みんなのおうちのミネストローネ:スープレシピ
イタリアの野菜たっぷりスープ、ミネストローネ。そのときどきである野菜を何でも入れて煮込む、いわばイタリア版のお味噌汁です。
今回のリアルスープレッスンでミネストローネをテーマにしたため、おいしいミネストローネを求めて、さまざまなレシピを本やネットで読み込んでみたところ…
みんなが家で作る「おうちミネストローネ」と、シェフの作るミネストローネに違いがあることがわかりました。
そこで今回は「家庭で作られるミネストローネの平均的なレシピ」を出してみます。何度か作ってみましたが、とても美味しい。さすが、主婦の知恵の集結です!
家庭のミネストローネの大きな特長としては
●「材料使いきり」が多い
シェフは、美味しいバランスで野菜を使いますが、主婦は使いきりのバランスで野菜を使います。にんじんやたまねぎがちょっと多かったり、ベーコンが少なめなのは、残さない工夫だったり、1パックの量だったりするのです。
●トマトの量が多い
「使いきり」の最たるものが、トマト缶です。これは、4人前ぐらいの分量を作るときに、トマトの水煮缶を1缶使いきるため。
●煮込み時間が短い
1時間ぐらい煮込んでいる方もいますが、基本は20分ぐらい。忙しい中、スープの仕度にかけられる時間はそのぐらいですよね。トマトの酸味などがちょっと残ってしまうため、ケチャップやお砂糖を入れる人が思いのほか多いことに気がつきました。
●豆は缶詰
豆は、入れる方と入れない方がいますが、入れる方は缶詰が主流。下茹での必要もなく便利です。ネットに出ているレシピは大豆が比較的多いですが、これは最近まで他の水煮缶が少なかったため。最近はいろいろな豆が出ています。
いなばの水煮缶がちょうどよい、使いきりサイズ。豆の種類もいろいろ。ミネストローネにはどれを使ってもよい。
材料(4人分)
たまねぎ中1/2個
にんにく1かけ
にんじん小1本(大きいものは半分)
セロリ1/2本 きのこ(好みのもの)4~50g
キャベツの葉2~3枚(あるいは1/8個)
じゃがいも中1個
トマト缶 1缶
豆の水煮缶(大豆、ひよこ豆、レッドキドニーなど)小1缶
ベーコン50g
ショートパスタ50g
オリーブオイル大さじ2
トマトケチャップ大さじ1
コンソメキューブ2個
塩、胡椒
水約800mL
写真にオリーブオイル入れ忘れました…
作り方
1 野菜の下ごしらえをする
たまねぎ、にんじん、セロリ、じゃがいもは1cm角に切る。キャベツは2cm、ベーコンは1cm四方。にんにくはみじん切り。きのこも基本は1㎝ほどの大きさに切る。
形は自由で、5~7mmぐらいの薄切りでも。ただし大きさは揃える。
2 野菜を炒める
鍋にオリーブオイル、にんにくを入れて弱火にかける。色づいてきたら玉ねぎ、にんじん、セロリを炒める。たまねぎが透き通ったら、ベーコン、きのこ、キャベツ、じゃがいもを加えて炒める。
たまねぎとにんにくはしっかり火を通すことで、生臭さが消える
野菜の水分が出てくるまで、5分ほどかけて炒める。炒め時間について触れているレシピは少なく、このぐらいではないかと推測。
3 トマトと豆、パスタを加え、煮込む
しっかり炒め合わせたら豆の缶詰、トマト缶をつぶしながら加えてひと混ぜし、水を400mL加え、コンソメキューブとケチャップも入れて約20~25分、水が減ってきたら足しながら煮込む。パスタは煮込み始めて10分たった頃に加え、やわらかくなるまで煮る。
塩・こしょうで味つけし、器に盛り、好みでチーズとオリーブオイルを振る。
トマトケチャップが入っているので味がマイルド。また、コンソメキューブがはいるためうまみもしっかりあります。20分ぐらいの煮込みだと、野菜がクタクタ…というよりは、少しシャッキリした感じ。時間がたつとなじんできます。
レシピ以外の野菜で多かったのは、ズッキーニ、なす、ブロッコリーなど、普段からよく使っている野菜が多いのは、残り物で作ることも多いからでしょう。
また肉は、ベーコン、ソーセージ、鶏肉などなにかしらうま味の出るものを使うことが多いです。ちなみにシェフのミネストローネは肉なしが多いんです。大量のオリーブオイルで、じっくり炒めて野菜のうまみを引き出すのです。
こちらはブロッコリー入り。豆はひよこ豆を使い、パスタ抜き。
家庭のミネストローネは、おいしいだけではいけません。
手間がかからず、経済的で、残り物も出さず、子供の舌も考える…そんな中で主婦たちが考案してきたレシピには、やはり意味があるように思います。私自身はまた別のレシピでミネストローネを作っていますが、時間がかかりすぎるし残り物もいろいろ出てしまうことに、反省することもあります。
材料を揃えたり刻むのがちょっと大変なミネストローネですが、全部の野菜が揃わなくてもかまいません。残り野菜があったらぜひ作ってみてください。
読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。