人物に悪人はいなくて、痛々しい気持ちになるのだが、ラストに向けてほんの少しけど明るさを感じ力強さを感じ始める。「家族なんだから」「負けちゃだめだ」などは呪いの言葉だ(私も子供~20代終わりまで嫌いな言葉だったなと思い出す)そして森の言葉や存在に僕と同じく共感できない自分に「呪われてるじゃん」と気づきぞっとした、他様々感情が動かされ、再読で整理したい。内容は悲惨残酷なのだが、暗いのではなく力強い本なのだ

三島由紀夫「禁色」を1か月かかって読み終えてようやく読み始めることができる
生きがいとはなにか、失うこと、再生・・と順序たてて引用を多用し丁寧に教えてくれている
美しい心で書かれる文章は、まっとうで上品で、私の真っ黒心は「てやんでぇ」と突っ込みたくなる時もあるのだけれど、悩める人にどこまでも優しく寄り添ってくれていることは間違いない。私も優しい穏やかな気持ちになれる時間もあった。p230~宗教のとらえ方の文章がわかりやすくて納得できた


4本の短編集 「タンノイのエジンバラ」はスピーカーの名前(知らなかった)、失業保険で暮らしていた時期、隣家の女の子を預かったことがあった話「夜のあぐら」父の死が間近となり4年ぶりに集合した私30歳、姉、弟。私が高校生の頃、バラバラになりそれぞれに生きてきた3人。ぎこちないながらも温かい関係性を感じるのは家族としての年月の存在なのか。「バルセロナの印象」「30歳」と読み終えて、「人生は傷つくことの連続なのだなぁ(もちろん自分も)」としみじみする。で同じくらい人を傷つけていることは思い出せないという、人間の可笑しみを嚙み締めた。再読したい本

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