最初に覚えたい料理とは?
26日の金曜日に、新しいカテイカの第2回ミーティングがあった。このコラムのタイトルは、そこで課題となったワンテーマだ。
初心者向けの料理に必要な4つの要素
「初心者向けの料理本に出てくる料理はダサい」。
これは参加者の一人が発した言葉だが、その場のみんながうなずいた。初心者向けの料理本や家庭科の教科書に出てくる料理は、料理をしてみようという人にとって、どうもしっくりこないようだ。
そういえば『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』の企画をはじめたときも、編集の野本さんが、自分が作ろうという気になれる料理の本がどこにもないと言っていた。
料理を教える側が「これぞ基本料理」と思っているものは、初心者にとってみると決してそうではない、ということかもしれない。
これから料理を覚えたい人にとって、もっと日々の役に立つ料理はないだろうか。グループ内で話すうち、初心者が最初にやる料理に必要な4つの要素が浮かび上がってきた。それは、
○おいしいこと(食べたいものであること)
○作れること(失敗しないこと→最初に失敗すると料理嫌いになるので)
○メイン料理として一食の核になること
○応用がきくこと
先ほど貼り付けたレポートとかぶるので細かな説明は割愛するが、料理は食べ物を扱うから、絵やスポーツのように練習のための練習はしにくい。初めての料理でも、作ったものを食べるというリアルな状況において作る。つまり常に本番であるという観点が大切だと思った。
生姜焼き、マシライス、ルーカレーから気づくこと
ディスカッションで具体的な料理として「生姜焼き」「マシライス」「市販のカレールーを使った具がふたつカレー」などがでてきた。どれも、しっかりした味付けで、ほとんど失敗がない。ごはんが進んでメインになり、他の材料でレパートリーが増える。
(「マシライス」とは聞き慣れない料理名だが、ラーメン二郎系列の店のごはんメニューとのことで、ジャンキーな味の肉みそをごはんにかけたもの)
家庭科や料理教室の最初のステップは「包丁を握って、何か切ってみましょう、味付けしてみましょう」なのだが、実際には包丁を使ったり火を使わずに調理ができること、むずかしい味付けせずに済むことも大きなポイント!という話になった。
小学校6年生と料理の偏差値は同じ?
というのも、現代では料理の「基盤」がない人が大勢いるからだ。以前は母親の手伝いをさせられたり、台所で母親が料理するのを見て知らず知らずに学ぶことも多かったが、子供の塾通いや習い事の多い現代では料理のシーンを全く体験せずに大人になるケースも多い。
魚や野菜はおろか、牛と豚のちがいもわからない場合もある。包丁や火が怖いという人もいる。大人でも、まったく体験がなければ小学校6年生と料理偏差値はほとんど変わらない。
料理体験がないと、いきなり包丁や火を使うのはむずかしい。まず「料理に慣れる」「料理を好きになる」という、習うための前段階を作ることが最重要だ。
そのためにはレンジだろうがクックドゥだろうが、キッチンばさみだろうが、あらゆる手を使って「おいしくできた!」という体験を増やしていくのが得策なのだ。
だからインスタントラーメンにごま油を入れたら劇的においしくなった!というような体験でもいい。
料理やったことないけどこんなスープなら作れそう
私のスープの中でファースト料理に向くレシピといえば、「豆乳とたまごのスープ」だろう。たまご1個に豆乳を注いでレンジで加熱し、たまごが半熟になったらめんつゆで味をつける、というもの。こちらのサイトにレシピが掲載されているのでよかったら見てほしい。
とにかく、卵と豆乳というたんぱく質のかたまりなので、うまみは十分。トッピングも味付けも和洋自由で、めんつゆを使うので味付けも決まりやすい。
朝や昼だけではなく、遅く帰ってきてからの食事にもぴったり。ぜひお試しください。
++++
ミーティングのディスカッションは制限時間も人数も少なくかったので、引き続きこのテーマ考えたい。時間があり人も増えればこうしたアイデアは、たくさん出てくる。
ぜひ初めての料理に向く料理、教えてください。
こちらは私のスープレシピより、トマトうどん。この夏cakes『スープ・レッスン』で紹介し、多くの人に喜んでもらい、アレンジいただきました。
読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。