にんじんを、どうぞ。
『スープ・レッスン』のレシピのひとつに、にんじんのシンプルスープ、というのがある。
なんと今朝の朝日新聞一面『折々のことば』で、鷲田清一さんがこのにんじんスープのレシピの一節を取り上げてくださった。
にんじんのスープは“旬の野菜をシンプルにおいしく食べる”というスープ・レッスンのコンセプトをそのまま形にしたようなスープだ。
にんじんを鍋に入れ、オリーブオイルと塩とほんの少しの水で蒸し煮してから、そこに水を加える。たったこれだけ。
これがとても好評で、作って食べた人から、にんじんがこんなに甘くてやわらかくておいしかったとは知らなかった、にんじん嫌いの子供が食べた、そんな声をよくいただく。
作り方に秘密はない。むいた皮を一緒に入れるぐらいかな。にんじんだって、有機栽培の高いにんじんではなくてスーパーで買ってきたにんじんだ。塩も特別なものではない。
最大のポイントはきっと、にんじんだけを料理して、にんじんだけを食べる、ということ。にんじんはカレー、シチュー、サラダ、やきそば、野菜炒め…どんな料理にも入っているけれど、主役として食べられることは少ない。いつも脇役なのだ。
このスープでは、作るときも食べるときも、にんじんのことしか考えない。にんじんと向き合って、にんじんに集中する。自然ににんじんの魅力が見えてくるんだろう。
新聞記事の引用は文字数の都合でカットされていたので、ここに書いておく。
少なめの水でフタをしてしっかり蒸し煮することで、にんじんが汗をかいたようになり、にんじん自体の水分も使いながら甘く蒸されていきます。
ぜひみなさんも、にんじんのおいしさを味わってみてください。
読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。